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シャープ、超広角8K動画が撮れる5G対応6.5型スマホ「AQUOS R5G」
~2.5GbE搭載の5Gモバイルルーターも投入へ
2020年2月17日 18:06
シャープ株式会社は、5G対応の6.5型Androidスマートフォン「AQUOS R5G」を発表した。日本国内の商用5Gサービス提供開始が予定される今春の発売を見込む。
価格は未定だが、同社では現在のハイエンドスマートフォンと大きく乖離しない価格帯を想定しているとする。
AQUOS R5Gは同社初となる5G通信対応のスマートフォンで、製品最大の特徴は8K動画の撮影に対応した背面カメラを備える点。
カメラ構成は4,800万画素F2.9の超広角(35mm換算19mm相当)カメラ(EIS: 電子手ブレ補正)、1,220万画素F1.7広角(同26mm)カメラ(OIS: 光学手ブレ補正)、1,220万画素F2.7望遠(同52mm)カメラ(OIS)、3D(ToF)深度計測センサーの4つ。
超広角センサーはQuad Bayer(4in1)配列による4画素をまとめた低ノイズ撮影(1,200万画素)に対応するとしており、明言はされなかったがおそらくソニーのIMX586を採用するものとみられる。
3カメラを組み合わせ、1,200万画素で全ズーム域手ブレ補正(EIS+デュアルOIS)による撮影が可能で、深度センサーを活用したポートレート撮影(ボケ表現)、後日のアップデートで「ARCore」にも対応する。
マルチカメラ搭載のスマートフォンとしてめずらしく、超広角センサーに最高画素数のセンサーを配置しており、8K動画の撮影も同センサーで行なう。8K動画撮影時の手ブレ補正(EIS)については、対応する予定で開発を進めているという。
超広角の臨場感と8K解像度による超高精細の表示が可能で、8Kネイティブの視聴環境がない場合でも、人間の知覚が注目する場所によって無意識に見る範囲を変えているのと同様に、リアルタイムで被写体をAI認識/追跡してズーム表示する「8Kフォーカス再生」機能も搭載する。
ディスプレイ性能も既存製品から強化されており、アスペクト比19.8:1の6.5型QHD+(3,168×1,440ドット)Pro IGZOパネルを搭載。10億色(10bit)表示をサポートし、Dolby VisionおよびHDR10規格のHDR表示に対応する。
HDRに関連して、バックライト効率が12%改善され、AQUOS史上最高輝度となる1,000cd/平方mのピーク輝度を実現。HDRで鮮明な映像表示を可能とした。環境に応じたバックライトの制御で表示の白飛びや黒つぶれを抑制する「HDRエンハンサー」機能も新たに搭載する。
周辺光センサーを用いて、周辺環境(屋内外判定や色温度)に合わせて、明るさや色合いを最適化する「スマートカラーマッチング」機能も備える。
リフレッシュレートは最大120Hzで、IGZOの特性を活かし画面が動かない場合は最低1Hzまでリフレッシュレートを落とすことで、なめらかな表示と省電力性も両立した。
SoCにはQualcomm「Snapdragon 865」を採用し、AQUOS R3から25%の性能向上を謳うほか、Sub6帯の5G接続をサポートし、2GBのデータを4秒でダウンロード可能な下り最速約4Gbpsの高速通信に対応する。
メモリは12GB LPDDR5、ROMに256GBのUFS 3.0を搭載し、UFS 3.1のWriteBoosterファンクションも実装したことで、AQUOS R3比約4倍の書き込み速度を実現。GPSはL1とL5のデュアルバンド対応で、Wi-FiはWi-Fi 6(IEEE 802.11ax)に対応する。
ゲーム用途でもコマ落ちのないスムーズな動作と高速な応答性、映画品質の画質/音質を実現するとしている。
そのほかのおもな仕様は、OSがAndroid 10、前面カメラが約1,640万画素センサー、NFCとおサイフケータイ対応、顔/指紋認証対応、バッテリ容量が3,730mAh。IPX5/IPX8の防水、IP6Xの防塵性能を備える。
本体サイズは約75×162×8.9mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約189g。
5Gモバイルルーターも投入
同社では、5Gに対応したモバイルルーターの商品化も発表。商用5Gサービス開始に合わせ、今春以降の投入を予定する。
モバイルルーターでは、AQUOS R5Gが対応する6GHz未満の周波数帯「Sub6」に加えて、28GHz帯など高周波数帯の「ミリ波」の両方に対応。指向性の高いミリ波受信感度を高めるため、方向の異なる3つのアンテナを備え、受信最大約4Gbps、送信時最大約0.8Gbpsの高速データ通信対応を謳う。
クライアントとの接続はWi-Fi 6と有線LAN、USB 3.0 Type-Cの3つで、Wi-Fi 6対応により最大16台までの同時接続に対応。Wi-Fiと有線LANおよびUSB 3.0はすべて同時に利用できる。
また有線LANポートは2.5Gigabit Ethernetに対応しており、イベント会場や仮設事務所など、固定回線の敷設が困難な場所や一時的に高速回線が求められるシーンに最適とする。
LTE通信時は下り最大約1.6Gbps、上り最大約75Mbps。本体前面に約2.4型320×240ドットTFT液晶ディスプレイを備える。
本体サイズは約157×84×16.1mm(同)、重量は約280g。バッテリ容量は約4,000mAh。
発表会に登壇した通信事業本部本部長の中野吉朗氏は、シャープは5G標準必須特許の数は国内企業首位であるとアピールし、5Gリーディングカンパニーとして、8K+5Gを訴求していくと説明。
これまで8Kコンテンツはプロの世界の領域だったが、5GやDynabookの8K編集PCなどを組み合わせ、エコシステムを構築し消費者に身近なものにしていきたいとした。
また、今回のAQUOS R5Gを皮切りに、2021年度中にAQUOSブランドのスマートフォンすべてを5G対応モデルへ刷新する意向を示した。価格についても、切り替える以上、消費者に受け入れられる価格に留めたいと述べた。
通信事業本部パーソナル通信事業部事業部長の小林繁氏は、5G時代には通信容量などの懸念で動画再生をしていなかったり、回線の安定性からゲームは自宅で遊ぶなどの無意識の制約から消費者が開放され、よりコンテンツがスマートフォンでの消費を前提に作られ、真のスマートフォンのファーストスクリーン化が進むと説明。
AQUOS R5Gでは環境に適応するインテリジェントな画質を実現し、スマートフォンの画面に求められる要素を満たした製品になっているとアピールした。