PC短評

Intel N97+16GBの実用スペックで約4万8,000円のノート「Blackview AceBook 8」

Blackview AceBook 8」

 安価なスマートフォンやタブレットでおなじみのBlackviewから、Intel N97を搭載したノートPC「AceBook 8」が登場した。16GBのメモリと512GBのSSDを搭載した1モデルで、公式サイトの価格は(約4万8,000円)だ。今回はBlackviewより編集部にサンプルが到着したので簡単に紹介していこう。

 AceBook 8の本体サイズは横幅360×奥行き234×厚さ20.8mm、筐体はプラスチック製で重量は実測値で1,534g、手にしたサイズ感と重さは一致しているが、デザインがフラットなのでかなりスリム印象を受ける。付属品は簡易マニュアルとACアダプタのみ。

外装のデザインはシンプル
背面は上下に横長のゴム足が取り付けられており、タイピング時の安定性に優れる
付属品は簡易マニュアルとACアダプタ、出力は36W
ヒンジ側の厚さは20.8mm
本体重量は実測値で1,534g

 CPUは第12世代のモバイル向けプロセッサとなるIntel N97、グラフィックスはCPUに統合されたIntel UHD Graphicsを搭載。システムメモリはDDR4 16GB×1、ストレージはSATA接続の512GB SSD、OSはWindows 11 Homeがインストールされている。

 インターフェイスは、USB 3.1 Type-C(DisplayPort Alt ModeとUSB PD給電対応)、HDMI 2.0、USB 3.0×2、USB 2.0、3.5mmオーディオジャック、microSDカードスロット、そのほかWindows Helloの顔認証に対応する100万画素のWebカメラと、トラックパッド部分に指紋認証センサーを搭載。無線LANはWi-Fi 5とBluetooth 5.0に対応。

左側面はUSB 3.1 Type-C(DisplayPort Alt ModeとUSB PD給電対応)、HDMI 2.0、USB 3.0
右側面には3.5mmオーディオジャック、USB 3.0、USB 2.0、microSDカードスロット
顔認証に対応する100万画素のWebカメラ

 液晶は15.6型のフルHD(1,920×1,080ドット)解像度で画面占有率は84%、視野角の変化に強いIPSでノングレアのパネルを採用、角度をつけるとわずかに輝度やコントラストが低下する。15.6型なら2Kくらいの解像度があると捗るのだが、価格を踏まえれば致し方ない。ちなみにメーカーはヒンジ部分で180度開閉と謳っているが、言うほどフラットにはならなかった。

最大輝度
最低輝度
ぱっと見で176度くらいか

 英語配列のキーボードは、キーピッチが19mm、キーボードバックライトは非搭載。テンキー部分のレイアウトは慣れるまでにタイプミスを繰り返してしまいそうだ。トラックパッドは120×78mmでマルチタッチおよびジェスチャーに対応、枠内の左上には指紋認証センサーを搭載しており、カメラやPIN同様にWindows Helloの利用が可能。ただしトラックパッドが極端に左に寄っているため、パームレスト部分の奥行きは余裕があるのに左手の収まりは良くない。

テンキー周辺のレイアウトがやや厳しい
キーピッチは19mm
トラックパッドのサイズは120mm×78mm、左上に指紋認証センサーを搭載

 背面カバーはいたって普通のネジで固定されているため、SATA接続ってマジですか?の確認をしようと意気込んでいたが、なぜか全くカバーを外すことができない。お盆明けに編集部で土下座する姿が脳裏をよぎったため、そっとネジを元に戻した。

Colorful製の16GBモジュールのメモリを搭載
ストレージはSATAでCF400 512GBが搭載されている
ネットワークモジュールはRealtek 8821CE

 CPUのレンダリングでパフォーマンスを測定するCinebench 2024では、マルチコアは183、シングルコアは62、総合的なパフォーマンスを計測するPCMark 10ではスコア3,296となった。4コア4スレッドのCPUでは何気ない処理でCPU使用率が100%に張り付くこともよくあるが、16GBのメモリを搭載しているため「重すぎて何もできない」ということはない。パフォーマンスの天井は見えるが、一般的なオフィスアプリケーションなら問題なく動作する。

Cinebench 2024のマルチコアは183、シングルコアは62
PCMark 10のスコアは3,296、過度な期待は禁物だが一般的なオフィスアプリケーションの動作は問題ない

 バッテリ容量は10,270mAh(38Wh)で小型のモバイルバッテリに近い。駆動時間のテストには、Windowsの「電源とバッテリー」項目をOSセットアップ時の電力設定「バランス」のままディスプレイ輝度50%、スピーカーの出力を30%に設定し、一般使用を再現する「PCMark 10 Modern Office Battery Life」を実行。約3時間30分を経過したところでバッテリ残量が6%を切り、PCがハイバネートをしようとしたためベンチマークが停止した。

 その後シャットダウンするかと思いきやベンチマークのプログラムとWindowsの折り合いがつかなかったのか、若干フリーズしながら4時間43分でフィニッシュした。

ログでは約3時間30分を経過したところでハイバネートに入ろうとしたが、なぜかうまく処理できずベンチマーク結果は4時間43分となった

 Unreal Engine 4で開発されたオンラインアクションRPG「BLUE PROTOCOL」、残念なことに先日サービス終了がアナウンスされてしまったが、同作のベンチマークソフトを使ってFHD解像度における最高画質と低画質の両方のプリセットで計測。最高画質プリセットのスコアは691、低画質プリセットのスコアは1,827でどちらの判定も「動作困難」となりゲームのプレイは現実的ではないだろう。

最高画質プリセットのスコアは691、レポートの平均フレームレートは4.557
低画質プリセットのスコアは1,827、レポートの平均フレームレートは13.190

 スクウェア・エニックスによるMMORPGの代表作「ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー」のベンチマークを使い、フルHD解像度で高品質(ノートPC)設定とした場合のスコアを計測。スコアは1,686で評価は設定変更が必要とされているが、設定変更をしても快適な動作にはほど遠いだろう。

設定はFHD解像度で高品質(ノートPC)、スコアは1,686で評価は設定変更が必要

 GPUのパフォーマンスを測定する3DMark Night Raidは5,855、Wild Lifeは3,781、Fire Strikeは1,408、Time Spyは524となった。メモリは人権のある16GBが搭載され、このクラスのCPUでも比較的動作している。ブラウザゲーム等であれば全く問題ないが、DirectXを利用するタイトルを遊ぶなら素直にゲーム用のPCで遊んだ方が快適なのは間違いない。

 バッテリ容量が控えめなため、終日外で使い倒すというよりかは大きな画面でちょっと作業したい、あるいはサブ機として活用するのが良いかもしれない。

内蔵グラフィックス向けのベンチマーク、Night Raidのスコアは5,855
クロスプラットフォーム向けのベンチマーク、Wild Lifeのスコアは3,781
DirectX 11を使用するデスクトップPC向けのベンチマーク、Fire Strikeのスコアは1,408
DirectX 12を使用するデスクトップPC向けのベンチマーク、Time Spyのスコアは524