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ソニー、Microsoftらがゲーム向けにHDRガイドライン団体「HGiG」を発足
2018年8月20日 15:29
ゲーム業界におけるHDR技術の普及を促進するボランティア団体「HDR GAMING INTEREST GROUP(HGiG)」が15日、発足した。
広輝度差を実現するHDR(High Dynamic Range)コンテンツは浸透してきているが、その結果は最適のものとは言えず、ユーザーのゲーム体験に影響をおよぼす可能性もある。
HGiGではディスプレイやTVのフォーマットを通して、コンテンツ開発者はゲームプラットフォーム、ディスプレイメーカーのベストプラクティスを共有し、HDRによってゲーム没入感を高めるとしている。
ガイドラインのなかで、HDRをサポートするゲーム機およびプラットフォームとしては、「Xbox One S」、「Xbox One X」、「PlayStation 4」、「PlayStation 4 Pro」、「Windows 10」が挙げられている。
HDRをサポートする色域としては、「BT2100 PQ」が挙げられるが、ゲームのレンダリングでは、BT2100 PQの上限である10,000cd/平方mを超える明るさの画像を表現できる。ただ現時点では10,000cd/平方m超のディスプレイはないため、パネルが描画できる明るさの範囲内でトーンマッピングしなければならない。しかし、そのトーンマッピングの手法はディスプレイメーカーごとに異なるため、違うディスプレイで異なるユーザー体験をもたらすことになる。
たとえば、レーシングゲームで暗いトンネルを抜けた先の明るい風景をHDRでレンダリングする場合、あるユーザーのディスプレイではトンネルの先が見えるが、別ユーザーのディスプレイでは明るすぎて白飛びしてしまい見えなくなる、という問題が発生する。後者はゲームプレイにおいて著しく不利になるわけだ。
よって、HGiGは、1.(HDRディスプレイ間において)表現の差異があることを認識する、2.一貫性のある公平なゲームプレイ、3.後方互換性の維持、4.開発者およびコンシューマにとって使いやすくかつ実用的な技術、の4つを提唱し、HDRディスプレイ製造者、HDRゲームコンソール製造者、そしてHDRゲーム開発者それぞれにガイドラインを提示した。
ガイドラインを大まかに説明すると、まずはディスプレイの最小輝度(MinTML)、画面の一部で再現できる最大輝度(MaxTML)、画面全体で再現できる最大輝度(MaxFFTML)の違いで、ディスプレイを4種類にカテゴライズ化する。
そしてゲーム開発者には、どの段階の描画においてMiniTMLやMaxFFTMLを考慮すべきか提示し、ディスプレイ製造者にはそれぞれのパラメータをコンソールメーカーに通達するよう呼びかけ、ゲームコンソール製造者はディスプレイ製造者から受け取ったパラメータをデータベース化し、接続したディスプレイを認識すると最適なHDRを表示できるよう、輝度のトーンマッピングを施すものとなっている。
HGiGには8月20日現在、Activision、ASUS、カプコン、EIZO、Electronic Arts、Epic Games、HP、Philips、LG Electronics、Microsoft、パナソニック、Samsung、Sony、スクウェア・エニックス、東芝、Ubisoft、Unity、Viearious、VIZIO、WB Gamesが参画している。