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IBM、「RHEL」のRed Hatを約3.8兆円で買収

 米IBMは28日(米国時間)、Linuxディストリビューション「Red Hat Enterprise Linux」の開発/販売などで知られる米Red Hatの買収を発表した。

 買収額は、Red Hatの発行済普通株式1株あたり190ドルとなり、総額は約340億ドル(約3.8兆円)。ソフトウェア企業の買収額としては、2016年のMicrosoftによるLinkedIn買収を上回り、過去最高額となった(Microsoft、LinkedInを2.7兆円で買収)。

 本買収について両社は、IBMとRed Hatの両取締役会は承認済みであり、Red Hatの株主による承認、規制当局の承認などを経て、2019年後半の買収完了を見込んでいる。

 米IBM 会長兼社長兼CEOのGinni Rometty氏は、「今回の買収は20年に渡る両社のパートナーシップの発展の結果である」とし、Red Hatの買収によってIBMは世界トップのハイブリッドクラウドプロバイダとなり、クラウドの価値を最大限に引き出す、オープンなクラウドソリューションを企業に提供するとしている。

 買収後も、Red Hatは現CEOのJim Whitehurst氏およびそのほかの現経営陣によって、IBMのハイブリッドクラウドチームと別部門として維持され、オープンソース開発の継承とコミットメント、現在の製品ポートフォリオと市場参入戦略、独自の開発文化の独立性と中立性が保持されるとしている。またRed Hat本社、施設、ブランドなども維持される予定。

左からRed Hat CEO James M. Whitehurst氏、米IBM 会長兼社長兼CEO Ginni Rometty氏