PC短評
Core i5と14型タッチ液晶搭載で970gの「日本エイサー Swift 5」
2018年4月27日 06:00
日本エイサーの“Swift 5”「SF514-52T-H58Y/B」は、第8世代のCore i5-8250U(1.6GHz、ビデオ機能内蔵)とタッチ対応の14型液晶を搭載しながら、970gの軽量性を実現したノートだ。価格はオープンプライスで、実売価格は15万円前後となっている。
軽量モバイルノートの先駆者はLGの「gram」である。初代gramは公称重量970gだったが、第8世代gramの14型液晶搭載モデルは公称重量995gとなっており、Swift 5はこれよりも軽く、初代gramに並ぶことになる。実際、パッケージが届いたとき中身が入っているのかと疑ったほどで、本体を手にした瞬間“軽っ”と思わず言葉を発してしまった。
CPUには4コア/8スレッドのCore i5-8250Uを採用。メモリは8GB、ストレージは512GBと、オフィス用途で、ホビー用途でも十分余裕のある構成となっている。
液晶は1,920×1,080ドット表示対応の14型。軽量ノートでは省かれがちなタッチ機能を搭載しているのがポイント。光沢なので映り込みが気になるが、色味が正しく見やすいうえに、視野角も上下/左右ともに広く、写真/動画鑑賞に十分な品質。また、液晶は180度まで開くため、机に広げて複数人で見るといったニーズにも応えられる。
キーボードは19mmのキーピッチが確保されている。ただ、アイソレーションタイプであるのにもかかわらず、フレームが英語版と共通のようで、変換/無変換キーがスペースバーに隣接していたり、Enterキー付近のキーも密接していたりと、若干変則となっているが、実害は少ないだろう。キーストロークは想像以上に浅い印象を受けたが、高速タイピングに向く。一方、タッチパッドは広く扱いやすい。クリックボタンはパッド一体型だ。
インターフェイスは、USB 3.0×3(うち1基はType-C)、IEEE 802.11ac対応無線LAN、Bluetooth 4.0、HDMI出力、HD対応Webカメラ、音声入出力などを備える。付属ACアダプタによる充電のほか、USB Type-Cによる充電も可能な点は評価できる。
キーボード右手前に指紋センサーを搭載しているのもポイントで、Windows Helloによりワンタッチでログインできる。
本体サイズは約329×228×14.9mm(幅×奥行き×高さ)となっており、14型としては十分にコンパクトなフットプリント。バッテリ駆動時間は公称8時間が謳われている。
試用感
手にして最初に思ったのは塗装の質感が高い点。天板と底面はマグネシウム・リチウム合金、パームレスト面はマグネシウム・アルミニウム合金で、本来はアルミ削り出しのような金属らしい質感を出しにくい素材なのだが、上品で少し粒状感のある落ち着いた紺色とゴールドの塗装は、アルミ削り出しのモデルと比較して引けを取らない。店頭でぜひ手にしてみてほしいレベルだ。
もう1つ驚いたのがサウンド。同社の「TrueHarmony」技術と「Dolby Audio Premium」の採用が謳われているのだが、薄型筐体とは思えないほど厚い音が出る。たとえWindowsの効果音1つであったとしてもだ。
本機はファンを搭載しており、負荷時はそれなりの甲高い音がなる。底面から吸気し、液晶下左側から排気されるのだが、キーボード奥の中央、そしてその裏面に熱が集中する印象。パームレストは低温なので不快なほどではないが、高負荷が続く作業時に膝の上で操作するのは避けたほうが良いだろう。
PCMark 10を計測したところ、3,042というスコアを記録した。第8世代Coreプロセッサ搭載ノートPCは、スコアが高いモデルで4,000近くに達するため、トップクラス性能というわけではないが、第7世代Coreプロセッサ搭載モデルからはプロセッサ性能が一段高まっており、ある程度クリエイティブな作業もこなせるようになっている。
ひときわ970gというモバイル性が目を引くモデルだが、上質なデザイン、高い処理性能、14型液晶、そしてタッチ対応といった汎用性も兼ね備えており、まさにシーンを問わず使えるモデルである。