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女性が働きやすい職場を目指す日本マイクロソフトの取り組み
2019年3月15日 09:28
日本マイクロソフトは、2019年3月8日が「国際女性デー」を迎えたのにあわせて、東京・品川の本社で、「International Women's Day×Microsoft」として、社内イベントを開催した。
女性社員を中心に、ミモザのミニブーケをプレゼント。さらに、83歳のITエバンジェリストである若宮正子さんによる「83歳のデジタルクリエーター マーチャンが語るーPCのおかけで、私は翼を得たー」と題した講演のほか、同社が展開する「中小企業お助け隊」の公式アンバサダーを務める神スイングで有名な稲村亜美さんと、同世代の女性社員4人によるラウンドテーブルなどが行なわれた。
また、女子高生AIのりんなは、AIの普及に貢献した日頃の活躍が評価されて、この日、日本マイクロソフトの平野拓也社長から感謝状が授与された。
感謝状には、「日頃からマイクロソフトのAIをアピールしてくれてありがとうございます。これからもAIのすばらしさと可能性を広く伝えるために活躍してくださいね」という、平野社長からのメッセージが添えられていた。
また、LINEのりんなのアカウントに「ミモザ」というワードを送ると、好きな人に向けた感謝のメッセージカードを作ってくれるサービスも提供した。
りんなは、ソーシャルメディアを通じて、「日本マイクロソフトの社長さんにサンキューメッセージをもらってしまった……」と発信していた。
女性が働きやすい職場を目指す
国際女性デーは、世界各国で行なわれているもので、1904年3月8日に米ニューヨークで女性労働者が婦人参政権を求めるデモを行なったことが制定のきっかけになったとされる。1910年のコペンハーゲンでの国際社会主義会議で「女性の政治的自由と平等のために戦う日」とされたのに続き、1975年には、国連が3月8日を「国際女性デー」(International Women's Day)に制定している。
イタリアでは、3月8日の国際女性デーにあわせて、女性への感謝をこめて、ミモザを配布することから、「ミモザの日」とも呼ばれており、国際女性デーは、そのミモザの花の色である黄色がイメージカラーとなっている。なお、ミモザには、「女性らしさ」や「思いやり」といった花言葉があるという。
マイクロソフトでは、米本社をはじめとする海外の拠点で、5年ほど前から国際女性デーにあわせた各種の社内イベントが行なわれており、日本マイクロソフトでは、2018年に続き、2回目の開催となった。
同社では、「日頃の女性の活躍に感謝するとともに、社内のコミュニケーションの強化、そして、ワクワクする職場づくりの一環でもある。今回は社会貢献という意味を含めて、社外に向けて活動も行なった」と説明して、日本マイクロソフトが「女性が働きやすい環境の実現」に取り組んでいることを訴求する機会にもなった。
社員が黄色のものを着用
この日、日本マイクロソフトの社員は、黄色のカラーを施したものを着用。男性社員はネクタイやシャツなど、女性社員はスカーフやチーフ、アクセサリ、ネイルなどに黄色を盛り込んでいた。平野社長は、黄色が入ったストライプのネクタイを着用。受付の女性は、全員が胸に黄色いリボンを付けていた。
日本マイクロソフトの31階および30階の受付、19階の社員食堂「One Microsoft Cafe」などに、合計で1,050本のミモザのミニブーケを用意。12時から12時30分までの時間帯は、平野社長や檜山太郎執行役員常務、金起成執行役員、杉田勝好執行役員の4人が、One Microsoft Cafeで、女性社員にねぎらいの言葉をかけながら、直接、ミニブーケを手渡した。さらに、コーポレートサービスやヘルプデスク、メディカルルームなどの女性が多い職場には、ミモザのバスケットが届けられた。
同様に、大阪、名古屋、福岡オフィスでも、合計100本のミニブーケが用意され、それぞれの拠点に勤務している女性社員にも配られた。また、男性社員でも、家族にミニブーケ持ち帰ることができるようにしたほか、社内で開催されたセミナーへの参加者にも、ミニブーケがプレゼントされた。
