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米国の香港優遇措置解除で半導体メーカーの戦略に難局

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 米商務省における香港の優遇措置解除により、半導体製品の現在の地域的集中状態や、半導体チップ製造メーカーの戦略が劇的に変わる可能性があることを、台湾の市場調査会社TrendForceが報じている。

 米商務省は6月29日に、中国による香港国家安全維持法が米国の機密情報の転用につながる危険性があるとして、香港への優遇措置を一時的に解除することを発表。これまで香港は米国からの優遇措置によって、世界中の製造業者や販売業者の主要な半導体チップ保管倉庫となっていたため、優遇措置解除は輸出に大きな影響を与えることになる。

 これらの業者は半導体部品を香港から中国に輸出するさいに、特別輸出ライセンスの申請に要する時間を考慮する必要があるだけでなく、製品の製造過程や配送経路、配送先においても、輸出規制に違反しないように細心の注意を払わなければならない。

 TrendForceは、台湾の半導体製造業者が、世界の製造工場やOSAT(半導体製造後の組み立てや試験を行なう業者)、IC設計といった重要な役割を占めており、米中間の輸出規制の影響を受けないように気をつける必要があると述べている。

 なお、台湾TSMCは米国アリゾナ州に、120億ドルを要して5nmプロセス技術に対応する大型半導体工場を建てることを5月に発表しており、2021年より着工、2024年の量産稼働を目指している。