富士通「FMV-BIBLO MG/G75」
~デザインを一新したCore i5搭載13.3型モバイル



富士通「FMV-BIBLO MG/G75」

発売中

価格:オープンプライス(実売179,800円前後)



 富士通のB5ファイルサイズモバイル「FMV-BIBLO MG」シリーズに、新モデル「FMV-BIBLO MG/G75」が登場。新たに16:9ワイド液晶を採用するとともに、ボディデザインも一新されており、イメージが一新されている。

●一般ユーザーを意識したデザインに変更

 ここ数年、BIBLO MGシリーズは、ボディデザインにほとんど手を加えることなく、搭載CPUやチップセットなど、内部のシステムのみを変更したモデルチェンジが繰り返されてきた。しかし、今回登場したFMV-BIBLO MG/G75(以下MG/G75)では、内部システムだけでなく、ボディデザインも一新され、名実ともにフルモデルチェンジを果たしている。

 ただ、フルモデルチェンジとはいっても、LOOX Uのような大幅なデザイン変更とはなっていない。ボディサイズは、316×227×24.2~32.3mm(幅×奥行き×高さ)。筆者が利用している「BIBLO MG/A75N」と比較してみたが、奥行きが8mm短く、高さもわずかに低くなっているものの、大きさはほとんど変わっていないことがわかる。

 それでも、天板部分などに、光沢感の強い塗装が施されていることもあり、見た目の印象はかなり変わっている。従来モデルは、無骨なビジネスモバイルノートというイメージが非常に強かったが、MG/G75ではそういった印象が薄れ、一般ユーザー向けのモバイルノートと言われても大きな違和感を感じないデザインとなっている。

 また、ボディデザインの変更に加えて軽量化が実現されている。従来モデルのFMV-BIBLO MG/E75は、光学ドライブ内蔵時の重量が約1.79kgであったのに対し、MG/G75では約1.66kg、実測値でも1,640gと、100g以上の軽量化が実現されている。筆者が使っているMG/A75Nと実際に手に持って比較してみても、MG/G75はかなり軽くなったという印象を受ける。加えて、天板部分は約200kgfの圧力に耐える堅牢性が確保されている(全面加圧)という点は従来通り。ボディサイズは、B5ファイルサイズというよりもA4ノートにかなり近いが、この重量と堅牢性なら、モバイルノートとしても十分な魅力があるはずだ。

本体正面。中央右よりに、SDカードスロットやマイク/ヘッドフォン端子が見える左側面。高さは24.2mm~32.3mmで、手前が薄く奥が厚くなっている背面。従来は側面に配置されていたアナログRGB出力が見える
右側面。光学式ドライブはこちらに搭載されている天板部分。光沢感の強い塗装が施され、従来までのやや無骨な印象が薄れているフットプリントは、幅316mm×奥行き227mm。DOS/V POWER REORT誌よりもかなり大きく、モバイルノートとしてはかなり大きい部類に入る
重量は実測値で1,640g。従来モデルよりも100g以上軽くなっている筆者が利用しているMG/A75Nとの比較。幅は全く同じだ
奥行きは、MG/G75のほうが8mm短くなった高さは、わずかにMG/G75が薄いものの、ほぼ同じと考えていい

●アスペクト比16:9の13.3型ワイド液晶を搭載

 ボディデザインの変更に加え、MG/G75では搭載される液晶ディスプレイも変更された。従来は、アスペクト比16:10の14.1型または13.3型ワイド液晶が採用されていたが、MG/G75では、アスペクト比16:9のワイド液晶が搭載されるようになり、サイズも13.3型のみとなった。

 液晶パネルは、FMV-BIBLOシリーズでおなじみの、表面に光沢処理が施されているスーパーファイン液晶で、発色は従来モデル同様優れている。MG/G75搭載の液晶は、光沢仕様ではあるが、表面に低反射処理が施されていることもあって、一般的な光沢液晶に比べると映り込みはやや少ない。また、富士通の直販サイト「富士通WEB MART」専用のカスタムメイドモデルでは、ノングレア液晶を選択できるようになっている点も、従来同様だ。

