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旭化成の吉野彰氏がリチウムイオン電池の商用化貢献でノーベル賞
2019年10月9日 20:08
旭化成の吉野彰氏が9日、リチウムイオン電池の商用化に貢献したという功績を認められ、ノーベル化学賞を受賞した。
リチウムイオン電池は現在、電子機器で普遍的に使われており、多数の電子デバイスに採用されているほか、電気自動車の実現、太陽光/風力などの再生可能エネルギーの貯蔵などに多大な貢献をしてきた。そのためリチウムイオンの開発や実用化に携わった3人に対し、2019年のノーベル化学賞が授与された。
1人目はスタンリー・ウィッティンガム氏で、アノードに金属リチウム、カソードにリチウムイオンを挿入できるスペースを持つ二硫化チタンを採用した二次電池を開発。2V強の電圧を実現したが、金属リチウムが化学反応して爆発するため、実用化には至らなかった。
2人目のジョン・グッドイナフ氏は、カソード側に金属硫化物の代わりに金属酸化物を採用することを提唱。酸化コバルトを使用することで4Vの電圧を実現し、強力なバッテリを実現する上でのブレイクスルーを実現した。
そして3人目の立役者は吉野氏で、今度はアノードに炭素材料である石油コークスを採用した。石油コークスは酸化コバルトと同様にリチウムイオンを挿入できるが、電極を破壊する化学反応がないため安全性を確保。また、軽量で耐摩耗性、そして数百回も繰り返し充電可能なリチウムイオン電池を実現した。こうして、リチウムイオン電池は1991年にはじめて市場に投入された。