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ドスパラ、3年半ぶりのWindows搭載8型お絵かきタブレット

 ドスパラは、Windows搭載の8型お絵かきタブレット「raytrektab 8インチモデル RT08WT」を予約開始した。発売は12月10日で、税別価格は4万9,800円。

 同社は2017年に8型のお絵かきタブレット「raytrektab DG-D08IWP」を発売したが、それ以降は8型の新製品を投入しておらず、現在は終息している。お絵かきタブレットとしては、2018年末に投入した10.1型の「raytrektab DG-D10IWP」が最新。

 そのため約3年ぶりとなる今回のRT08WTでは、ワコム技術採用のスタイラスペンはそのままに、CPU性能、メモリ容量、ストレージ性能の向上を図り、筐体を刷新した。

 CPUは従来のCherry TrailベースのAtom x5-Z8350から、Gemini LakeベースのCeleron N4000となり、コア数は減ったものの、レスポンスが大幅に改善。メモリも4GBから8GBへと倍増した。一方ストレージは64GB eMMCから128GB SSDとなり、容量/速度ともに向上している。

新しいraytrektab 8インチモデル RT08WTの仕様。メモリは8GB、ストレージは128GB SSDとなった

 液晶は従来と同じ1,280×800ドット表示対応の8型で、非光沢保護フィルム貼り付け済み。スタイラスペンはバッテリレスの「raytrektab Stylus S2」で、筆圧4,096階調/スキャンレート360Hz/傾き検知に対応したWacom feel IT technologies準拠のデジタイザとなっている。こちらは芯が交換できるタイプとなった。初回購入特典として、三菱鉛筆9800とコラボしたデザインのデジタイザペンが付属する。

 OSはWindows 10 Proで、CLIP STUDIO PAINT DEBUTのシリアルを同梱する。「ハードからソフトまでワンストップで提供しており、本機を買えばすぐにお絵かきがはじめられる」のもウリとなっている。

お絵かきに必要なハードウェアからソフトウェアまでワンストップで揃えられる

 インターフェイスはmicroSDカードスロットのほか、USB 3.0 Type-Cを備え、USB PD充電にも対応した。このほか、IEEE 802.11ac対応無線LANとBluetooth 5.0、マイク、スピーカー、音声入出力も内蔵する。液晶面に指紋センサーを備え、Windows Helloのログインをサポートするが、使用頻度の低いWebカメラは搭載しない仕様とした。

 バッテリはリチウムイオンで、駆動時間は約6.5時間。本体サイズは210×124.5×9.6mm(幅×奥行き×高さ)、重量は434g。ちなみに本体は軽量化と堅牢性両立のためにマグネシウムフレームを採用している。

おもな仕様
価格と販売日

 12月4日に東京・秋葉原で開かれた製品発表会で、株式会社サードウェーブ 製品・マーケティング統括本部 製品事業本部 プロダクトマネージャーの野口基督氏は、「クリエイター向けのraytrekシリーズは10年前より取り組んでいるが、この夏にチーム体制を強化し、Webサイトも刷新した。これまでもクリエイターに寄り添った製品づくりをしてきたが、改めてその原点に立ち返りたい。今回の8型タブレットの刷新もその姿勢に沿ったもので、クリエイターのフィードバックを製品に反映した」と紹介した。

野口基督氏

 また、すでに10.1型モデルを投入しているが、「8型なら場所を選ばず、すぐにアイディアをかたちにできる。Windowsを搭載していて、パワフルなので、普段クリエイターが使い慣れている設定などをそのまま移行でき、資産も十分に活用できる。raytrektab上で行なってきた作業を、ファイルの移動だけでメインのマシンでシームレスに継続できる」と語った。

 ワコムペンの採用について「クリエイターの方々はワコムの技術に強い思い入れがある。その技術にこだわって取り入れることで、クリエイターに適した製品を提供できたのではないか」と説明した。

 発表会には、イラストレーターの左氏もゲストとして登壇。同氏はこれまで作業のほとんどをデスクワークで行なってきていて、外出先でのアイディアはスマートフォンで(テキストで)メモ書きにして、デスクに帰ってからそれをかたちにしていた。しかしraytrektabを使うことで、その場ですぐにアイディアをかたちにでき、大きな感銘を受けたという。

イラストレーターの左氏
raytrektabのパッケージ
8型なら好きな場所で使える
左氏も実際にさまざまな場所で試したようだ

 「かれこれイラストレーターの仕事を20年間してきたが、(raytrektabなら)アイディアを実現化する上で欠かせない“ラフ描き”を、使い慣れたWindows環境で、リラックスした姿勢で行なえる。これまで仕事部屋で机と椅子のデスクワークでばかり作業していたが、リビングなりほかの部屋なりで描けるので、そういった用途に一番期待している」と述べた。

 なお、先述の三菱鉛筆9800デジタイザペンのキャンペーンのほかに、raytrektabを作品内に盛り込んだイラストのコンテストも開催。最優秀賞に30万円の賞金が用意されているほか、受賞者に対しドスパラがプロモーションの仕事を依頼することもあるといった支援を行なう。また、raytrek公式Twitterでは、複数のイラストレーターに本製品を使って実際に描いたイラストを順次投稿する。

raytrektab 8インチモデル RT08WTの実機
本体背面。ワコムのfeelITの採用が謳われている
右側面にUSB Type-C、microSDカードスロット、3.5mm音声入出力を装備
本体上部に音量調節と電源ボタンを装備する
Gセンサー搭載のため、縦持ちだと自動的に画面が回転する