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SamsungとMotorolaが5G通信に対応したデバイスを参考展示

Samsungが参考展示した5G対応スマートフォンのプロトタイプ。5G UWBの表示がされており5Gで通信していることがわかる

 Qualcommは、アメリカ合衆国ハワイ州マウイ島において、同社のプライベートテックイベントとなる「Snapdragon Tech Summit」を12月4日~12月6日の3日間にわたり開催している。

 初日には基調講演が行なわれたほか、展示スペースで5Gに関するデモが行なわれた。このなかで、Samsung Electronics(以下Samsung)とMotorola Mobility(以下Motorola)はそれぞれ5G通信に対応したデバイスを展示した。

 Samsungが展示したのは、同社が技術開発用に開発したと説明しているスマートフォンで、5Gに対応した通信が可能になっている。Motorolaが展示したのは「mods」と呼ばれる同社のハイエンドスマートフォン「moto Z」ファミリーの裏側に装着可能なオプションで、こちらもやはり5G通信が可能になっている。

Samsungが5GNRに対応したスマートフォンのプロトタイプをデモ

Samsungが展示した5G対応スマートフォンのプロトタイプ

 Samsungが展示したスマートフォンは、周波数などは不明だが、5Gの標準規格である「5GNR」で通信を行なっていると見られる開発用の個体。これが実際の製品としてリリースされるのではなく、あくまで開発中のモノであって外観などは従来の製品などを流用したものだと説明があった。

会場の天井近くに設置されていたアンテナ
DeXに装着できており、厚さは一般的なSamsungのスマートフォンとあまり変わらないように見えた

 会場の天井近くにはミリ波用と見られるアンテナなどが用意されており、このスマートフォンはそれと通信ができており、実際画面には「5G UWB+」というUltra Wideband(超広帯域)で通信していることを示す表示が出ていた。ただし、現状では、アンテナとの間に障害物(たとえば人とか)が入ると通信できなくなるような状態で、何度もSamsungのエンジニアが修正をするという状況。Samsung自身も説明するように、かなり初期のサンプルだと見られる。

Motorolaはmoto Zのユーザー要注目の5G対応modsをデモ

Motorolaの5G対応mods

 Motorolaが展示したのは、すでに2019年投入することが発表されているModsの5Gモデム。Motorolaのmodsは同社のハイエンド・スマートフォン「moto Z」ファミリの裏側に装着可能なオプションで、すでにスピーカーやズームカメラ、バッテリなどが投入されており実際に販売されている。

 今回参考展示された5GモデムのModsは、従来の製品に5Gで通信する機能を付加するもので、既存のmoto Zファミリで5G通信ができるようになるとのことで、moto Zユーザー期待の製品だ。

こちらにも5G UWBの表示

 実際に公開されたそれを見ると、底部にはUSB Type-Cポートが用意されており、それを利用してmodsを充電する仕組みになっている。アンテナは上部に耳として飛び出すようになっており、そのアンテナが今回の展示会場に用意されていた5Gのアンテナと通信していた。

アンテナが飛び出している形状
Motorolaのmods
底面、両方にUSB Type-Cポートがある

 ただし、展示されていた3つのうち実際に通信できていたのは1つだけで、あとはモックアップだった。こちらもまだ初期段階のプロトタイプというイメージが正しく、実際に出荷されて通信するにはもう少し最適化などが必要になりそうだ。

Qualcommの歴代開発キット
左が一番最初の5G開発キット、ラックサイズ。ここからスマートフォンに入るまで小さくなっている