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富士通、液浸冷却システムのPCクラスタを日本自動車研究所に提供
2017年10月24日 12:51
富士通株式会社は、一般財団法人日本自動車研究所に、液浸冷却システムを採用したPCクラスタを提供したことを発表した。
システムは、計算サーバーとしてXeon E5-2643 v4(3.4GHz)を搭載する「PRIMERGY CX400 M1(シャーシ)」と「PRIMERGY CX2550 M2」16ノード(計32CPU、192コア)、管理サーバーとして「PRIMERGY RX2530 M2」を採用したPCクラスタ。冷却にはサーバー類を不活性液体内に直接浸して冷却する、液浸冷却システムを採用する。
非線形動的構造解析ソフトウェア「FUJITSU Technical Computing Solution LS-DYNA」などの計算機として用いられる予定で、これまで以上に現実に近い緻密な人体モデルの開発、大規模な衝突のシミュレーションを、より低消費電力で可能とするとしている。
液浸冷却システムでは、従来の空冷システムと比較して、サーバー内部の冷却ファンとサーバールームの空調設備が不要になるほか、冷水設備の水温を高めに設定可能にすることで、従来システムと比較して消費電力の約40%削減が見込まれるという。また、冷房設備だけでなく建物の断熱も必要なく、設備投資コスト削減に大きく寄与するとしている。
冷却ファンや空調設備が不要なことから、騒音が発生しないサーバールーム環境構築が可能で、不活性液体に直接浸すため、サーバーが周囲の環境に触れることがなく、通常のサーバを設置する際に考慮すべき湿度、塩気、塵埃といった空気汚染などの影響を気にする必要もないため、設置の自由度も高いとする。
富士通では、今後、液浸冷却システムをグローバルで提供していく見込み。