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NECら、データセンターの空調消費電力を半減できる新冷媒採用システム

システムのイメージ

 NECおよびNTTコミュニケーションズ株式会社(NTT Com)は28日、ノンフロンの新冷媒を採用したデータセンターの通信機械設備用の冷却システムを開発し、共同で実験を行なったと発表した。この結果、空調の消費電力を従来から半減できることを実証した。

 データセンターの空調の効率向上策としては、発生熱源付近で冷却を行なうのが良いとされている一方で、水冷システムによる局所空調では受熱部機器が大きいため、後づけが困難だった。一方で従来の冷媒は高圧ガスとなるため、有資格者による管理が必要だった。

 今回両社は、新冷媒「R1224yd」を使用し、「相(気体液体)変化冷却技術」を利用した低圧冷却システムを開発。システムの配管内の気体と液体を分離することで、冷媒蒸気の流れをスムーズにし、低圧冷媒を大流量で流せるようにした。

 また、受熱性能を2倍以上向上させ、受熱部の小型化(高さ2分の1)を実現。天井高が低いフロアへの局所空調として、既存の建物や設備への後づけの導入を容易とした。現在運用中のNTT Comのデータセンターで実証実験を行なったところ、消費電力が半減できる(大型空調機相当の40kWの冷却能力を半分以下に削減)ことや、既存フロア/サーバールームへの設置が容易であることを確認した。

 データセンター市場は年率10%以上で増加してる一方で、首都圏における全消費電力の約12%が通信装置などによる電力利用だと言われており、環境保護の観点から消費電力の低減が課題となっている。新冷却システムは、データセンターの消費電力の30%以上を占める空調の消費電力低減に大きな効果があると期待され、2022年にNECでの事業化を目指し、NTT Comでは自社施設への導入検討を進める。

消費電力の削減効果