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GTX 1080 Ti搭載PCが100台並ぶeスポーツ施設「LFS 池袋 esports Arena」

LFS 池袋 esports Arena

 株式会社サードウェーブは、PCゲーム施設「LFS 池袋 esports Arena(ルフス いけぶくろ イースポーツ アリーナ)」を、4月15日の14時よりオープンする。

 住所は東京都豊島区東池袋1-43-6 D-BOXビル 地下1階で、敷地面積は127.35坪(約420平方m)。最大収容人数は100人。開業時の営業時間は14時~22時だが、将来的に24時間営業を予定する。定休日は不定休。

 利用料金は税込で3時間パック1,000円、7時間2,000円。以後、1時間追加ごとに350円となっている。飲食物の持ち込みは不可で、施設内の自動販売機を利用するか、イベント開催時には主催者側でケータリングサービスが用意可能としている。

 施設の運営は、サードウェーブグループの株式会社E5 esports Worksが行なう。

営業時間と利用料金
店舗外観。これから看板などが設置される予定とのこと
入口
受付
最大100台のゲーミングPCが並ぶ

 全席に6コア12スレッドのCore i7-8700と、GeForce GTX 1080 Tiを搭載した「GALLERIA GAMEMASTER」を設置(ドスパラ、完全刷新のゲーミングPC「GALLERIA GAMEMASTER」2018年モデル参照)を設置。

 加えて、DXRACER製のゲーミングチェアと、240Hz駆動のBenQ製ゲーミング液晶ディスプレイ、ロジクール製ゲーミングヘッドセット、ドスパラオリジナルのゲーミングキーボード/マウスが用意されている。

 持ち込んだ周辺機器の接続は自由とのことで、使い慣れたマウスやキーボードでプレイすることもできる。

PCはGALLERIA GAMEMASTERの最上位モデル
GeForce GTX 1080 Tiを搭載
座席はDXRACER製のゲーミングチェア
液晶ディスプレイはBenQ製
ヘッドセットはロジクール製
キーボードとマウスはドスパラオリジナルのゲーミング仕様

 施設の利用にはドスパラ会員「Dospara Club Members」に登録が必要で、同IDに対して時間単位の利用権を付与するかたち。着席後はIDとパスワードを入力すればゲームを楽しめる。

 SteamやBlizzard Battle.net、Epic Games Launcherなどランチャー経由で遊べるタイトルについては、個人のアカウントでログイン後、ゲームをダウンロードすることで遊べる。ただし、ユーザー個人が所有していないゲームを遊べる施設というわけではないので注意が必要だ。

 なお、インターネットカフェのように、PC再起動後はPCがまるごと初期化されるため、万が一ログアウトを忘れて退店してしまっても大丈夫とのことだ。

ロック時
ログイン後
カウントダウンタイマーが表示される
液晶ディスプレイは240Hz駆動のフルHD(1,920×1,080ドット)

 一般利用者が遊べるPC設置エリアだけでなく、オフライン大会などのイベント開催に使えるステージエリアも用意。

 ステージ左右に設置されたボックス型選手席は、防音仕様になっているため、実況解説の音声をシャットアウトして有利不利を生まないよう配慮されている。こちらはイベント時のみ使用可能となっており、実況解説やテクニカルルームとしても利用できる。

 別に配信ルームも用意されており、ミキサーなどの機材を完備。TwitchやYouTubeなどでのオンライン配信も可能となっている。

 なお、施設スタッフによる配信対応も可能とのことで、大会を主催した経験がなくとも開催することができるという。イベントでなくとも、一般席で個人がゲームプレイのストリーミング配信を行なうこともOKとのことだった。

PC設置エリア
ステージエリア
大会の開催も可能な設備
ボックス型選手席からの眺め
配信ルーム

 プレス向け発表会には、株式会社サードウェーブ 常務取締役 榎本一郎氏、施設運営を行なう株式会社E5 esportsWorksの代表取締役 長縄実氏らが登壇。

株式会社サードウェーブ 常務取締役 榎本一郎氏
司会進行を行なったOooDa氏
株式会社E5 esportsWorks 代表取締役 長縄実氏
株式会社RIZeST 代表取締役 古澤明仁氏

 榎本氏は、今世界のeスポーツ市場は拡大しており、日本でも新たな企業が続々参入していると述べ、同社は、そういった企業をライバルではなく、みんなで健全に業界を盛り上げていくための仲間だと認識していると語り、ユーザー中心に1つの市場を創り上げていきたいとした。

