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【CEATEC 2017レポート】27型8K HDR/120Hz液晶や量子ドット技術などが参考展示

27型8K HDRディスプレイ

 一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)らは、10月3日から6日までの期間において、「CEATEC JAPAN 2017」を千葉県の幕張メッセにて開催している。

 2016年の開催より、家電見本市からCPS(Cyber Physical System)とIoTを新テーマとした展示会となったCEATECだが、本稿ではディスプレイ技術関連の展示を紹介したい。

シャープ

 シャープブースでは、27型で8K(7,680×4,320ドット)表示に対応したHDR液晶ディスプレイが展示。120Hz駆動にも対応している。

 IGZO液晶を採用し、iPhone 8と同等の326ppiという画素密度を達成。「人の目の識別限界を超えるほどのリアリティな映像を表現」できるとしている。

 HDR対応は、直下型バックライトを複数エリアに分割して駆動させるローカルディミングにより実現しており、展示機は200エリアに分割、最大輝度は1,000cd/平方mだという。今回の展示では最大輝度で動作させていなかったが、それでも画素数とダイナミックレンジの広さで没入感が得られた。

 現在は、医療分野や映像制作のマスターモニターといったプロフェッショナル向けに、2019年の製品化を予定しているという。

仕様
側面
ダイナミックレンジの広さもあり風景を直接撮影したかのように見える ※リンク先の画像はリサイズなし

 そのほか、70型マルチディスプレイを16枚つないだ8K表示や、狭額縁の70型4K液晶ディスプレイ、曲面ディスプレイのデモなどが行われていた。

狭額縁設計の70型マルチディスプレイ
マルチディスプレイ用(並べたフレーム幅が10mm未満)としては世界最大サイズ
年末発売予定の70型8K TV「LC-70X500」
ベゼル幅4mmという70型4K液晶
ベゼルがわかりやすいように白い紙を背景にしたところ
厚みも非常に薄い
曲面ディスプレイ

MediaTek

MiraVision Display HDR

 MediaTekは、IoTや自動車向け関連のほかに、モバイルデバイス向けの同社SoCに搭載しているディスプレイ制御技術についてブース展示を行なっていた。

 MiraVision Display HDRは、スマートフォンでHDRコンテンツを表示するさい、ダイナミックレンジをリマッピングして、最適なHDR表示を実現するというもの。

 同社技術を採用していないGalaxy S8と採用しているMeizu製スマートフォンの比較では、白飛びを抑えつつコントラストが出るようにダイナミックレンジを調整している様子が見て取れた。

HDR非対応のiPhone(左)との比較
HDR対応のGalaxy S8(右)との比較

 そのほか、表示に応じてバックライトの動作を制御して消費電力を削減する技術もデモされていた。

表示品質は変わっていない
消費電力は下がっている

量子ドット技術も参考展示

 日本電気硝子のブースでは、同社の出資するNSマテリアルズの開発する量子ドット蛍光体「QDOT」の参考出展が行なわれていた。

 量子ドット技術は、光を吸収して発光するナノ粒子をバックライトと組み合わせることで、ディスプレイの色再現性を高められるとして期待されているもの。

 Samsungなどが採用製品を投入しているが、説明員によれば、そちらと比較してより高い色再現性を実現できるという。DCI-P3のカバー率は100%で、Ultra BDなどで採用されているBT.2020も90%弱までカバーできているとのことだ。

QDOT
YAG蛍光体と量子ドット蛍光体の比較。写真では差がわかりにくいが、特に赤の発色に差があった
半導体サポート用ガラス
35μmの超薄板ガラス
ロールtoロールの有機EL照明開発に採用