やじうまミニレビュー

デスクトップ用のBDドライブを外付けで利用できるケース

やじうまミニレビューは、1つ持っておくと便利なPC周りのグッズや、ちょっとしたガジェットなど幅広いジャンルの製品を試して紹介するコーナーです。
製品本体。言うなれば光学ドライブ向けに作られた5インチHDDケースといったところ

 昨年(2018年)、筆者にとって大きな決断だったのは、デスクトップPCを処分したことだ。もう何年か前からメインの作業環境はノートPCに移行しており、それ以前に使っていたデスクトップPCは緊急用に格下げしていたのだが、完全に廃棄するには至らなかった。それを昨年暮れ、ようやく処分するに至った。

 思えば筆者の手元に初めてデスクトップPCが来たのは1994年なので、ちょうど四半世紀ぶりに、自分の部屋からデスクトップPCが消失したことになる。多少寂しくもあるが、タワー型1台分ものスペースが空になった快適さのほうが明らかに上だ。

 ところで、なぜデスクトップPCの処分をここまで後回しにしてきたかというと、デスクトップPCに組み込んでいたデバイスの中に、継続して使い続けたいものがあったからだ。そのひ1がBDドライブである。

 筆者自身、外付けのポータブルBDドライブは別途所有しているのだが、こちらはスロットイン方式で、8cm CDの読み取りに対応しない。国内ではほぼ絶滅状態にある8cm CDだが、海外製のデバイスではいまだユーティリティの配布のために使われているケースがあり、それが完全に読めなくなってしまうのは、業務上ネックだったというわけだ。

 こうしたことから、デスクトップPCで使っていたトレイ式のBDドライブを外付けドライブとして使うためのケースを探していて、最終的に購入に至ったのが、今回紹介するGROOVYの「OPTICALCASE525SATUSB30/A」だ。言うなれば、HDDケースの光学ドライブ向けバージョンとでも表現すべき製品である。

パッケージ。ヨドバシドットコムでの購入価格は4,910円
同梱品一覧。USB 3.0およびeSATA対応のケーブルがそれぞれ付属する
製品本体と、5インチのBDドライブを並べたところ。基板部分があるぶんドライブよりも長い

 本体の構造は基本的にHDDケースと同様で、HDDの代わりにBDドライブを挿入して使用する。HDDケースと異なるのは、前面部分のパネルが、BDドライブの装着を前提に取り外せることで、それ以外の構造については、SATA接続のHDDケースと相違ない。

 組み立て方は少々複雑で、まずネジ留めされている本体上下のスチール製パネルを外し、続いて前面部分のパネルを取り外す。前面部がぽっかりと空いた状態になるので、そこからBDドライブを挿入する。

 ある程度ドライブを挿し込んだところで、本体から出ているSATAケーブルおよび電源ケーブルをドライブに挿し込み、そのまま押し込んでネジ留めすれば完成だ。上下のスチール製パネルを留めるネジが各4本、ドライブの固定にも別途ネジ留めが必要と、ネジの本数はやや多めだ。

まずはネジ留めされている上下のパネルを外す。スチール製なのでずっしりと重い
続いて前面部分のパネルを取り外す。仮で取り付けられていたこのパネルは使用しない
前方からドライブを挿入する。途中まで挿し込んだ時点で、電源ケーブル、SATAケーブルをつなぐ
挿し込んだらまずドライブの位置を合わせてネジ留めする
続いて、最初に取り外した上下のスチール製パネルを元に戻す
組み立て完了。色も揃っているので、別売のふたつの製品を組み合わせたようには見えない

 同様の製品は国内で数種類が流通しているが、今回紹介した製品は発売時期も比較的新しく、価格も安い(実売4,910円)。外付けの5インチBDドライブは国内周辺機器メーカーの製品が1万円台半ばから流通しているので、手持ちのドライブを流用するにしても、ケース単体で1万円を超えることがあれば、まるごと買い替えたほうがよいと感じる。そうした意味で、5千円以下で入手できる本製品のコストは魅力だ。

 接続方式はUSB 3.0もしくはeSATAで、ケーブルもそれぞれの種類が付属しており、パッケージとして一式がきちんと揃っている。ACアダプタのサイズも、大柄で困るというほどではない。

 製品としての使い勝手は、組み込むドライブに依存するので省略するが、筆者個人としては、これまで使っていたBDドライブがノートPCでも使えて満足している。前面のトレイも引っかかるようなことはなくきちんと開閉でき、また見た目の色も揃っているので、別売のふたつの製品を組み合わせたようには見えない。筆者は試していないが、光学ドライブではなくHDDを組み込んで使うことも可能なようで、潰しが利くのもよい。

 強いて挙げるならば、電源ボタンおよび動作状況を示すLEDが背面にあるのがネックだが、基板類が背面寄りにレイアウトされている関係上、致し方ないだろう。無理にLEDを手前に引き出そうとしてコストが上がるよりは、こちらのほうがよい。

背面。E-525Q-SUEなる型番が印字されているが、同社サイトには掲載がなく詳細は不明だ
インターフェイスはUSB 3.0とeSATA。動作中は上部の青いLEDが点灯する
今回組み込んだドライブはトレイ式ゆえ、海外製デバイスの一部でいまなお使われている8cm CDも問題なく読み取れる

 1つ懸念していたのは騒音だ。ネットでの本製品のレビューでは、騒音が大きめであるというコメントが複数見られたため、購入にあたって少々危惧していたのだが、実際に試した限りでは、冷却ファンも回転音も、それほど騒々しいようには感じなかった。

 もちろん、筐体に直接振動が響くぶん、静音タイプのデスクトップPCと比べると回転音は響きがちだが、うるさくて夜間に使えないようなレベルではない。競合製品と使い比べたわけではなく、あくまで筆者の主観レベルだが、冷却ファン付きの周辺機器としては標準的で、購入を見送るほどのマイナスとは感じられなかった。

 筆者のように、デスクトップにPCに見切りをつけ、ノートPCに切り替えようとする人は、今後さらに増えていくと考えられる。その時に、これまで使っていたBDドライブなどの機器が移行のネックになっているようであれば、こうした製品を検討してみてはいかがだろうか。