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復活のMad Catz、新センサーへ刷新したゲーミングマウスを国内投入
~アケコン市場にも再参入の意欲
2019年6月28日 11:00
香港Mad Catz Globalは、「R.A.T. 4+」、「R.A.T. 6+」、「R.A.T. 8+」のゲーミングマウス3製品を、6月下旬より国内発売する。価格はオープンプライスで、税別店頭予想価格はそれぞれ7,980円、9,980円、12,800円前後の見込み。
Mad Catzは米国創業のゲーミングデバイス企業で、トップブランドとして市場で大きな存在とだったが、2017年に破産し一旦市場から去っていた。その後、2018年に香港で「Mad Catz Global」として復活したという経緯を持つ。
再始動後には国内での製品流通がなかったが、廣瀬無線電機株式会社が国内代理店となり、今回の新マウス3製品が投入される運びとなった。新製品では、2017年以前のR.A.T. 4/6/8のデザインを踏襲しつつ、光学センサーやボタンなどを見直した新製品として投入される。
R.A.T. 4+はPixArt PMW3330センサーを搭載したマウスで、パームレストの調整が可能となっている。
最大読み取り解像度は7,200dpiで、最大150IPSのトラッキング、30Gの最大加速度に対応。プログラム可能ボタン数は9個で、オムロン製左右ボタンの最大耐久回数は2,000万回。
本体サイズは109.5×87.4×37.8mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は90g。
R.A.T. 6+はPixArt PMW3360センサーを搭載したマウスで、パームレスと重量の調整が可能。高精度エイムボタンを搭載する。
最大読み取り解像度は12,000dpiで、最大200IPSのトラッキング、50Gの最大加速度に対応。プログラム可能ボタン数は11個で、オムロン製左右ボタンの最大耐久回数は5,000万回。
本体サイズは114.6×87.4×38.1mm(同)で、重量は120g。
R.A.T. 8+はPixArt PMW3389センサーを搭載したマウスで、パームレスと重量の調整のほか、パーツ交換による形状変更が可能。高精度エイムボタンも搭載する。
最大読み取り解像度は16,000dpiで、最大400IPSのトラッキングに対応。最大加速度やプログラム可能ボタン数、左右ボタンの最大耐久回数、本体サイズはR.A.T. 6+と共通。
重量は145g。
廣瀬無線電機では、今回の日本市場再参入を記念して、7月31日までの期間限定で、R.A.T. 4+を税込7,740円、R.A.T. 6+を同9,690円、R.A.T. 8+を同12,430円にて販売するキャンペーンを開催。
キャンペーンはヨドバシカメラ全店舗およびヨドバシ・ドット・コムでの購入が対象となる。
都内で行なわれた発表会には、香港Mad Catz GlobalジェネラルマネージャーのBill Lo氏が登壇し、開発中の新製品などについて説明を行なった。
Lo氏は、業界を牽引する新たな技術に挑戦していく想いを込め、「Dare to Lead」をスローガンに、再起動していくとアピール。これまでに投入してきたマウスやキーボード、ヘッドセットなどのゲーミングデバイスを、次のレベルへ引き上げていくことを目指して活動していくと語った。
同社では、ユーザーおよび市場からのフィードバックを重視しており、2017年の倒産という過去の失敗から学び、ゲーミングデバイス市場のリーダーであった過去の栄光にすがることなく、以前以上に社を挙げて努力を重ねているとした。
Lo氏を含むMad Catz Globalのスタッフに話を聞いたところ、法人として登記されているのは香港であり、資本的な意味では香港に本社があるものの、台湾および英国の開発部門、中国の製造拠点など、実スタッフのほとんどは前Mad Catzのメンバーから変わっていないという。
新生Mad Catzでは、未来への投資としてテクノロジーへの投資を積極的に行なっており、レーザー式の接点フリーなマウススイッチ「Thorスイッチ」や、キーボード用のホール効果スイッチ、高耐久な「Harrow」スイッチ、高品質な低音拡張を実現する「Rockドライバー」、低遅延なBluetooth音声伝送を実現する「AptX Low Latancy」、ゲーマー向けのユニークな機能実装に向けた「Google AI」活用などを行なっているという。
製造についても、DFMEA(デザイン故障モード影響分析)やFMEA(故障モード影響分析)といった製造管理システムのほか、量産出荷前の製品をゲーマーなどに使ってもらい、受けたフィードバックを量産品に反映し改善する「フォーカスグループ」といった手法を導入し、品質の向上を図っているとした。
現在開発中の製品としては、Thorスイッチや新ライティングデザインを採用し、軽量エルゴノミクス設計のマウス「R.A.T. Unlimited 2」や、USB有線/2.4GHz無線/Bluetoothの3接続に対応したマウス「R.A.T. Unlimited 7」、アクティブノイズキャンセリング対応のヘッドセット「F.R.E.Q. Unlimited 4」などを紹介した。
以前の同社で高い評価を得ていた、アーケードスティックコントローラについては、いつ発表されるかは未定ながら、製品投入に向けプロジェクトが進んでいることも明かされた。
同社は、過去の失敗はゲーマーに多くの忍耐をもたらしてしまったと顧み、再開にさいしては全ゲーマーに報いる素晴らしい製品の提供を準備してきたとアピールしており、ゲーマーのニーズに応えた驚くような製品がMad Catzから登場することに期待したい。