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ゲーミングキーボードの違い、分かってる?
~知っておきたい八つのキーワード
2018年8月9日 06:00
ゲーミングPCにおいてキーボードは自分の手であり足である。精密操作や手数勝負のゲームでは高性能ゲーミングキーボードが必須。ゲーミングキーボードの“うたい文句”をどう読み解けばよいのか、重要なキーワードに絞って解説していこう。(TEXT:加藤勝明)
アクチュエーションポイントとは?
キー打鍵時に内部のスイッチがOFFからONへ切り換わるポイント、これを「アクチュエーションポイント」と呼ぶ。一般的なメカニカルキースイッチでは、2.2mm程度押し込んだところにアクチュエーションポイントがある。だが高速入力が命のゲーミングキーボードには、1.5mm程度に設定されたスイッチ、すなわち“スピード軸”を採用した製品もある。キーをなでるように打鍵すれば反応するので高速打鍵が可能だが、少々慣れが必要だ。
荷重って何?
キーボードの中に入っているスイッチ、いわゆるキースイッチは中にラバードームやスプリングなどを仕込んで押し込んでも戻るようになっている。この反発力の重い・軽いがキーの荷重と呼ばれるものだ。
荷重は軽いものでは30g(軽く触れれば沈む)、重いものは80g(意識的に押さないと沈まない)までさまざまだが、ゲーミングキーボードは荷重が重過ぎると指が疲れてしまうため、45g~50g程度のスイッチが使われることが多い。
配信者は音に注意!
メカニカルキーボードは打鍵音が大きめなのが欠点。ゲーム配信する場合は、静かなキーボードが欲しくなる。カチカチ鳴るクリッキータイプは論外だ。Razer Yellowのような静音キースイッチを搭載したキーボードを選ぶのも手だが、リニアやタクタイルタイプの場合、キーキャップの根本にOリングを仕込むことで、底打ち時の騒音を緩和できる。
このスペックって必要?
メカニカルキーボードのうたい文句としてよく見られるのが“アンチゴースト”と“Nキーロールオーバー”の二つ。前者は押してもいないキーが反応しないような回路設計を言うが、普通にメカニカルキーボードを設計すれば、実装されて当たり前だ。Nキーロールオーバーは“すべてのキーが同時押し認識可能”なことを示すが、今のPCゲームでそこまで必要なゲームは少ない。普及タイプの“6キーロールオーバー”、余裕が欲しければ“10キーロールオーバー”で十分だ。
代表的なキースイッチの違い
キースイッチはスイッチの構造の違う「メカニカル」と「メンブレン」が2大勢力。さらにメカニカルは打鍵時のフィーリングでさらに細かく分類される。メカニカルキースイッチの定番“Cherry MXシリーズ”で使われている軸の色で区別するのが定番だが、ロジクールの「Romer-G」などの新興キースイッチの登場により“リニア”、“タクタイル”などの分類法も使われはじめた。
メンブレンは静かでソフトな感触がメリットだが、打鍵感のキレや動作の確実性という点ではメカニカルに劣る。メカニカルはフィーリングがよく選択肢も広いのが強みだが、長期使用時は摩耗する欠点がある。音が静かで耐久性の高い静電容量無接点式が最強と言えるが、製品が高価かつ製品バリエーションが少ないという泣きどころがある。
また、最近は動き検出に光を使う“光学スイッチ”を採用するメーカーも出てきた。耐久性も高く入力遅延も短いということで今後採用例が増えそうだ。
テンキーレスは有利か?
PCゲームではWASD周辺のキーを使うことが多い半面、テンキーを使うゲームは少ない。テンキーは帳簿入力には便利だが、ゲームには無用。テンキーがない分マウスを左手に近い場所に置けるので、マウス捌きもラクになる。
マクロキーは有効?
マクロキーは手動入力では成功率の悪い操作を確実にやりたい場合は有用だが、マクロ利用が規約で禁止のゲームもあるので注意。また、マクロを実現するための常駐ツールがアンチチートツールに引っかかる危険性もある。
本記事は、DOS/V POWER REPORT9月号「特集・買うか、作るか、ゲーミングPC」からの抜粋です。この特集では、完成品、自作を問わず、ゲーミングPCを幅広く取り上げます。メーカー製のデスクトップPC、ノートPC、自作PC、ゲーム向けのPCパーツ選び、ゲーミングマウス&キーボード、ディスプレイなど、PC業界の先端をゆくエッジの効いたゲーミング関連製品を多数紹介しています。