PC短評

GeForce RTX 5070搭載でどこにも設置できる超薄いゲーミングPC「AtomMan G7 Pro」

 MINISFORUMの「AtomMan G7 Pro」は、GeForce RTX 5070 Laptop GPUを搭載した超薄型のゲーミングPCだ。現在公式サイトで販売されており、価格はメモリ32GB+1TB SSD+Windows 11 Pro搭載で28万7,999円となっている。今回サンプルを入手したので、簡単に紹介したい。

 AtomMan G7 Proは、CPUにCore i9-14900HX、GPUにGeForce RTX 5070 Laptop GPUを搭載した高性能な薄型ゲーミングPCだ。同社は高性能もしくはハイエンドなコンシューマ向け製品に対してAtomManというサブブランドを付加しているのだが、AtomMan G7 Proもその流れを汲む製品となっている。

 一方で、MINISFORUMは薄型のゲーミングPCも継続して投入している。本機の先代にあたるのが「AtomMan G7 Ti」(2024年)で、Core i9-14900HXとGeForce RTX 4070 Laptop GPU搭載。さらにその前は「DeskMini NUCXI7」(2022年)で、Core i7-11800HとGeForce RTX 3070 Laptop GPUを搭載していた。つまり、“薄型筐体+GeForce RTX xx70シリーズ”というのが、このシリーズのコンセプトだろう。

 使い勝手に関しても先代を踏襲する。本体幅は実測で43.5mm、スタンド込みでも80mmという薄型の筐体は、たとえばデスクの脚と壁の間の隙間、モニターの背面や横といったデッドスペースに難なくフィット。さすがに設置面積は一般的なミニPCには敵わないが、これでGeForce RTX 5070 Laptop GPUの性能が手に入るのだから十分だ。

左側面。左奥がGeForce RTX 4070 Laptop GPUを搭載した旧モデル、AtomMan G7 Ti。筐体は実質共通だが、印刷や色味が若干異なる
右側面はすべて排気口。これは従来同様
とにかく薄い筐体が特徴。これならどこにでも設置可能

 性能面に関していえば、CPUは先代とまったく同じCore i9-14900HX。GPUだけが4070→5070に進化したかたちとなる。CPUのアーキテクチャ的には、Core Ultraシリーズ2などと比較すると見劣りしたりするのだが、一部ゲームではより高クロックで動作する第14世代Coreが得意だったりするのも事実(最適化が進んだ可能性があることも否めないが)。そのため、CPUを含めた総合的な性能向上よりも、ゲーム性能の向上に重点を置いて開発された製品だといえよう。

本体内部。ヒートパイプの配置、SSDのM.2スロットの配置などが変更されている
サンプルではメモリは32GB SO-DIMM 1基だけとなっていた(従来は16GB×2)。シングルチャネル化による性能低下があると思われるが、ベンチ結果から察するにその心配はしなくても良さそうだ
従来のSSDは「2階建て」構造だったが、新モデルは平置きとなっている。発熱による影響を抑えられるだろう

 なお、前面のボタンで「オフィスモード」と「ゲームモード」という2つのモードを切り替えて使用できる点は従来同様なのだが、モードのインジケータがなくなってしまった。意図は不明なのだが、設置場所を考えれば確認できなくてもいいと割り切ったのかもしれない。ちなみに公称の各モードの電力は下記の通りとされており、CPUとGPUを同じ熱設計枠で共有する仕組みが採用されているのが分かる。

【表1】各モードの最大電力
モードCPUストレステストCPU+GPUストレステスト
ゲームモード120W85W+115W
オフィスモード90W55W+95W

 最大電力は200Wと従来の枠組みとほぼ同程度なのだが、ACアダプタは従来の19V/14.7Aから20V/14Aに変更された。合計出力は実質同等で、電圧だけわずか1V程度の違いがあるのだが、従来のACアダプタを使用したところベンチ中に落ちてしまったので、たとえ従来モデルからの置き換えの場合でも、最新の同梱モデルの利用を強く勧めたい。

ACアダプタは従来(上)と形状まで一緒なのだが、電圧は20Vに向上した

 動作音に関しては従来と同様、モードにかかわらず低負荷時はかなり静かだが、高負荷時に強めの風切り音がする。ゲーム用途においては何よりも安定性が重視されているので、このようなセッティングとなっているのだろう。内部の冷却機構は従来とほぼ同様だった。

