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地球から月までの距離は384,403.9km。中国が計測に成功

 中国科学院雲南天文台は23日(現地時間)、レーザーによる距離測定により、地表から月までの距離の計測に成功したと発表した。これは中国初の快挙であるとともに、アメリカ、フランス、イタリアに次いで計測に成功した4番目の事例となった。

 月までの距離の計測は、精密なレーザーパルスを地表の観測ポイントから発射し、アポロ15号によって月面に設置された再帰反射器(コーナーキューブ)に照射し、反射されたものを受光、レーザーが往復にかかった時間から距離を割り出す手法が用いられている。

 月と地球の距離測定は、レーザー技術、光および電気の観測技術、自律制御、空間軌道といったさまざまな科学分野技術を統合しており、現時点では地球と月の距離を精密に計測する最高の手段である。今回の観測は月や地球に関する天文学、月における物理学、月と地球の間の引力などを研究する科学者にとって重要なデータになる。

 今回の計測には1.2mの望遠鏡による計測システムが用いられ、中国時間の1月22日21:25から22:31に計測を行なった。レーザーの波長は532nm、パルスの長さは10ns、周波数は10Hz、モノパルスのパルスエネルギーは3.3Jだった。観測データによると、観測ポイントから再帰反射器の距離は385,823.433km~387,119.6km、平均距離は384,403.9km、精度は1mだった。

レーザーによる距離測定
アポロ15号によって設置された再帰反射器との距離データ