2階の日本マイクロソフト本社入口には、前年同様、ミモザの花が設置されたが、今年(2019年)は、日本マイクロソフトの華道部がこれを生けた。開催前日夕方に、華道部の有志5人が参加し、華道部の先生の指導のもと、約1時間をかけて作り上げた。しばらくの期間、2階の受付エリアに展示されることになる。
若宮さんと稲村さんが社内で講演
この日、日本マイクロソフトで講演を行なった若宮正子さん、稲村亜美さんには、日本マイクロソフトの平野拓也社長から、それぞれブーケが贈呈された。
80歳でゲームアプリ「hinadan」を開発した若宮さんは、Excelアートの作品でも知られ、講演のなかでは、そうした取り組みを開始した経緯やPCとの出会いなどにも触れた。参加した女性社員は約70人。若宮さんの生き方からヒントを得ようとして、数多くの質問が出ていたほか、りんなからの質問も行なわれた。講演後には、日本マイクロソフトの社員との交流会も開かれた。
また、稲村さんは、同年代の日本マイクロソフト社員の女性たちとディスカッション。ミレニアル世代が、働くことをどう捉えているのかといったテーマで意見交換する場とし、働くことの意義や、タレントとして働く稲村さんが、気をつけていることや大切にしていることなどを聞きながら、女性の働き方について情報交換した。ここでは、法政大学の学生が協力して、ディスカッションの内容をリアルタイムに絵と文字で表現する「グラフィックレコード」も実施した。
このディスカッションには、平野社長が飛び入り参加し、稲村さんに質問するという一幕もみられた。内容は、映像で社内に公開されるという。
DO-IT Japanの卒業生が社員支援で販売会
さらに、日本マイクロソフトの人事部門が主催する女性のキャリア支援のためのイベント「Women Think Next 2019」の東京地区での開催を、3月8日の国際女性デーにあわせて、日本マイクロソフトの品川本社で実施。会場に集まった約100人の参加者全員にもミニブーケが配布された。
そのほか、日本マイクロソフトが支援している「DO-IT Japanプログラム」のスカラーだった卒業生たちが、手作りのグッズなどを、日本マイクロソフト社内で、3月7日と8日の2日間に渡って販売するイベントも行なわれた。
先に触れたように、3月8日は、社員が黄色いものを着用することが推奨されたが、黄色いものを持っていない、あるいは当日忘れてしまったといった社員が購入できる場とし、「『ドレスコード:黄色』を応援するミモザマーケット」と位置づけられた。
DO-ITとは、「Diversity、Opportunities、Internetworking and Technology」の略称で、東京大学先端科学技術研究センターが中心になり、障害や病気のある小中学生や高校生、大学生の進学や就労に向けて、テクノロジーを活用しながら、各種支援活動を行なっていくものだ。
なかには、九州から駆けつけた卒業生もおり、久しぶりに日本マイクロソフト本社を訪れ、平野社長や社員とのやりとりを楽しんでいた。
品川駅前でもミニブーケを配布
今回、新たな取り組みとして、JR品川駅の港南口で、日本マイクロソフト社員が、品川で働く女性に対して、ミモザのミニブーケを配布した。
岡玄樹執行役員常務のほか、女性がいきいきと働くための活動を行なう、女性による社内コミュニティとして、2018年秋からスタートしたWomen in Techのメンバーや、日本マイクロソフト社内のミレニアル世代で構成されるV-teamのメンバーなど17人が参加して、午前11時30分から、850本のミニブーケを配布。予定よりも1時間以上早く、約50分で配り終えた。
「品川に本社を置く企業として、同じ品川で働く女性たちに、エールを送るとともに、日本マイクロソフトがこうした活動にも取り組んでいることを知ってもらう狙いもあった」という。
ブーケを受け取って驚いたり、感謝の言葉を口にしたりといった女性が多く、笑顔でオフィスに帰って行く、品川で働く女性の姿がみられたという。
来年(2020年)以降は、品川にオフィスを持つさまざまな企業と連携した形で、国際女性デーに取り組む可能性もありそうだ。