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WD、東芝の訴訟は「報復的で前例のない行為」とコメント

~四日市工場への出資は継続を表明

 米Western Digital(以下WD)は28日(米国時間)、東芝がWDに対し東京地方裁判所へ提訴した件を受け、声明を発表した。

 同社は、今回の提訴についていかなる法的提出も受けておらず、請求についてはコメントできないとしつつ、紛争解決には合弁契約の下、同社が提出したICC国際仲裁裁判所との仲裁によって紛争解決を行なうべきであるとしている。なお、WDは声明で、すでに国際仲裁裁判所に提出されている仲裁請求に加え、SanDiskが7月14日に、カリフォルニア州上級裁判所に訴訟提起を行なう予定であることを明らかにした。

 WDは、「企業秘密の保護を含め、合弁会社のパートナーとしての契約と義務すべてを遵守することを約束する」と述べ、合弁会社の業務は継続中で、SanDiskは依然として合弁会社の出資の50%を占める資格を有しているとしている。

 「東芝の今回の訴訟は、従業員が共有データベース、場合によっては合弁会社の施設にアクセスすることを禁止するための、報復的かつ前例のない措置」であるとWDは述べており、東芝の株主だけでなく、東芝とWD両社の顧客にも悪影響を与えるとしている。

 WDは、東芝は以前に合意している「正当な同意権」を放棄するようWDに対して圧力をかけるため、年次総会の後、本件を含め東芝の株主を混乱させ続ける試みを続けているとの見方を示し、東芝のそういった行動は、従業員や顧客、株主などに与える影響を考えれば“驚くべき行為”であるとコメントしている。

 東芝は28日に、3D NAND生産拡大のため、四日市工場第6製造棟を建設しており、東芝メモリが2017年度中に約1,800億円の投資を行なうというリリース(PDF)を行なっており、SanDiskの投資参加有無については協議中であるとしていたが、WDはこれに対し出資を行なうとの意思を表明している。

 WDは、2D NANDから3D NANDへの継続的な転換のため、第6製造棟を含めて合弁会社に十分な投資を行なっていく予定であると述べ、「メモリ技術の開発と製造における中心地として、四日市および周辺地域に引き続き投資していくというコミットメントに変更はない」としている。なお、第6製造棟のコマーシャルボリュームの予想については、2018年半ばまで未定としている。