ソニー、世界最小6.3μmの画素ピッチを実現した0.5型UXGA有機ELディスプレイ

ECX339A

　ソニー株式会社は、0.5型UXGA(1,600×1,200ドット)解像度で、世界最小6.3μmの画素ピッチを実現した有機ELディスプレイ「ECX339A」の商品化を発表した。VR/ARなどへのディスプレイとして応用が可能。

　従来モデルのECX337A(0.5型QVGA/1,280×960ドット）よりも約1.6倍の高解像度化を達成。これまでの2分の1の電圧で動作する新規設計の駆動回路を採用し、高解像度ながら従来品同等の低消費電力を可能にした。

画素ピッチの縮小に伴う視野角特性確保の施策イメージ(左ECX339A、右ECX337A)

　一般的に、トランジスタを小型化すると、特性のばらつきや耐圧の低下が起こるが、独自の補正回路と、個々のトランジスタのレイアウトやプロセスを最適化することで、問題を低減させた。さらに、カラーフィルターをシリコン基板上に直接形成し、発光層との距離を縮めるとともに、カラーフィルターの色配置を工夫することで視野角特性を確保。高解像度化を実現している。

　また、独自の「垂直方向2ライン同信号の同時書き込み(デュアルラインプログレッシブ)駆動」を組み合わせることで、これまでの2倍となる240fpsまでのフレームレートに対応。すばやく動く被写体をファインダーで正確にとらえた撮影や、HMDに用いてARによる映像のズレの改善、VR酔いの軽減に役立つとする。

　おもな仕様は、画角が0.5型(対角12.6mm)、フレームレートはプログレッシブ時120fps/デュアルラインプログレッシブ時240fps、消費電力(200cd/平方m)は310mW@60fps(プログレッシブ)/120fps(デュアルラインプログレッシブ)、ビデオインターフェイスはLVDS/Sub-LVDS、最大輝度1,000cd/平方m、コントラスト比10万:1、sRGB比110%。

　量産時期は2018年11月を予定しており、サンプル価格は税別50,000円。