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光るだけじゃないんです! 常識が変わった新世代のマザーボード選び
2018年1月8日 06:00
ガチ投票による価格帯別お勧め製品も大公開!
DOS/V POWER REPORT2018年2月号(12月27日発売)では、「PCパーツ100選+600」と題して、 第8世代CoreプロセッサーとRyzenの登場で盛り上がりを見せるCPU市場を筆頭に、マザーボード、メモリ、ビデオカード、SSD、HDD、PCケース、電源、CPUクーラーなど、主要ジャンルのパーツを紹介しています。
124ページ(!)という超特大ボリュームの特集から、ここではCPUに合わせて変化するマザーボードの最新トレンド紹介と、本誌執筆陣および編集部による投票で決定したレコメンド製品の紹介の一部を抜粋して掲載します。特集の全貌はぜひ本誌を購入してお楽しみください。
マザボ選びの基礎知識(1) 最新マザーボードの機能を重要度で分類
マザーボードの多機能化はとどまるところを知らない。使い勝手のアップや最新デバイスへの対応など、歓迎すべき機能向上も多いのだが、機能が増え過ぎて、どれが重要でどれがそうでないのかが分かりにくくなっているのも確かだ。
そこでここでは、現在のマザーボードが備える代表的な機能をピックアップし、筆者およびパワレポ編集部によって「重要度」別にまとめてみた。ユーザーによってマザーボードに求める機能は違うが、平均的なユーザーを想定している。製品選びの際のチェックポイントとして参考にしてほしい。
重要度「高」
その他項目
- メモリスロット数
- USB 3.0ポートの数
- USB 3.0ピンヘッダの数
- DisplayPort、HDMIポートの有無
- ドライバ/ユーティリティ自動更新アプリ
- ハードウェアモニタ機能(冷却にこだわるなら、センサーは5カ所以上)
- 日本語マニュアル
重要度「中」
その他項目
- 無線LAN/Bluetooth
- 起動時の状態表示用LED
- フロントType-Cコネクタ用ポート
- 高音質サウンド機能
- サウンドエフェクトアプリ
- 高品質部品を使用した電源回路
- 外部クロックジェネレータ
- メモリ相性問題緩和機能
- 自動OC機能
- 強化構造拡張スロット
- SLI HBブリッジ
マザボ選びの基礎知識(2) CPU×チップセットでおおまかな性格が決まる
2017年は新しいCPUと新しいチップセットが数多く登場した。組み合わせによっては正常に動作しないこともあるため、CPUソケットとCPU、チップセット(マザーボード)の関係をきちんと把握しておこう。
Intel LGA2066 ~メニーコアのハイエンド
最大18コア/ 36スレッドのCore i9などをラインナップするハイエンドプラットフォーム。多数のコアと拡張カードを組み合わせたリッチなシステムを構築できる。対応チップセットとしてはX299が用意されている。
対応CPU
- Core i9
- Core i7
- Core i5
対応チップセット
- X299
LGA2066 CPUに対応する唯一のチップセット。PCI Express 3.0を24レーン持ち、Serial ATAを8基サポートする点が特徴
Intel LGA1151 ~多種多様な製品が揃うメインプラットフォーム
LGA1151はIntelのメインストリーム向けプラットフォーム。性能、消費電力、コストのバランスに優れたシステムを構築できる。対応CPUとしては、Coffee Lake(第8世代Coreシリーズ)とKaby Lake(第7世代)が販売されている。
気を付けなければならないのは、両者は同じLGA1151ソケットに対応するが互換性がないこと。それぞれの対応マザーボードはチップセットで見分けるしかない。現状、Coffee Lakeに対応するチップセットはZ370のみ。Kaby Lakeに対応するチップセットはZ270、H270、B250などがある。
対応CPU
- 第8世代Core i7
- 第8世代Core i5
- 第8世代Core i3
- 第6/7世代Core i7
- 第6/7世代Core i5
- 第6/7世代Core i3
- 第6/7世代Pentium
- 第6/7世代Celeron
対応チップセット
- Z370
現状、唯一のCoffee Lake対応チップセット。倍率変更OC、マルチGPUに対応する全部入り - Z270
Kaby Lake対応チップセットの最上位。倍率変更OC、マルチGPUに対応する - H270
Z270から倍率変更OC、PCI Expressレーンの分割機能を省いたミドルレンジモデル - B250
PCI Expressレーンのサポート数などを削減した低価格マザー向けモデル
AMD SocketTR4 ~メニーコアのハイエンド
16コア/ 32スレッドのRyzen Threadripper 1950XなどをラインナップするAMDのハイエンドプラットフォーム。性格はIntelのLGA2066に近いがコア/スレッドあたりの価格が安い。
対応CPU
- Ryzen Threadripper
対応チップセット
- X399
Ryzen Threadripperに対応する唯一のチップセット。SocketTR4では、高速ストレージインターフェースなど多くの機能がCPUでサポートされるため、チップセットが持つ機能は少ない。USB 3.1対応が唯一の見どころ
Socket AM4 ~AMDの主力プラットフォーム
Ryzen 7などを擁するAMDのメインストリーム向けプラットフォーム。対応チップセットとしては、X370、B350、A320が用意されている。気を付けたいのは、Socket AM4では多くの機能がCPUによってサポートされているため、使用するCPUによってマザーボードの機能が大きく変わること。たとえば旧世代のBristol RidgeコアのA12、A10を使用した場合は、Ryzenを使う場合に対して拡張スロットの対応レーン数が少なくなったり、M.2スロットの転送速度が遅くなったりする。
対応CPU
- Ryzen 7
- Ryzen 5
- Ryzen 3
- A12
- A10
対応CPU
- X370
Socket AM4対応チップセットの最上位。倍率変更OC、マルチGPUに対応する全部入り。USB 3.1を2基サポート。USB 3.0のサポート数も多い。 - B350
ミドルレンジPC向けチップセット。X370とは、マルチGPUをサポートしない、Serial ATA 3.0とUSB 3.0のサポート数が少ないなどの違いがある - A320
ローエンドP C向けチップセット。B350との違いは、倍率変更OCに対応しない、USB 3.1のサポート数が少ない点など
投票結果発表 現行モデルのオススメはこれだ!
