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サーバー向けArmプロセッサのもう1つの刺客、Cavium「ThunderX2」
~8チャネルメモリ/2ソケット対応
2017年11月14日 16:31
米Qualcommが8日(現地時間)に正式発表したサーバー向けハイエンドArmプロセッサ「Centriq 2400」が記憶に新しいところだが、11月12日より開かれている高性能コンピューティングに関する学会「SC17」で、Caviumの「ThunderX2」というハイエンドArm SoCが、Hewlett-Parckard Enterprise(HPE)、Cray、GIGABYTE、Ingrasysといった大手のサーバー向けシステムに採用されることが発表された。
じつは、今回がThunderX2のお披露目というわけではない。5月にHewlett Packeard Enterpriseがメモリドリブン型コンピュータの試作機で、このThunderX2が搭載されていることが明らかとなっていたのだ(記事HP、160TBのユニバーサルメモリを搭載した「メモリドリブン型コンピュータ」の試作機を公開参照)。このたび、実際に販売/出荷される製品に搭載されることとなった。
GIGABYTEとIngrasysは即日より受注を開始するほか、HPEやCrayは2018年第2四半期の出荷を決めている。HPEにとってArmプロセッサを搭載したサーバーは初となる。
ThunderX2は、ARMv8-Aアーキテクチャに準拠したカスタムコアを搭載したサーバー向けのSoC。コア数と動作クロックについては明らかにされていないが、Armの高性能コンピュータ(HPC)ユーザーグループのSimon Mcintosh-Smith氏(ブリストル大学)のSC17での解説によれば、ティア2のUK科学者向けHPCサービスGW4が提供した早期評価版は「GW4 Isambard」は32コア/2.5GHz、または28コア/2GHzで駆動しているという。
同氏の測定によると、シングルソケット環境で、18コアのBroadwellおよび22コアのSkylakeシステムに肉薄、もしくは凌駕する性能を示した。ThunderX2は、Cavium独自の第2世代コヒーレントプロセッサインターコネクト(CCPI)でデュアルソケット構成をサポートしているため、構成によってさらに高い性能を実現できるのは想像に難くない。
また、ThunderX2では最大級のI/Oバンド幅を実現する仕組みや、デュアルソケットで1TB超の容量をサポートできる72bitのDDR4メモリコントローラ、数百にものぼるセキュリティ/ストレージ/ネットワーク/仮想化のアクセラレータ、そしてPCI Express 3.0 x16およびSATA 6Gbpsコントローラなどが実装されているという。
これまで高性能サーバー市場はほぼx86が独占していたが、2018年以降はCentriq 2400およびThunderX2の登場により競争が激化しそうだ。