 表示解像度は1,366×768ドット。従来モデルの液晶は、表示解像度が1,280×800ドットだったため、横の解像度は増えたが、縦の解像度が減ってしまった。16:9液晶のコストが大きく下がっていることや、一般ユーザー向けとしての位置付けを強化したことによる変更と考えられるが、縦の解像度が減ってしまったことで、ワープロや表計算といったビジネス系ソフトを利用する場合に使いづらくなったと言わざるを得ず、かなり残念だ。

 ところで、奥行が8mm短くなっているとはいえ、本体のフットプリントはそれほど大きく変わっておらず、そこに縦の短い液晶を搭載したことにより、液晶下部にかなり大きな空きスペースができてしまっている。これだけの空きがあるなら、アスペクト比16:10の14.1型液晶も問題なく搭載できるはずだ。そのため、カスタムメイドモデルだけでもいいので、16:10の14.1型液晶を選択できるようにしてもらいたかった。

1,366×768ドット表示対応の13.3型スーパーファイン液晶を搭載。LEDバックライト採用で輝度が高く、発色にも優れるMG/G75では、表面に低反射処理が施されているため、光沢液晶ではあるが映り込みは抑えられているアスペクト比が16:9となったことで、縦の解像度が少なくなり、液晶下部に大きくスペースが空いている。ただ、サイズ的にはアスペクト比16:10の14.1型液晶も十分搭載できるはずだ

●USB 3.0ポートを標準搭載

 MG/G75では、側面に用意されているポート類にもかなり手が加えられている。その中でも非常に大きな特徴となるのが、1ポートながらUSB 3.0ポートが標準で用意されているという点だ。

 USBポートは、右側面に2ポート、左側面に1ポートの計3ポート用意されているが、そのうち左側面に用意されている1ポートがUSB 3.0対応となっている。USB 3.0対応ノートPCは、すでにいくつかのメーカーからも発表されてはいるが、富士通のノートPCとして初のUSB 3.0対応モデルとなる。今回、実際にUSB 3.0対応機器を接続したチェックは行なえなかったものの、今後外付けHDDなどを中心にUSB 3.0対応機器が多数登場してくるはずで、標準で非常に高速なUSB 3.0機器の速度を最大限引き出せるという点は大きな魅力だ。ちなみに、デバイスマネージャを確認したところ、USB 3.0コントローラはNECエレクトロニクス製のものが採用されている。

 また、右側面に2ポート用意されているUBS 2.0ポートは、一方が本体の電源が落ちている状態でも電力を供給し、ポータブルプレーヤーや携帯電話などの充電が行なえる「電源オフUSB充電」機能に対応している。この機能は、付属のユーティリティを利用して、電源オフ時の電力供給を行なうかどうか、細かく設定可能だ。

 拡張ポートとしては、右側面にExpressCard/54スロットも新たに用意されている。ダミーカードで保護する仕様は使い勝手の面で少々気になるが、より幅の広い機能拡張ができるようになった点は素直に歓迎できる。ただし、PCカードスロットは無くなっている。

 映像出力として、アナログRGB(ミニD-Sub15ピン)に加えてHDMI出力が標準で用意されている点も大きな進化だろう。ビジネス用途でも、HDMI出力を利用して大画面液晶ディスプレイなどに映像を出力することが多くなっており、これも素直に歓迎できるポイントだ。

 ところで、左側面には空冷ファンの排気口があるが、高負荷時のファンの音はやや気になった。ただ、重いアプリケーションを利用していない状態では、ファンの回転数は低下し、騒音がほぼ気にならないレベルとなる。

左側面に用意されているUSBポートは、標準でUSB 3.0対応。USB 3.0対応外付けHDDなども、最大限のスピードで活用できる。また、HDMI出力も標準で搭載されているNECエレクトロニクス製のUSB 3.0コントローラが搭載されている左側面には、USB 3.0ポートとHDMI出力の他に、電源コネクタ、Gigabit Ethernet、無線機能のON/OFFスイッチが用意されている
右側面の2つあるUSB 2.0ポートのうち下段のポートは、本体の電源が落ちている状態でも電源供給が可能な「電源オフUSB充電機能」に対応電源OFF時のUSBポートへの電源供給は、専用のユーティリティで細かく設定可能従来モデルまでのPCカードスロットに替わり、ExpressCard/54スロットが標準搭載となった
ExpressCard/54スロットは、ダミーカードで保護するタイプとなっている右側面には、ExpressCard/54スロットとUSB 2.0×2に加え、光学式ドライブが搭載されている本体正面には、SDカードスロットとヘッドフォン・マイク端子が用意されている

