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Intel、業界初のHBM2搭載FPGA「Stratix 10 MX FPGA」

Stratix 10 MX FPGA

 米Intelは18日(米国時間)、業界初となるHBM2を搭載したFPGA「Stratix 10 MX FPGA」を発表した。

 Stratix 10シリーズは、Intelの14nm FinFETプロセスで製造されているFPGAで、Stratix 10 MX FPGAでは、FPGAとHBM2を統合することにより、最大メモリ帯域幅512GB/sを達成。通常のDDRメモリ(DDR-2400 DIMM)と比較して、最大10倍のメモリ帯域幅を実現したとする。

 HBM2は、シリコンビア(TSV)技術を使用してDRAM層を垂直に積層したもので、DRAM層は高密度マイクロバンプを使用してベース層上に配置され、FPGAと接続されている。

 Stratix 10 MX FPGAでは、FPGAファブリックとDRAM間の通信を高速化するため、Intelの「Embedded Multi-Die Interconnect Bridge (EMIB)」を使用することで、HBM2を高性能のモノリシックFPGAファブリックと効率的に統合し、電力効率良くメモリ帯域幅のボトルネックを解決したという。

 この帯域幅によって、Stratix 10 MX FPGAは、高性能コンピューティング(HPC)、データセンター、ネットワークファンクション仮想化(NFV)のための多機能アクセラレータとなり、大量のデータ移動とストリームデータパイプラインフレームワークのスピードアップのために、ハードウェアアクセラレータを必要とするブロードキャストアプリケーションにも最適としている。

 HPCでは、大量のデータ移動の前後にデータを圧縮/解凍する性能が重視される。Intelでは、本製品のHBM2の搭載により、スタンドアロンのFPGAと比較して、より大きなデータ移動を圧縮し、処理を加速することができるという。

 高性能データ分析(HPDA)環境では、Apache KafkaやApache Spark Streamingなどのストリーミングデータパイプラインフレームワークのため、リアルタイムのハードウェアアクセラレーションが要求されるが、Stratix 10 MX FPGAは、CPUに負担をかけることなく、リアルタイムでデータの読み書きとデータの暗号化/復号化を同時に行なえるとしている。