 今回、LFS池袋の開業にあたって株式会社E5 esports Worksを立ち上げ、同社が成長し、そのリターンをユーザーに還元していきたいと述べた。なお、E5の社名はEntertainment/Experience/Enjoy/Exciting/Evolutionから取ったものだという。

日本のeスポーツ業界トレンド
エコシステム
E5 esportsWorks設立

 E5 esportsWorks代表取締役に就任した長縄氏は、自身の来歴を紹介し、「WCG 2001 UNREAL TOURNAMENT」日本予選で第4位となった経験や、引退後に日本発となるスポンサー付きのLANパーティー「BIG LAN」を主催した経験を紹介。

 世界では、LANパーティーから発展してeスポーツが生まれ、LANパーティーを積極的に開いて遊んでいるカジュアルゲーマーから熱狂的ゲーマーの層が厚く、その上にeスポーツプレイヤー、トッププレイヤーが立つというピラミッド構造が確立されているという。

 いっぽうで、日本はeスポーツプレイヤーが少しずつ生まれ始めているが、それを支えるプレイヤー人口の母数が増えない限り、本当の「文化」には成長しないと語った。

 同氏は、その人口拡大には、野球でいうグラウンドや練習場に相当するものが必要であると述べ、LFSがその役割を果たしたいと述べた。

 LFS池袋の名称については、LFSは一緒に遊ぶ仲間を探すという“Looking For Squad”の略から取ったものと説明し、LFS池袋にプレイヤー達が集まって遊ぶことで、コミュニティが構築されることを期待しているとした。

WCG 2001 UNREAL TOURNAMENT 日本予選で第4位に
BIG LANを主催
LANパーティー
eスポーツの起源
プレイヤー人口の裾野拡大に必要なもの
LFSはLooking For Squadの略

 イベント運営会社である株式会社RIZeST 代表取締役の古澤明仁氏は、3月31日に実際に「PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS(PUBG)」の大会をLFS池袋で開催したさい、今まで受けてきた案件のなかでもかなり難しい内容だったが、スムーズに運営できたと語った。

 LFS池袋の魅力として、8路線が乗り入れる池袋にあるという「立地の良さ」を挙げ、若者が多く人も集まりやすいと述べた。

 また、大会の運営経験から、高スペックなPCを大量に稼働させるゲーム大会では、消費電力が大きく、イベント施設を借りても事前に電気工事が必要になる場合がほとんどだが、LFS池袋ではその心配がなく余裕をもった電源が確保されていること、インターネット回線もプロバイダが異なる複数回線が用意され、万が一のトラブルにも対応できる冗長性が確保されていることも大きな魅力と語った。

 そのほかの設備面では、コンセントなどが施設内に数多く設置されているため、どのようなイベント構成でも対応できる点を評価していた。

 同氏は、なかでも一番の魅力は「スタッフが生粋のゲーマーであること」だと述べ、ゲーマーコミュニティとのコネクションもあるため、チーム招聘などが円滑に進むと語った。

3月31日開催のPUBG大会の様子。大規模なトーナメント形式を採用していた

 ゲスト登壇したCYCLOPS athlete gaming 監督のnazomen氏は、防音ブースが設置された施設は国内で見たことがなかったと述べ、選手にとっては海外遠征ではじめて入れる遠い所という印象で、憧れのある場所だという。それが日本でも設置されることで、盛り上がりを実感したと述べた。

 ゲーム実況などを務めるSyoboSuke氏、プレス向け発表会の司会進行を務めたOooDa氏は、選手が防音設備のおかげでプレイに集中できるだけでなく、実況側からしても、プレイヤーに情報を与えないように気を使って実況を行なう必要がないため、実況そのものに集中できると語った。

 Rascal Jesterコーチのリールベルト氏は、ライバルチームとの練習試合をLFS池袋で行なうことで、同じ環境で練習でき、反省も相手チームを交えてその場で行なえる点を評価し、切磋琢磨することで世界と戦えるようになるとの期待を語った。

esportsメディア「GAMESTAR」の編集長 みずイロ氏
PUBG「DON CUP」実況などを務めるSyoboSuke氏
StarCraft元日本代表/CYCLOPS athlete gaming 監督 nazomen氏
LoL元プロ選手/Rascal Jester コーチ リールベルト氏