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日立、気象庁の新スーパーコンピュータシステムを構築

~天気予報の精度向上や5日先までの台風の強度予測が可能に

カバレッジマップをデザインした主系スーパーコンピュータ

 株式会社日立製作所は、気象庁の新しいスーパーコンピュータシステムを構築し、6月5日から稼働開始することを発表した。

 新システムの中核を担うスーパーコンピュータは、米Crayの「XC50モデル」。XC50は、XeonスケーラブルプロセッサやARMアーキテクチャのCavium ThunderX2などのCPU、Xeon Phi、Tesla K40/P100といったアクセラレータなど複数の構成があり、今回日立が選定した仕様は不明だが、気象庁に導入されるシステムの総理論演算性能は、従来システム比の約21倍となる約18PFLOPSを有するとしている。

 システムはスーパーコンピュータのほか、10.6PBの高速ストレージ、大容量の長期保存用ストレージ、衛星機器などからなり、衛星観測データをはじめ、世界中から収集される気圧や気温、風などの観測データをもとに、数値計算で大気の状態を予測する「数値予報」に活用される。

 天気予報や季節予報の精度向上、中心気圧や最大風速といった台風の強度予報の予報期間が、現在の3日先から5日先まで延長が予定されるなど、防災気象情報の高度化が見込まれているという。

 日立では、気象観測の技術発展にともない飛躍的に増加している観測データを、気象庁が開発した「数値予報モデル」で高速かつ最適に計算できるシステム環境を提供するとしている。

気象衛星ひまわり8号が撮影した地球画像をデザインした副系スーパーコンピュータ
新システムの概要