●カスタムメイドモデルではCore i7も選択可能

 基本スペックは、インテルの新CPU「Core iシリーズ」搭載ノートPCとして標準的なものとなっている。CPUは、Core i5-430M(2.26GHz)を採用。メインメモリは、PC3-8500 DDR3 SDRAMを標準で4GB搭載し、最大8GBまで搭載可能。メインメモリには2GBのSO-DIMMが2枚利用され、標準でデュアルチャネル動作となっている。チップセットは、Intel HM55 Expressを採用、グラフィック機能はCPU内蔵機能「Intel HD Graphics」が利用される。カスタムメイドモデルでは、Core i7-620M(2.66GHz)も選択可能だ。従来モデルでは、カスタムメイドモデルで外部GPUとしてS3 Graphicsの「Chrome 430 ULP」が搭載できたが、MG/G75では外部GPUのオプションは用意されていない。

 HDDは、容量500GBの2.5インチSATA HDDを搭載。また、光学式ドライブとしては、DVDスーパーマルチドライブが本体右側面に標準搭載となる。この光学式ドライブは着脱式となっており、オプションの増設用バッテリユニットを取り付けたり、カバーを取り付けて軽量化を実現することが可能となっている。

 無線機能は、IEEE 802.11b/g/n対応の無線LANを標準搭載。WiMAXやBluetoothは搭載されない。ただし、カスタムメイドモデルではBluetoothを選択して搭載できる。

 OSは、標準で32bit版のWindows 7 Home Premiumがインストールされているが、Windows 7 Home Premium 64bit版のリカバリディスクが標準添付されており、64bit版を導入して利用することも可能だ。

メインメモリは、標準で4GB搭載。底面には2本のSO-DIMMスロットが用意され、2GBモジュールが2枚取り付けられているHDD容量は標準で500GB。SATA仕様の2.5インチドライブが採用されている
右側面搭載の光学式ドライブは、DVDスーパーマルチドライブを採用している光学式ドライブは着脱式で、オプションの増設バッテリを取り付けたり、ダミーカバーを取り付けて軽量化することが可能

●スクロール操作専用の円形パッドを搭載

 キーボードは、キーピッチ約19mm、ストローク約2.7mmのフルサイズキーボードを搭載。キーピッチや配列などは従来モデルとほぼ同じで、扱いやすさは申し分ない。ちなみに、キーボード全体の横幅は従来モデルのものからやや広くなっており、EnterキーやTabキーなど、各列両端のキーサイズがやや大きくなっているが、使い勝手は従来モデルのものと同じと考えていい。

 ポインティングデバイスは、パッド式のフラットポイントを搭載。使い勝手は従来モデルとほぼ同じで、軽快なカーソル操作が可能。また、左右クリックボタンの間に指紋認証ユニットが搭載されている点も従来同様だ。

 ところで、フラットパッド右横に、円形のパッドが新たに用意されている。これは、「スクロールパッド」といい、スクロール操作専用に用意されたものだ。円形のパッドの縁を指で円を描くようにクルクルとなぞることで、上下のスクロール操作が行なえる。メインのフラットパッドにもスクロール機能が用意されているが、スクロールパッドを利用した方が軽快なスクロール操作が行なえるため、こちらをメインで利用したいと感じた。ちなみに、スクロールパッドではカーソル操作は一切行なえないようになっているため、カーソルの誤動作などの心配は無用だ。

キーボードは、横幅が若干広くなっているが、配列やキーピッチなどは従来モデルのものと全く同じで、十分扱いやすいキーピッチは約19mm。ストロークも約2.7mmと深く、快適なタイピングが行なえる
ポインティングデバイスのフラットポイントも、扱いやすさは従来通り。クリックボタン中央には、標準で指紋認証ユニットが搭載されるフラットポイント右上の円形のパッドは、スクロール専用のスクロールパッドだ。指で円形になぞることで、軽快なスクロール操作が行なえる

