Mac Info

Macをほぼキーボードだけで操作できる!無料アプリ「Shortcat」がオススメ!!

 Macの操作をキーボードだけで行ないたい! そんなニーズに応えるのが無料アプリの「Shortcat」です。このアプリを利用すれば、通常はマウスやトラックパッドを使わなければならない操作を、キーボードだけで素早く実行できます。充電が切れていたりなどマウスやトラックパッドが使えない場面でも役立ちますので、ぜひインストールして使ってみましょう。

Shortcatを起動すると、キーボードで操作可能な項目に黄色いラベルが表示されます。そしてラベル上のアルファベットを検索フィールドに入力すれば、その項目に関連するさまざまな操作を実行できます

無料で使えるShortcatとは?

 マウスやトラックパッドを使わず、キーボードだけでMacを操作したいと思ったことはないでしょうか。

 そんなとき、Mac標準のキーボードショートカットを利用するのも1つの手ですが、ウインドウ上のボタンやメニューの選択などすべての操作は行なえません。

 そこで便利なのが「Shortcut(ショートカット)」ならぬ「Shortcat(ショートキャット)」です。実に13年の歴史を誇るこの定番アプリを使えば、Macのほとんどの操作をキーボードだけで行なうことができるので、作業を効率化できます。

 その名の通り、マウスのケーブルをくわえた白猫のアイコンが目印になっていますので、さっそくダウンロードして使い方をマスターしていきましょう。

公式サイトにアクセスして[Download Shortcat]をクリックするとダウンロードが始まります。macOS Ventura以降を搭載したインテル製CPU搭載Mac/Apple Sillicon搭載Macで利用できます

インストールと基本設定を行なう

 Shortcatを初めて起動すると、チュートリアル画面が表示されます。

 まずは画面下部にある[Request Permission]をクリックして「システム設定」を開き、アクセシビリティへのアクセスを許可しましょう。

 次に、Shortcatを呼び出すためのショートカットキー(アクティベーションショートカット)の設定を行ないます。

 初期設定では[shift]+[command]+[_(アンダーバー)]キーに設定されていますので、必要に応じて変更します。あとから変更することも可能。

 ショートカットキーの設定を済ませると、Shortcatの基本的な使い方が画面に表示されます。

 通常のクリックは[return]キー、副ボタンクリックは[control]+[return]キー、ダブルクリックは[return]キー2度押しなので覚えておきましょう。
 そしてチュートリアルを終了すると、メニューバーにShortcatのアイコンが表示されます。
 ここから[Preferences]を選んで設定変更を行なったり、[Quit]を選択してアプリを終了したりすることが可能です。

チュートリアル画面で[Request Permission]をクリックします
「システム設定」の[プライバシーとセキュリティ]にある[アクセシビリティ]が開きます。[Shortcat]のアクセスを許可します
[Activation shortcut]の欄に表示されているショートカットキーを必要に応じて変更します
「Shortcat Basics」の画面では、Shortcatの基本的な使い方が表示されます
メニューバーに表示されるShortcatのアイコンをクリックすると各種メニューが表示されます。[Preferences]を選ぶと、アプリの設定を行なえます

基本的な操作方法をマスター

 Shortcatを使ってMacをキーボードだけで操作するには、まずは設定したショートカットキーを押してShortcatを呼び出します。

 すると、Spotlightのような検索フィールドが開くと同時に、現在開いているアプリケーションのアプリケーションメニューやウインドウ上の項目(メニューやボタンなど)に、1〜3文字程度のアルファベットが記載された黄色いラベルが表示されます。
 このアルファベットが記載された黄色いラベルが、Shortcatを使ってキーボード操作できる項目です。

 たとえば、「システム設定」を開いている場合、ウインドウ左上の赤いボタンには[C]、オレンジ色のボタンには[M]、緑色のボタンには[N]などと表示されます。

 ここでウインドウを閉じたいときは、赤いボタンに表示された「C」を検索フィールドに入力。すると、赤いボタンに関連する操作が一覧表示されるので、その中から[Close Window]という操作を選んで[Return]キーを押すか、操作に割り当てられたショートカットを押すと操作が実行されます。

 同様に、たとえばデスクトップ上のフォルダを開きたいときは、Finderを開いている状態でShortcatを呼び出し、該当するフォルダを指し示すアルファベットを検索フィールドに入力。次に[return]キーを押せば、そのフォルダをすぐに選択できます。

 あとは[command]+[O]キー(選択した項目を開く)などのMac通常のショートカットを組み合わせて利用することで、さまざまな操作がキーボードだけで行なえます。

Shortcatを呼び出すと検索フィールドが表示され、キーボードで操作可能な項目に黄色のラベルが付与されます
任意のアルファベットを検索フィールドに入力すると、実行できる操作がリスト表示されます。カーソルキーを使って操作を選択し、[return]キーやショートカットキーを押すと実行されます
Finderを開いた状態でShortcatを呼び出します。デスクトップ上の目的のファイルのアルファベットを検索フィールドに入力すると、ラベルが青色に変わります
[return]キーを押して選択したあと、[command]+[O]キーを押せばファイルを開くことができます
ファイル名を入力して検索することもできます。トップヒットのラベルは青色で示されます

キーボード入力をさらに効率化

 Shortcatの基本的な使い方に慣れてきたら、さらに効率的なキーボード操作にも挑戦してみましょう。ポイントは、検索時にいかに目的の要素を絞り込み、上位に表示させるかです。

 たとえば、「システム設定」を利用しているときにShortcatを呼び出すと、ウインドウ上の各項目に多数の黄色ラベルが表示され、目的のラベルを探し出すのに苦労することがあります。

 そんなときはラベルの種類を指定して、操作対象を絞り込みます。たとえば、検索フィールドに[btn]と入力すれば、画面上のボタンだけにラベルが表示されます。
 同様に[menu](メニュー項目だけ)、[window](ウインドウだけ)、[link](リンクだけ)を入力して絞り込むこともできます。

 さらに、ウインドウ上の「文字」も操作対象となるので、「キャンセル」ボタンを選択したい場合は検索フィールドに[キャンセル]と入力すれば該当のボタンが最上位に表示されるようになります。

 なお、これはちょっとした裏技ですが、絵文字の入力にもShortcatは利用できます。

 たとえば、猫の絵文字を入力したいときには、英数入力で検索欄に[:(コロン)]キーを入力。続けて[cat]と入力すれば猫の絵文字が検索候補に表示されます。

検索フィールドに[btn]と入力すると、画面上のボタン要素にだけ黄色いラベルが付与されます
検索フィールドに[window]と入力すると、デスクトップに開かれているウインドウだけが候補として表示されます。隠されているウインドウもリストに表示されるので、すぐに開けます
検索フィールドに[menu]と入力すると、現在アクティブになっているアプリケーションメニューを開けます
ウインドウ内の文字も操作対象です。検索フィールドに入力すると実行可能な操作が表示されます
検索フィールドに[:(コロン)]キーを入力。そして任意のアルファベットをタイプすると、カラー絵文字をスピーディーに入力できます

非常時にも役立つツール

 Shortcatを使いこなすにはある程度の慣れが必要ですが、毎日のように使っていけば、徐々にマウスやトラックパッドよりも素早く操作できるようになるでしょう。Macの作業を効率化したい!と思うなら、ぜひ一度は試してみてください。

 また、たとえ普段は利用しなくても、アプリは無料で入手できます。万が一、マウスやトラックパッドが使えなくなったときに、アプリの操作やシステムの再起動などを行なえますので、Macにインストールしておくとよいでしょう。