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Huawei、AIハンドオーバーで高速移動中でも切断されにくいスマホ「honor 8X」
~Kirin 710採用で2万円台ながら「荒野行動」はSnapdragon 845搭載機を凌駕
2018年9月6日 00:00
Huawei Technologiesは5日(中国時間)、中国・西安で発表会を開催し、ミドルレンジ向けのスマートフォン「honor 8X」を発表した。
中国での価格は、メモリ4GB+ストレージ64GB版が1,399人民元(約23,000円)、メモリ6GB+ストレージ64GB版が1,599人民元(約27,000円)、メモリ6GB+ストレージ128GB版が1,899人民元(約31,000円)。
Huawei傘下のHiSiliconが新開発したミドルレンジ向けSoC「Kirin 710」を搭載。従来このセグメントを担っていたKirin 659はCortex-A53が8コアであったが、Kirin 710ではbig側が上位のKirin 970と同じCortex-A73となった。また、GPUもMali-G51となった。
同社の測定によれば、CPUシングルコア性能は75%、マルチコア性能は68%、GPU性能は130%、GPUの電力効率が100%向上したという。さらに、独自のGPU Turbo技術を搭載し、ゲーム性能を大きく改善したという。
OSレベルでアプリへの最適化を施し、Snapdragon 845を搭載したXiaomiのフラグシップモデル「Mi 8」に拮抗できるレベルのアプリ起動速度を実現。ゲームへの最適化も施し、バトルロワイヤルゲーム「荒野行動」は、Mi 8を超えるフレームレート安定性を実現するという。
バッテリは3,750mAhとなっており、同社の測定によれば中国で有名なMOBAゲーム「王者栄耀」は8.33時間、荒野行動は9.09時間の連続プレイが可能としている。また、4Dバイブレータを内蔵し、荒野行動などにおいて銃を打ったさい、もしくは打たれたさいに振動を実現するという。
デザイン面では、honorとしてははじめて2パターンを組み合わせた背面カバーを採用。ディスプレイは上部がノッチつきだが、下部はダブルL字型アンテナ技術を採用することでフレームを狭め、91%の画面占有率となっている。
世界ではじめて通信にAI技術を適用し、シームレスな接続を実現
HuaweiはこれまでもAI技術を写真撮影や言語認識などに応用してきたが、honor 8Xでははじめて「通信」にもAIを適用したのが最大の特徴となっている。
1つ目は世界初のAIによるフィッシングサイト検出機能の搭載。機械学習によりフィッシングサイトのパターンや特徴を学習し、チップレベルでフィッシングサイトへのアクセスを防御するという。
2つ目はAIによる基地局間の高速ハンドオーバー技術。AIにより鉄道上の基地局の位置情報を把握しており、高速移動中に次の基地局へのハンドオーバーをシームレス行なう。同社によれば、北京から上海までの5時間、連続で通信をテストした結果、他社ではおよそ7~10回ほど切断されてしまうが、honor 8Xは1回も切断されなかったという。
3つ目は、エレベータに乗ったさいにWAN接続が切断されたとしても、エレベータから出れば3秒程度に接続を復帰させるというもの。発表会の説明では「エレベータに乗ったことを検出」とされていたが、おそらくジャイロや加速度センサーなどを駆使したものとなっている。これについてもスライドでMi 8との比較数値を挙げ、優位性を語った。
4つ目はAIによる声の補完で、JSCDおよびPLVAによる演算で欠落した声のデータを補完。平均オピニオン評点(Mean Opinion Score:MOS)が2.37のデータでも、補完により3.22まで引き上げられるという。
5つ目はAIによる通話時の環境音ノイズ低減となっており、発表会では風切り音が大きく低減できることがアピールされた。
6秒の長時間露光も手持ちで可能
最後に語られたのはAIによる写真機能で、AIによるシーン認識/写真最適化に加え、EIS(電子式手ぶれ補正)とOIS(光学式手ぶれ補正)に次ぐ、AIS(AIによる手ぶれ補正)が搭載されているという。このAISでは6秒間の手持ち長時間露光をサポートするとしており、一眼レフを超える使い勝手がアピールされた。
また、AIによる動体認識や美顔補正機能も搭載。前面カメラにもAI補正を適用し、背景と人物を切り分け、各々に最適な補正を行なうという。前面カメラは1,600万画素で、4つの画素を1つにして感度を高める機能や、逆光補正機能も搭載する。さらに、中国の観光スポットについたさいに、最適な撮影スポットをガイドする機能も備える。なお、背面カメラは2,000万画素+200万画素/F1.8となっている。
このほかの仕様だが、液晶は2,340×1,080ドット表示対応の6.5型、OSはAndroid 8.1をベースとしたEMUI 8.2を搭載。センサーは重力、環境光、ジャイロ、電子コンパス、近接、指紋。無線はIEEE 802.11ac、Bluetooth 4.2などを搭載する。
SIMカードはNano SIM×2で、SIMスロットとは別にmicroSDを装着可能。なお、対応バンド帯については書かれておらず、中国の3大キャリアである中国移動(China Mobile)、中国聯通(China Unicom)、中国電信(China Telecom)をサポートするとしている。
USBを備えるが、Type-CなのかMicro USBなのかは不明。3.5mmミニジャックは備える。本体サイズは76.6×160.4×7.8mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約175g。本体色はブルー、ブラック、レッド、ピンクの4色が用意される。