ベンチで検証! CPUのキキどころ

3世代9種類のCPUで「DaVinci Resolve 16」の動画エンコード速度を検証

「TMPGEnc Video Mastering Works 7」

 今回テストするのは、Blackmagic Designが提供している動画編集ソフト「DaVinci Resolve 16」。3世代9種類のCPUで動画書き出し時の処理時間を比較してみた。

 テストするCPUとそのほかの機材は以下のとおり。

【表1】テストするCPUのおもな仕様
プロセッサー・ナンバーCore i9-10900KCore i5-10600Core i3-10100Core i7-6700KCore i5-6600KCore i3-6100Core i7-2600KCore i5-2500KCore i3-2105
世代第10世代第6世代第2世代
CPUアーキテクチャComet LakeSkylakeSandy Bridge
製造プロセス14nm14nm32nm
コア数1064442442
スレッド数20128844844
ベースクロック3.7GHz3.3GHz3.6GHz4.0GHz3.5GHz3.7GHz3.4GHz3.3GHz3.1GHz
最大ブーストクロック5.3GHz4.8GHz4.3GHz4.2GHz3.9GHz3.8GHz3.7GHz
L3キャッシュ20MB12MB6MB8MB6MB3MB8MB6MB3MB
対応メモリDDR4-2933 (2ch)DDR4-2666 (2ch)DDR4-2133/DDR3L-1600 (2ch)DDR3-1333 (2ch)
PCI ExpressPCIe 3.0 x16PCIe 3.0 x16PCIe 2.0 x16
TDP125W65W65W91W91W51W95W95W65W
対応ソケットLGA1200LGA1151LGA1155
【表2】テスト機材一覧
CPUCore i9-10900KCore i5-10600Core i3-10100Core i7-6700KCore i5-6600KCore i3-6100Core i7-2600KCore i5-2500KCore i3-2105
コア数/スレッド数10/206/124/84/84/42/44/84/42/4
パワーリミット (PL1)125W65W65W95W95W51W95W95W65W
パワーリミット (PL2)250W134W90W118.75W118.75W63.75W118.75W118.75W81.25W
パワーリミット (Tau)56秒28秒28秒8秒8秒8秒1秒1秒1秒
マザーボードASUS TUF GAMING Z490-PLUS (WI-FI) [UEFI:1001]ASUS Z170-A [UEFI:3802]ASUS P8Z68-V PRO [UEFI:3603]
メモリDDR4-2933 8GB×2 (2ch、21-21-21-47、1.20V)DDR4-2133 8GB×2 (2ch、15-15-15-36、1.20V)DDR3-1333 8GB×2 (2ch、9-9-9-24、1.50V)
ビデオカードZOTAC GAMING GeForce RTX 2080
システム用SSDCrucial MX500 500GB (SSD/6Gbps SATA)
アプリケーション用SSDSanDisk Ultra 3D SSD 1TB (SSD/6Gbps SATA)
電源CORSAIR RM850 CP-9020196-JP (850W/80PLUS Gold)
グラフィックスドライバGeForce Game Ready Driver 451.48 DCH (27.21.14.5148)
OSWindows 10 Pro 64bit (Ver 2004 / build 19041.329)
電源プラン高パフォーマンス
室温約25℃

DaVinci Resolve 16でH.264形式の動画書き出し時間を測定

 DaVinci Resolve 16では、動画に字幕を追加する簡単な編集を施して書き出すさいの処理時間を比較する。ソフトウェアのバージョンは「16.2.7」。

 まず、フルHD動画をH.264形式で書き出した場合の処理時間を比較する。動画時間は180秒で、解像度は1,920×1,080ドット、フレームレートは59.94fps、品質設定はAutomaticのBest。

 比較したCPUで最速だったのはCore i9-10900Kの2分16秒で、2番手はCore i5-10600の3分57秒、3番手は6分13秒を記録したCore i3-10100だった。

DaVinci Resolve 16「フルHD動画出力 (H.264、1080p60、180秒)」

 続いて、4K動画をH.264形式で書き出した場合の処理時間を比較した。動画時間は60秒で、解像度は3,840×2,160ドット、フレームレートは59.94fps、品質設定はAutomaticのBest。

 最速はCore i9-10900Kの2分37秒、2番手は4分31秒を記録したCore i5-10600で、3番手は6分59秒のCore i3-10100だった。

DaVinci Resolve 16「4K動画出力 (H.264、2160p60、60秒)」

 DaVinci Resolve 16は動画の書き出しを実行するさい、CPUだけでなくGPUでも処理を行なっているが、それでもCPUの違いによってこれだけ処理時間に差がついている。動画の分野ではGPUの活用が進んでいるが、動画編集ソフトの書き出しにおいては、依然としてCPUのスペックに依存する部分が大きいことを示している。

 動画の書き出しを行なう回数が多いほど、新しい世代のCPUを導入することによって削減できる時間も大きなものとなる。頻繁に動画編集を行なっているのであれば、コア数の多い新世代CPUの導入を検討してみるとよいだろう。

[制作協力: インテル]