やじうまミニレビュー
防災に“握れる”ポタ電、コンセント付きでリン酸鉄が魅力のモバイルバッテリ
2026年10月13日 06:13
2026年は災害に対する備えの大切さを改めて感じさせる1年になっています。地震、浸水などで深刻なダメージを受けた地域もあれば、間接的に停電というかたちで影響を受けたところもあるでしょう。
そうした災害、停電への有効な対策の1つとして考えられるのが、大容量のポータブル電源を常備すること。しかし、10万円単位の出費になること、設置スペースが必要なこと、持ち運びに向いているとはいえないこと、などの前提条件や制約もあります。
緊急時には自宅から安全な場所へ避難することも考えられ、そういったケースではより小型で携帯しやすい方が便利です。また、できればポタ電並みにいろいろな電化製品も使えるのが理想。
まさにそんな用途で活躍してくれそうなモバイルバッテリ「BTL-RDC46」がサンワサプライから発売されたので、試してみました。直販サイトでの価格は3万2,880円(2026年10月時点)です。
コンセント1つにUSB 6ポート、懐中電灯にもなる
BTL-RDC46は、リン酸鉄リチウムイオン電池を採用したモバイルバッテリです。一般的に繰り返し充電時の耐久性(寿命)に優れ、通常のリチウムイオン電池などと比べて発火などの危険性が少ないのが特徴です。
メーカー自身がモバイルバッテリと呼んでいることもあり、片手で楽に持てるボディサイズと重量(実測943g)。パッと見は小型Bluetoothスピーカーのような風体ですが、500mLのペットボトルよりひとまわり大きいくらいで、大人ならちょうど手で握りやすい太さだと思われます。
ポイントとなるのは、そんなコンパクトサイズでありながらコンセント(AC出力)付きであること。最大100Wと出力こそ大きくありませんが、ACアダプタで充電しなければならないノートPCや、扇風機などの冷房器具、小型機器用バッテリの充電器あたりなら十分に実用的です。
USB給電(DC出力)は、本体充電用を兼ねるType-Cが1つ、出力専用のType-Cが1つ、Type-Aが4つという充実の計6ポート構成。Type-Cは最大65W、Type-Aは最大18Wで、USB出力合計最大は98Wとなっています。ノートPCやスマホ、周辺機器などの充電であれば、こちらも必要十分といえます。
また、電源ボタンを短く押せばDC出力が、長押しすればAC出力がオンになり、2回短く押すと側面にあるLEDライトが光ります。ライトは強・弱・点滅などの切り替えが可能です。
ポータブル電源もこうしたLEDライト機能を装備している製品が多くありますが、BTL-RDC46はそのサイズと形状から懐中電灯チックに、文字通り手軽に扱えるのがメリット。
すばやく狙った箇所を照らせるのでキャンプなどのアウトドアでも便利に使えるでしょうし、停電時の屋内移動や夜道を歩いて避難しなければならないときにも役立ってくれます。
デバイス充電や電化製品にどれくらい使える? 弱点は?
バッテリ容量は76.8Wh(3.2V/24,000mAh)で、計算上は内蔵バッテリ5,000mAh前後のスマホが3~4回、同50Wh前後のノートPCが1回、満充電にできるくらいです。
実際に筆者のノートPC(MacBook Air M2、52.6Wh)で試してみると、残量9%から1時間半ほどで100%まで充電でき、BTL-RDC46の残量インジケータは1個(残り6~25%)となりました(ちなみにMacBook Airのバッテリ容量は93%のため、今回の実質充電量は44Wh程度と考えられます)。
また、AC電源のサーキュレーターを中レベルの風量(消費電力20W前後)で使用したときの稼働時間は、およそ2時間40分でした。夏場の停電でエアコンが使えなくなったときでも、サーキュレーターや扇風機を動かせれば熱中症予防につながるはずです。
緊急時の1人用モバイルバッテリとして考えれば、性能は満足できるレベル。普段はデスク上に置くマルチ電源タップ的な用途で、スマホなどの小物の充電に使うのも良いでしょう。身近なところに置いておけば、いざというときに持ち出すのも簡単です。
一方で気になるところもあります。本体の充電中や他デバイスの給電中、負荷が大きくなると内部の冷却ファンの音が少し目立ちます。小型ノートPCのような甲高いものではなく、穏やかなファンノイズではありますが、静かな書斎でデスクワークしているときに近くで使っていると気になるかもしれません。
また、AC出力から電化製品を動かすと、その電化製品がノイズを発することがあります。これは出力波形が疑似正弦波であることが原因と思われます。
サーキュレーターを動かしたときも、モーターからやや耳障りなノイズが終始聞こえていました。接続する機器にもよりますが、AC出力利用時にノイズが出る可能性が高い点には注意しておくと良いでしょう。
値は張るが、緊急用の備えには有効
USBが6ポートと豊富にあり、そのうえでAC電源が必要な電化製品にも使えるなど、用途の広めなBTL-RDC46。片手で握れるサイズと、懐中電灯のように扱えるLEDライト機能を考えると、アウトドアや災害時の心強いアイテムになることは間違いありません。
ただ、本体やAC接続した電化製品からノイズが出る可能性があり、利用シーンによってはそれがわずらわしく感じるかもしれない、というのがネックではあります。コンセント付きとはいえ、USBポートのみの一般的なモバイルバッテリと比べて価格が割高にも感じられます。
緊急時を見据えた備えとして、BTL-RDC46は投資する価値があることは確か。購入するかどうかは、「コンセントが本当に必要か(100W以下で使いたいものがあるか)」「複数デバイスを同時に給電したいか」を、身の回りのよく使う電子機器をチェックしつつ決めたいところです。






