ハイエンド部門(3万円以上)でとくに多くの票を集めたのは明確な特徴を持つモデル。たとえばゴールドレコメンドのASUSTeK ROG MAXIMUS Ⅹ APEXはオーバークロックに特化したモデル。シルバーレコメンドのGIGA-BYTE Z370 AORUS Gaming 7(rev. 1.0)はサウンド、LANなど、ゲーマーが望む機能を徹底的に強化したゲーミングモデルだ。耐久性にこだわったASUSTeKのTUF X299 MARK 1やX299唯一のmicroATXモデルであるMSIのX299M GAMING PRO CARBON ACも票を得ている。
ミドルレンジ部門(1万5,000円以上3万円未満)では、ゴールドレコメンドのASUSTeK ROG STRIX Z370-F GAMINGやシルバーレコメンドのMSI Z370 GAMING PRO CARBONのような汎用性の高い製品が票を獲得した。いずれもゲーミングの名を冠しているが、オーバークロックに対応し、USB 3.1やM.2などの機能が充実した、用途を選ばないモデルである。一方で、BIOSTAR TB250-BTC PROのようなほかにない特徴を持つモデルも票を獲得している。
ローエンド部門(1万5,000円未満)では、徹底した低コスト志向ではなく品質、機能ともに充実した製品が多く票を集めた。たとえば、ゴールドレコメンドのMSI B350 TOMAHAWKは、長時間のゲームプレイを考慮した安定性重視の仕様で、低価格モデルとしては強力な電源回路を搭載。ビデオカード用拡張スロットに金属補強がなされているなど、ハイエンドCPUと大型ビデオカードにも十分対応できる。Type-Cコネクタなど今後の使い勝手を左右しそうな機能をきちんと装備している点も高評価ポイントだ。今回票を獲得した製品の多くは、B350を搭載したSocket AM4マザーボードだ。今、コストパフォーマンスを重視するなら、RyzenとB350マザーボードの組み合わせが狙い目と言えるだろう。
スモールフォームファクター部門(Mini-ITX)では、後から拡張カードで機能を追加するのが難しいということもあり、高機能のモデルが高い評価を得た。ゴールドレコメンドのFatal1ty Z370 Gaming ITX/acは、Thunderobolt 3やHDMI 2.0などの先進機能をサポート。最大867Mbpsの高速無線LANもサポートする。シルバーレコメンドのX299E-ITX/acは現状唯一のLGA2066 CPU対応Mini-ITXモデル。独自の工夫により、Mini-ITXの常識を覆す拡張性を実現している。コンパクトケースなど空調の悪い劣悪な環境で使用されることが多いMini-ITXマザーだけに、GIGA-BYTE Z370N WIFIなど、M.2の冷却が考慮されたモデルも高い評価を得た。
選者はここを見た
加藤勝明 ~使って楽しいのが正義
最近心がすさんでいるせいか、質実剛健系よりも組んで&使って楽しいパーツに心が動かされる。今回はミドルより上の製品は使ったときのおもしろさ(ビジュアル含む)を重視。また機能が並でもコンセプトにおもしろさがあれば、そこを重視した。
鈴木雅暢 ~イメージが重要
マザーボードは作りたいPCのイメージに合わせて選ぶもの。たとえば、最速CPUで作る最高級マシンにふさわしい製品、最新トレンドで固めた先進マシンならこの製品といったように、それぞれ明確なイメージができる特徴と仕様を持っているかを重視した。
滝 伸次 ~機能と価格のバランスを重視
今回の投票にあたっては、機能と価格のバランスを重視した。ハイエンドでは高い金額に見合う独自性の高い特徴があるか、ミドルレンジでは最新トレンド機能を網羅しているか、ローエンドでは品質や使い勝手がきちんと考慮されているかを入念にチェックした。
編集部 ~利用シーンが思い浮かぶものを高く評価
PCを普通に使うだけならローエンド製品で事足りる。ハイエンドやミドルレンジクラスの製品は、価格に見合ったなんらかの価値を提供してくれるものでないと選ぶ意味がない。ぜひ使ってみたいと感じる機能を搭載したものを優先的に選んだ。
パワレポ2月号ではこのほか60以上の製品を紹介しています。