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東大先端科学技術研、超電導量子ビットを使った新しい量子ビットセンサーを開発

~ダークマター有力候補の未発見素粒子の検出への活用にも期待

 東京大学先端化学技術研究センターのダニー ラチャンス クイリオン・中村 泰信両氏らの研究チームは23日、超伝導量子ビットを用いた新しい量子センサーを開発したと発表した。

 このセンサーは量子もつれ現象を動作原理に利用することで、マグノンと呼ばれる強磁性結晶内スピンの集団励起のエネルギー量子を単一試行測定で検出可能とした。同センターでは、高感度かつ量子としての光を単一レベルで検出可能な単一光子検出器の機能に比肩するものとしている。

 開発された量子センサーでは、マグノンがミリメートルサイズの強磁性結晶試料内にたった1個励起している状態を約70%という高い効率で単一試行測定により検出でき、磁性物理実験を量子の世界で実施する上で重要な役割を担うことが期待される。

 研究チームでは、単一マグノンのレベルで磁性体中の集団スピンを観測・制御する量子的な実験的研究が加速するとともに、未踏の非古典的なマグノン状態を生成する道を切り開く礎となることが期待されるほか、マグノンスピントロニクスにおける新技術としてマグノンから電気信号への変換を極限まで引き上げられる可能性、応用面においては開発した量子センサーの高感度を活かし、宇宙におけるダークマター有力候補の未発見素粒子であるアクシオンの検出などに使われることも期待されるとしている。