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世界最速の顔認証アンロックを実現する「Motion Sense」が国内版Pixel 4でも利用可能に
2020年2月4日 16:18
Googleは、Google製スマートフォン「Pixel 4」に、本体に触れずジェスチャ操作が可能になる「Motion Sense」機能の国内提供を開始した。
最新アップデートを適用している端末へ順次提供され、システム設定から機能を有効にすることで利用可能となる。Motion Senseは、Pixel 4ならではの特徴としてアピールされてきたが、これまで日本では電波法などの関係から無効化されていた。
これまでのスマートフォンでは、音声またはタッチが基本的な操作方法として用意されてきたが、Motion Senseでは60cm以内の人の存在の検知(プレゼンス)、手を伸ばして端末を持ち上げようとしているかの検知(リーチ)、空中で手を振っている動作の検知(ジェスチャー)という3つの検知能力が提供される。
これにより、手を振るだけでアラームを停止したり、着信を取るために手を伸ばすだけで着信音を下げる、人が近い距離にいる間は常に時計画面などを表示しておく(Always-on)、画面内のキャラクターを撫でたり手を振ったりするなどの機能を利用できる。
都内で行なわれた説明会にて、PixelおよびMotion SenseプロダクトマネージャーのBrandon Barbello氏は、Motion SenseはPixelでもっともエキサイティングな機能の1つであると述べ、手を伸ばして端末を持ち上げようとする段階でアンロック動作を検知することで、カメラと画面を起動させ持ち上げた時点で顔認証が可能となり、世界最速の顔認証によるロック解除を実現しているとアピールした。
なお顔認証やMosion Sense機能のセンサーデータは端末上で処理が完結するよう設計され、Googleサービスと共有されることはないという。
Motion Senseでは、Pixel 4に搭載されているレーダーセンサーが活用されており、Google内のAdvanced Technology and Projects (ATAP)チームが「Soli」プロジェクトとして、周辺のコンテクストや非言語的コミュニケーションを理解することで、テクノロジーを人間に近づけることを目標に5年前から開発に取り組んでいた成果となる。
レーダーセンサーは電波を放射し、跳ね返ってきた電波から物体を検知する仕組みで、あらゆる動きを検知し3次元的な追跡可能で、小さな動きや屋内の人間を認識でき、温度や照度の変化にも影響を受けにくいなど、利点の多いセンサーであることから採用に至ったという。
スマートフォンへの搭載にあたって、パートナーとの協力で大幅な小型化に取り組んだほか、データ処理においても複雑な信号の処理や機械学習などを用いて、ジェスチャーの共通点を見出し精密な判別を可能とした。
同氏は、Soliの研究ではスマートフォン以外にスマートウォッチでの実験なども行なっていることを紹介し、プラットフォームとして新たな体験を提供、発表していくと語った。
Googleアシスタントも高速化
またMosion Senseのほかに、アップデートされた新GoogleアシスタントもPixel 4向けに提供を開始。
新Googleアシスタントは、Andoid OSおよびアプリとより密接に統合され、アプリやWebサイトの起動、端末の設定操作などがより高速化。アラーム設定やYouTube、カレンダーなどのアプリ起動、音量設定やWi-Fiオン/オフなどの設定操作を音声でより高速に実行できる。
具体的には、これまでクラウド上で行なわれていた音声認識処理の一部をスマートフォン上で行なうことで、オンデバイスとクラウドハイブリッドで処理するかたちを採用。これによりネットワーク遅延がなくなり処理が高速化されているという。
ソフトウェアエンジニアの池田大介氏によれば、この新アシスタントは英語に続いて日本語が2番目の対応言語となっており、新機能を順次追加予定であるとのことだ。