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Microsoft、Slack対抗のMicrosoft Teams無償版を発表、即時提供開始

~チーム全体で10GBのストレージ、Office Online、40言語に対応

Microsoft Teams無償版の特徴

 米Microsoftは7月15日~7月19日(現地時間)の4日間に渡り、米国ラスベガスにおいて同社のパートナー向けのイベント「Microsoft Inspire」を開催する。それに先だって報道関係者向けに行なった説明会において、同社のチームコミュニケーションツール「Microsoft Teams」の無償版の提供を開始したことを明らかにした。

 現在コミュニケーションツールは、Slack Technologiesが提供するSlackが大きなシェアを持っており、Microsoft Teamsはその対抗版として位置づけられているが、これまで法人向けOffice 365やMicrosoft 365の一部として提供されてきたこともあり、ユーザー数ではSlackに追いついていなかった。しかし、今回無償版が公開されたことでこの状況に大きな変化が出てきそうだ。

10GBのストレージ、Office Online、40言語に対応

 Microsoft Teamsは、いわゆるチームコミュニケーションツールと呼ばれる、データなどの共有やチャットなどをより簡単、効率的にに行なうためのツール。Teamsにはチーム内でのチャット、オンライン会議、音声通話などの機能が用意されており、企業内の事業部や、プロジェクト単位のチームが使い、生産性を上げるために活用されている。

 競合となるSlackへの対抗として、MicrosoftはTeamsの無償版を提供することを決定し、即時公開を開始した。無償版のMicrosoft Teamsはサイトから申し込むことが可能。

無償版Teamsは中小企業などをターゲットにしている。Microsoftのクラウドを利用して提供され、チャット、ミーティング、ファイル、Appsなどが利用可能に
無償版Microsoft TeamsはMicrosoftのサイトから申し込める

 無償版Teamsには、チーム全体で10GBのストレージ、1ユーザーあたり2GBの追加オンラインストレージが付属してくる。さらにOffice Onlineを利用可能で、Word/Excel/PowerPoint/OneNoteのWeb版と組み合わせて利用することが可能だ。このほかにも、40言語が利用可能になっている。Microsoftはこれらの特徴は、競合と比較して、Microsoft Teamsのメリットであると強調している。

Microsoft Teams無償版と競合の比較。5言語だけで提供というあたりから競合はSlackのことだと考えられる

 これまで法人版Office 365の契約が必要という足かせがなくなったことで、Microsoft TeamsもSlackと同じような使い方ができる環境が整ったと言え、Slackとのユーザー獲得競争が今後は激しくなっていきそうだ。

Microsoft 365の機能拡張やWhiteboard Appの正式版提供開始

 また、Microsoftはこの他に同社のサブスクリプションサービス「Microsoft 365」の機能拡張や新しいWhiteboardアプリの提供開始を明らかにした。

Microsoft 365の機能拡張

 Microsoft 365に追加されるのは「ライブイベント」機能で、クラウドベースのAIのサポートにより、スピーカータイムライン機能、動画のスピーチをテキストに変換する機能やそれを利用した検索機能、動画にキャプションをつけていく機能などが用意される。また、働き方を分析する「MyAnalytics」の機能にAIによる分析ツールが追加され、どうすればユーザーがもっと良く働くことができるかなどを示唆する機能が追加される。

Whiteboardの正式版の提供を開始

 このほか、新しいWindows 10 Appsとして提供されるWhiteboard Appでは手書きの情報を複数のユーザーでシェアしたりすることが可能になる。すでに昨年の12月にプレビューがリリースされ、20万以上のユーザーによりテストされてきたが、今回正式にWindows 10版のリリースが発表された。今後iOS版の正式版も提供される予定になっている。なお、Whiteboard Appを利用するには法人向けOfficeの契約が必要になる。