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AI画像認識でHDD製造時間を1割削減する「Seagate Edge RX」

 米NVIDIAは30日、SeagateおよびHewlett Packard Enterprise(HPE)と共同開発した「Seagate Edge RX」を公開した。

 NVIDIAのエッジコンピューティング向け製品「NVIDIA EGX」とディープラーニングを組みあわせ、HDD製造時の異常検出を画像認識ベースで行なうもの。ヘッド部だけでも1,400もの工程が必要とされるなどHDD製造プロセスは非常に複雑で、製造過程で何らかの異常が発生したさいの損害は大きいという。Seagateはこのような課題を解決するため、NVIDIAおよびHPEと共同で、画像認識による異常検出システムの開発を進めた。

 システムの実現には、常に変化する異常パターンに対応可能なディープラーニングモデルや、1日あたり1,700万枚の画像処理や1秒あたり20カ所の推論実行といった、膨大な量のデータを高速に扱える仕組みが必要だった。3社は1年間かけて、ヘッドの画像を取得し分析するソリューションSeagate Edge RXを開発した。NVIDIA EGXプラットフォームを用いたエッジコンピューティングシステムで、工場間での膨大なデータ転送が必要ない設計となっている。

 Seagateによれば、すべての製造プロセスにSeagate Edge RXを導入した場合、クリーンルームへの投資が最大20%削減、製造スループット時間が10%短縮され、最大300%の投資利益率が見込め、効率化と品質向上が図れるとしている。同社ではこのシステムをすべての製造拠点へ順次配備していくとともに、他社が同様の異常検出ソリューションを容易に開発できるようリファレンスアーキテクチャを公開している。