やじうまミニレビュー

3万円台で買えてオマケ多数、PCモードもある13型巨大タブレット「Blackview MEGA 8」

やじうまミニレビューは、1つ持っておくと便利なPC周りのグッズや、ちょっとしたガジェットなど幅広いジャンルの製品を試して紹介するコーナーです。
MEGA 8

 Blackviewの「MEGA 8」は、ディスプレイに1,920×1,200ドット/90Hz表示対応の13型のIPS液晶を備えたAndroidタブレットだ。Amazonでは先日より発売されたばかりでページ上のクーポン、およびレジで使えるクーポンコード「5IFVLCZ7」の利用で3万1,148円となっている。今回サンプルの提供があったため簡単にレビューしていこう。

 今や巷では安価なAndroidタブレットが溢れかえっているが、ノートPCばりの13型クラスはまだ少し珍しい。MEGA 8の直接競合となるのは、以前紹介したTECLASTの「T65 Max」程度だろう。両製品ともに性格は似通っているのだが、MEGA 8の登場によりどちらか迷う人も出てくるだろうから、今回のレビューはこの両製品を比較しつつ紹介していこうと思う。

 まず心臓部を見ていくと、MEGA 8のプロセッサはUnisocのTiger T620(今はT7255にリネームされているが)で、T65 MaxはプロセッサにMediaTekのHelio G99を採用している点で異なる。

 Tiger T620は12nmプロセスで製造されるプロセッサで、CPUは最大2GHz駆動のCortex-A75 2基+最大Cortex-A55 6基、そしてGPUに750MHz駆動のMali G57 1コアの構成。一方Helio G99は6nmプロセスで、CPUは最大2.2GHzのCortex-A76 2基+2GHz駆動のCortex-A55 6基、GPUはMali G57 2コア。このため性能的にはMEGA 8のほうが低い。

 しかし、メモリはT65 Maxが8GBであるのに対しMEGA 8は12GBを搭載していて若干余裕がある。また、ディスプレイの解像度は同じだが、リフレッシュレートはMEGA 8が90Hz対応で滑らかな動き。OSはT65 MaxがAndroid 14だが、OSはMEGA 8がAndroid 15となっており、ここでもMEGA 8に軍配が上がるといった具合。つまりプロセッサは古いがそれ以外は新しいという感じだ。

液晶品質はまずまずだが、文字のエッジが若干オーバーシュートしているのがやや気になる
カメラは5,000万画素とされている
カバーを外したところ。安いタブレットとしての質感はまずまずだ
Geekbench 6の結果
3DMarkの結果
PCMark 10の結果

 細かいところでも差がある。たとえば、T65 Maxは周辺光量センサーがないため画面輝度調節は完全に手動だが、MEGA 8はそれがあるので自動で調節される。バイブレータもT65 Maxにはない装備で、キータッチやゲーム内の振動によるフィードバックなどもスマートフォンと同様に実現できる。

 さらに、標準で保護ケース兼スタンドに本体が収納されている。付属品としてほかに強化ガラスの保護フィルムが添付されており、別途購入する必要はない。初期でもPETと思われる保護フィルムが貼られているが、滑りがあまりよくないので、さっさと貼り替えるのが良い。静電容量方式でタッチポイントが見やすい透明タイプのタッチペンも付属しており、指紋が気になるユーザーはペンをメインで使うと良い。

 特に保護ケースや液晶保護フィルムは、専用品であるゆえに「ミドルレンジのタブレットに対してわざわざ数千円上乗せして買うほどでもないなあ」と迷うことが多いと思うが、「だったら最初から付属してあげよう」というメーカーの心意気は買いたい。

標準でケース兼スタンドに本体が収納されている
ただ、このケース兼スタンドは角度がやや厳しい
ケース装着時の重量は1,045gと、薄型ノートPC並みだ
ケース抜きの場合は実測753g
ガラス保護フィルムやタッチペンまで付属するのは面白い

 ソフトウェア周りも手が込んでおり、Android 15をベースとした「DokeOS_P 4.1」が採用されている。ほぼ素に近い状態ではあるのだが、若干UIに手が加えられているほか、T65 Maxにはない「PCモード」が搭載されており、Windowsのように各ソフトをウィンドウ化した状態で起動し、シームレスに切り替えながら使うことができるのが特徴となっている。別途薄型のBluetoothキーボードやマウスと一緒に持ち運べば、ある程度PC代わりにはなるだろう。

通常のUI
ステータスバーからのプルダウンで現れるメニューからPCモードを選択すると、PCモードに入ることができる
PCモードでは複数のアプリが同時に起動可能。ただ、Playストアの検索欄がメニューバーに隠れる場合があるなど、アプリによっては相性が発生するようだ

 OSのUIで一部ローカライズが甘かったり、ウィンドウ化するとうまく表示できなかったりするソフトがあるのはご愛嬌といったところ。なお、いずれの製品もWidevine L1対応で、Netflixなどの動画サービスにおいてフルHD画質で再生できる。一方、3Dゲーム対応に関しては、そもそもがHelio G99の半分以下のコア規模なので、軽いタイトル以外は「できない」と断言していいだろう。

 ちなみに筆者はレビューでTECLASTもBlackviewも複数製品を使っているのだが、OSのアップデートがある程度の頻度で降ってくるのはBlackviewの方だ。また、PCモードを備えたDokeOSの搭載や、付属品の豊富さなどで、総合的にもBlackviewのほうが親切だと感じられる。プロセッサがやや古いのが気になるが、オフィスや動画視聴が中心で3万円台の大型タブレットを探しているのならおすすめだと言えるだろう。

【表】MEGA 8の主な仕様
プロセッサUnisoc T620
メモリ12GB
ストレージ256GB
液晶1,920×1,200ドット表示対応13型光沢IPS
OSAndroid 15
無線Wi-Fi 5、Bluetooth 5.0
カメラ5,000万画素背面/1,300万画素前面
インターフェイスUSB Type-C、3.5mm音声入出力
バッテリ11,100mAh
本体サイズ/重量302×197×8mm/736g(ケース含まず)