ニュース
次期「Android Q」がベータ提供開始。Pixelで利用可
2019年3月14日 12:58
Googleは13日、次期Androidとなる「Android Q」のベータ版およびSDKプレビューを配布開始した。ベータ版はGoogleのデバイス「Pixel」シリーズで本日より体験できる。
Android Qではよりプライバシー保護に重視した設計となっているほか、使い勝手の向上や、グラフィックス性能と効率向上のためにVulkan APIをより活用するようになっている。詳細についてはGoogle開発者向けブログを参照されたいが、簡単に概要を紹介すると以下のとおりとなる。
プライバシーの保護機能を強化
Androidでは、すでにユーザーのプライバシーを保護するために、ファイルシステムの暗号化や、センシティブな情報に対するアプリのアクセスの許諾の個別設定など強化しているが、Android Qではさらに強化する。
・アプリ実行時にのみ位置情報へのアクセスを許諾し、バックグラウンド時は不可といった設定
・写真、動画、音声ファイルといった、個別ファイル種類へのアクセス許可を、一時的に許可する
・バックグラウンドアプリが予期せずにフォアグラウンドに来ることを防ぐ。着信やアラームなど、優先順位の高い通知を行なう場合のみフルスクリーン表示可能
・IMEIやシリアルナンバーといった個人を特定できる情報へのアクセスを制限。Wi-FiのMACアドレスも標準で自動でランダム変更される
使い勝手と接続性の向上
新たに折りたたみ画面への対応や共有のショートカットの追加、アプリ内で必要なハードウェア機能設定のオン/オフパネルなどを実装。
・onResumeとonPause、resizeableActivity関数の変更により、折りたたみ画面とマルチウィンドウの親和性を向上
・共有ショートカットをより高速で簡単に操作できるようにし、ShortcutInfo APIにより別のアプリへの直接ジャンプできるようにした
・アプリ内でネットワークやNFCといったハードウェアの機能へのアクセスを必要とするさいに、アプリ内でそれらを有効にできるSettings Panel APIを公開
・IoT用のピア・ツー・ピアWi-Fi接続のためのネットワーク接続APIや、過去の性能に基づいて自動的にWi-Fiに接続するネットワークサジェスチョンAPIの実装
・高性能/低レイテンシなWi-Fi接続を実現するパフォーマンスモードの実装
カメラ、メディア機能の強化およびグラフィックスの強化
カメラの深度センサーへの対応や、新しいオーディオ/ビデオコーデックへの対応、Vulkanに対する実装の改善などが行なわれている。
・デュアルカメラによって深度を取得し、背景をぼかす機能を備えたカメラが増えているが、JPEGとXMPメタデータの提供によりほかのアプリでも利用できるようにする
・オープンソースビデオコーデック「AV1」、および「Opus」を使ったオーディオエンコード、HDR10+のコンテンツのサポート
・ネイティブなMIDI APIに対応し、低レイテンシでMIDIメッセージのやり取りが行なえる
・Vulkan上で動くOpenGLドライバを開発し、ゲーム開発の一貫性を向上
・ANGLEを実験的にサポートし、OpenGL ESを使用する多くのゲームがVulkanの性能向上の恩恵を受けられるようになる
・64bitのAndroidデバイスでVulkanサポートを必須に。32bitでは推奨扱い
・ニューラルネットワークAPI 1.2をサポート
・アプリ内で頻繁に実行される部分をクラウドでプリコンパイルすることで性能向上をさせる。Android P以降のデバイスで利用可能とする