●使い勝手優先のモバイルノートを探している人におすすめ

 では、ベンチマークテストの結果をチェックしていこう。利用したベンチマークソフトは、Futuremarkの「PCMark Vantage Build 1.0.1 0906a」と「PCMark05 Build 1.2.0」、「3DMark06 (Build 1.1.0 0906a)」、スクウェア・エニックスの「FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3」の4種類。比較用として、同じ13.3型のソニーのCULVノート「VAIO Y」シリーズの結果も加えてある。

 結果を見ると、さすがにCULVノートとはレベルの違うパフォーマンスが発揮されていることがよくわかる。もちろん、搭載されているCPUなどスペックに大きな違いがあるので当然ではあるが、快適度はCULVノートを大きく凌駕していると考えていい。これなら、多少重い作業でも快適にこなせるはずだ。

 BIBLO MG/G75VAIO Y VPCY119FJ/S
CPUCore i5-430M(2.26/2.53GHz)Core 2 Duo SU9400(1.40GHz)
チップセットIntel HM55 ExpressIntel GS45 Express
ビデオチップIntel HD Graphics(CPU内蔵)GMA 4500MHD
メモリPC3-8500 DDR3 SDRAM 4GBPC3-6400 DDR2 SDRAM 4GB
OSWindows 7 Home PremiumWindows 7 Home Premium 64bit
PCMark Vantage Build 1.0.1 0906a
PCMark Suite48013027
Memories Suite30261988
TV and Movies Suite34442201
Gaming Suite30181780
Music Suite56023570
Communications Suite39353096
Productivity Suite36722316
HDD Test Suite31923573
PCMark05 Build 1.2.0
PCMark Score5758N/A
CPU Score65883645
Memory Score56553590
Graphics Score28041687
HDD Score53955157
3DMark06 Build 1.1.0 0906a
3DMark Score1934910
SM2.0 Score591289
HDR/SM3.0 Score787358
CPU Score25471281
FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3
Low36992554
High23951739
Windowsエクスペリエンスインデックス
プロセッサ6.34.4
メモリ5.54.9
グラフィックス4.64.1
ゲーム用グラフィックス5.23.5
プライマリハードディスク5.85.5

 次に、バッテリ駆動時間のチェックだ。まず、Windows 7の省電力設定を「高パフォーマンス」に設定するとともに、液晶輝度を最大に設定し、無線LANを動作させた状態で、動画ファイル(WMV9、ビットレート1,156kbps、640×480ドット)を連続再生させてみたところ、約2時間42分という結果だった。また、Windows 7の省電力設定を「省電力」に設定するとともに、バックライト輝度を40%に設定し、無線LANを有効にした状態で、BBenchを利用してキー入力とWeb巡回にチェックを入れて計測した場合では、約4時間01分であった。バッテリ駆動時間は、特に長いということはなく、モバイルノートとしてぎりぎり我慢できるレベルだ。そのため、持ち歩いて利用する場合には、ACアダプタも帯同したいところだが、付属のACアダプタはかなり大きく、重量も実測値で397gと重い点が残念だ。

バッテリ駆動時間
省電力設定「省電力」、BBench利用時約4時間01分
省電力設定「高パフォーマンス」、動画再生時約2時間42分

容量5,800mAhのリチウムイオンバッテリが標準搭載される付属のACアダプタはかなり大きく、持ち運びにはかなりかさばるACアダプタは電源ケーブル込みで397g(実測値)とかなり重い

 BIBLO MG/G75は、スペック面の進化により、パワフルなモバイルノートとしての魅力が従来モデルよりも向上している反面、16:9液晶の搭載による縦解像度が減った点や、モバイルノートとしてはやや短めのバッテリ駆動時間といった点が少々残念なところだ。とはいえ、このスペックで1.6kg台の軽量さを実現している点は間違いなく魅力がある。価格面も、既にネットショップでは実売で15万円を切っているところが多くなっており、このクラスのモバイルノートとしてはかなり安価だ。また、Web直販専用のカスタムメイドモデルでは、最小構成時117,800円からとさらに安価に購入できる。長時間のバッテリ駆動時間が不要で、スペック面と使い勝手を重視したモバイルノートを探している人であれば、購入対象として検討すべき製品であることは間違いなく、十分満足できるはずだ。

バックナンバー

(2010年 2月 4日)

[Text by 平澤 寿康]