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パナソニック、自宅勤務でも作業に集中できる仕切りつきデスク

利用イメージ

 パナソニック株式会社ハウジングシステム事業部は、在宅勤務を効率的に行なうための在宅勤務用デスク「KOMORU(コモル)」を開発した。8月17日から受注を開始、9月18日から発売する。価格は88,000円。「リビングのなかで、こもれる半個室をつくることができる商品」(パナソニック ハウジングシステム事業部建築システムビジネスユニットの辰巳丈治BU長)と位置づけている。

【お詫びと訂正】初出時に、社名を「パナソニック ライフソリューションズ社」としておりましたが、「パナソニック株式会社 ハウジングシステム事業部」の誤りです。お詫びして訂正させていただきます。

 1平方mの半個室空間を、付属の六角レンチを使用するだけで、わずか15分間で、誰でも簡単に組み立てられるのが特徴で、高さ約120cmの仕切りと、デスクを一体化。部屋の角に設置することで、集中して仕事や作業に取り組むためのスペースを作ることができる。

 仕切りには、フックなどを取りつけることができる有孔ボードを採用。簡易的な収納を設置したり、必要な文具や小物などを配置したり、お気に入りの飾りつけなどのアレンジができる。机と反対側にもフックなどを取り付けることが可能だ。

 さらに、仕切り部には、明るいリビングに馴染むライトナチュラル柄と、流行のグレイッシュカラーを取り入れたミディアムグレー柄の2種類を用意。デスク部には落ち着いた雰囲気のダーク柄を採用している。「パナソニックが提供する内装ドアや床材とコーディネイトも可能であり、リビングに馴染む、落ち着いたデザインを採用した」という。

 大きく4つの部品で構成。アジャスターを取り付け、パネルを組み立て、デスク受けを取り付け、デスクカウンターを取り付ければ完成だ。壁の取り付けは、右方向と左方向のどちらにも行なえ、部屋のレイアウトにあわせて組み立てればいい。

 「部屋は増やせないが、隔離した空間が欲しいというニーズに対応できる」とする。

KOMORU(コモル)
設置イメージ
有孔ボードにより小物をフックでかけておける

在宅勤務で集中したいニーズに応える

 新型コロナウイルス感染拡大に伴い在宅勤務が増加している。

 同社の調査によると、1日あたりの在宅時間が3時間以上増えた人は53.9%、2~3時間以上増えた人は15.7%に達し、在宅勤務の頻度が週3日以上の人が31.3%に達している。

 その一方で、77%の人が、今後も在宅勤務を取り入れたいと回答しているが、在宅で仕事をする場所がリビングであると回答している人は50.1%に達しており、多くの人が家庭内で仕事に集中できない住環境にあることが浮き彫りになっている。

 在宅勤務時の仕事環境に対する不満では、「オンオフの切り替え出来ない」が43.8%、「家族が周囲にいて気が散る」が27.3%、「周囲の雑音が気になる」が22.5%、「家族の様子を見る必要がある」が22.0%、「専用空間なく集中できない」が21.8%となっている。

 「在宅ワークで集中できない住環境を解決するポイントは、家族との視線を遮断することにある。そのために、KOMORUを使用して、壁に面したかたちでワークスペースを確保したり、120cmの高さのパーティションによって、座れば視線を遮って集中できる環境を実現し、立てば視線が通る高さによって、家族とのつながりも両立できる」とし、「在宅勤務により、集中できる空間や効率的な環境、ほどよい距離感を持つ環境が求められているニーズに対応できる」としている。

利用イメージ

ENJOY YOUR ROOMのコンセプトを実現

 パナソニックは、1965年から建材事業を開始し、床材や壁面収納、内装ドアなどを発売。2018年からは、「ENJOY YOUR ROOM」のコンセプトを新たに打ち出し、内装ドアや床材などにおいて、施工性や耐久性、清掃性などの機能価値に加え、コーディネイトによって、「自分らしさ」といった感性価値を提案する取り組みを加速してきた。

 2018年7月に発売した「クラフトレーベル」は、ドアを塗ったり、選んだり、飾ったりできる商品企画が受けて2019年度は前年比125%増の販売実績を記録。2019年12月に発売したウォークインクローゼットに最適な収納や、そのなかに在宅勤務用デスクが設置できる「アイシェルフ」は、2020年度第1四半期には前四半期比79%増を達成。「趣味や仕事時のおこもりを維持しながら、家族と空間のつながりも維持できる「室内窓」は、2020年度第1四半期の販売実績において、前年同期比77%増と高い伸びをみせている。

 同社では、これらの「ENJOY YOUR ROOM」のコンセプトを実現した商品を、「自分スタイル商品群」としており、2019年度には20億円の売上実績を、2020年度には35億円、2021年度には50億円を目指す計画だ。

 また、同社の調査によると、コロナ影響によって、変化した意識や行動では、積極的な手洗いやうがいなど、健康面での変化が上位に入る一方で、「自分らしく生きる」との回答が30.1%と5位に入ったことを重視。「趣味趣向を家のなかに取り入れたり、ホテルやカフェ、アウトドアといった非日常を取り入れたりといったニーズが高まっているほか、掃除や除菌などをこまめに行ない、衛生面に配慮するといったことも増加している」と分析。「2020年度は、withコロナ、Afterコロナの時代において、そとからうちへという流れが加速する。おうちで趣味趣向、おうちで健康、おうちで仕事という3点から訴求を行なっていく」とした。

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴って、「在宅勤務などが増加したことで、マンションリフォームに対する問い合わせが増えている。また、リフォームを行なうさいにも、最終的には商品を見たいといったニーズがあり、ショールームの予約が一杯になっている」という。

 なお、同社では、「ENJOY YOUR ROOM」の訴求や、「KOMORU」の販売強化に向けて、笑わない男としても人気のラグビー日本代表の稲垣啓太選手(パナソニック所属)を、動画やポスターに起用。工業高校出身の器用さを生かして、楽しそうにKOMORUを組み立てる様子を、WebやSNSで公開する。

 また、2020年10月には、東京・汐留のパナソニック汐留ビルの16階フロアを改装して、オフィス空間を提案に活用。パナソニックリビングショールームのTRM(TOKYO リノベーション ミュージアム)に「ENJOY YOUR ROOM」のコンセプトをもとにしたワークスペースの提案をする特設展示を行なう予定だ。