 インターフェイスも従来をほぼ踏襲しており、前面はUSB 3.2 Gen 1、SDカードスロット、3.5mm音声入出力、USB 3.2 Gen 1 Type-C。背面はDC入力、USB4、HDMI出力、USB 3.2 Gen 2、2.5Gigabit Ethernet(ここだけ従来から進化)となっている。このほか、Wi-Fi 7とBluetooth 5.4を搭載する。

モード切り替えはユーティリティのほか、前面のスイッチからも行なえるが、インジケータがなくなった
RGB LEDライティングは搭載する
前面インターフェイスは上からUSB 3.2 Gen 1、SDカードスロット、3.5mm音声入出力、USB 3.2 Gen 1 Type-C
背面インターフェイスは上からDC入力、USB4、HDMI出力、USB 3.2 Gen 2、2.5Gigabit Ethernet。ちなみに使い勝手の良さからいえばDC入力は底面に装備してほしかったのだが、本製品はノートPC用マザーボードがベースとなっているため無理だったのだろう
【表2】AtomMan G7 Proの主な仕様
CPUCore i9-14900HX(24コア/32スレッド、最大5.8GHz)
メモリDDR5-5600 SO-DIMM×2(テスト機は32GB搭載)
ストレージPCIe 5.0 M.2 2280 1基、PCIe 4.0 M.2 2280 1基(テスト機は1TB SSD搭載)
GPUGeForce RTX 5070 Laptop GPU(8GB)
OSWindows 11 Pro
インターフェイスUSB4、USB 3.2 Gen 2、USB 3.2 Gen 1 Type-C、USB 3.2 Gen 1、SDカードスロット、2.5Gigabit Ethernet、Wi-Fi 7、Bluetooth 5.4、音声入出力
本体サイズ80×260×398mm
重量2.62kg

 最後に簡単にベンチマークをしていこう。本来、12月に更新されたPCMark 10でスコアが比較できるよう、従来のAtomMan G7 Tiを再度テストしてガッツリ比較したかったのだが、残念ながら機材トラブルにより計測できなかったため、AtomMan G7 ProはPCMarkはスコアのみ掲載、比較は3DMarkなどを介して行おう。なお、ゲーム用途における最高性能を見るため、ゲームモードのみに限定している。それでもAtomMan G7 TiとはOSやドライババージョンなどが異なるため、参考程度までに。

PCMark 10の結果
Cinebench R23はシングル/マルチともに従来より向上している

 というあたりで見ていくと、AtomMan G7 Tiからは妥当な性能向上が確認できた。まずCPUのCinebench R23の結果だが、従来と同じCPUではあるものの、PL2が115Wから120Wに増えているほか、BIOSの最適化などが進んだためか、スコアが29,000を超える結果となった。シングルコアも2,100の大台に乗り、最新のPanther LakeことCore Ultra X9 388Hに迫るスコアを記録した。

3DMarkの結果(その1)
3DMarkの結果(その2)
ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマークの結果

 また、GPU周りも進化が見て取れる。CUDAコア数は同じ4,608基なのだが、アーキテクチャの進化に加え、メモリがGDDR6(16Gbps)からGDDR7(24Gbps)に進化したことで帯域幅が1.5倍向上している。そのため性能が向上しているのだ。

【表3】GeForce RTX 5070 Laptop GPUと4070 Laptop GPUの比較
アーキテクチャBlackwellAda Lovelace
GPUコアGB206AD106
製造プロセスTSMC 4N
トランジスタ数219億229億
CUDAコア数4,6084,608
コアクロック1,425~2,347MHz1,230~2,175MHz
GPUサブシステム電力50~100W35~114W
メモリGDDR7GDDR6
メモリクロック24Gbps16Gbps
バス幅128bit
帯域幅384GB/s256GB/s

 今回は間に合わなかったのだが、2月に予定されているアップデートで、GeForce RTX 50シリーズでは最大5枚の映像を生成して挿入することでフレームレートを引き上げるMFG 6xをサポートする。これは従来の4070 Laptop GPUではできないので、楽しみに待ちたいものの1つだ。

 ゲーミングノートもいいが、好みのモニターやキーボードを使いつつ、省スペースでゲームをプレイしたいユーザーにとって本製品は有力な選択肢となるだろう。

17型の液晶モニターと組み合わせてみたところ