■大河原克行の「パソコン業界、東奔西走」■
Bento 3 |
ファイルメーカーは、Mac用パーソナルデータベース「Bento 3」を、9月30日から出荷を開始した。
同社では、「8つの新たな機能を搭載。中でもiPhotoとの連携により、写真の活用に関する機能を強化したのが特徴といえる。ビジュアル面での進化を体感してもらえるソフトになっている」と位置づける。
Bentoシリーズは、Mac対応のパーソナル利用に特化したデータベースとして、2008年3月に第1号製品が登場。同年11月にはBento 2を発売し、今回のバージョンアップは約1年ぶりのものとなる。
Bento 3の起動画面 | iPhotoとの連携により、数多くの情報を写真に付与できる |
8月4日からは、約200種類のテンプレートをダウンロードできるBentoテンプレートエクスチェンジを日本でも開始。約6万のダウンロードを達成しているほか、5月5日からはBento for iPhone and iPod touchのダウンロードを開始。BentoとiPhoneおよびiPod touchとのシンクを実現するなど、利用環境を広げてきた。
Bento 3では、iTunesスタイルの新しい表示方法を採用。写真、連絡先、カレンダー、ファイルなどの情報を見やすく改良した。
また、Microsoft Excel や iWork Numbersで管理していたリストも、コピー&ペーストや、インポート機能を使って、容易にBentoに取り込めるという。
Bento 3からAppleが提供するiPhotoとの連携を実現。新たに加わったグリッド形式での表示により、写真やテキスト、数字の情報をサムネール画像で表示することができるようになったほか、表形式、フォーム形式、分割形式でも写真を見ることができるようになり、「写真にも数々の情報が追加でき、その点ではiPhotoの使い勝手をさらに進化させることができたといえる。連絡先やプロジェクト情報、イベント情報といったBentoが持つデータとのリンクも可能としており、写真の管理や共有化がしやすくなった」としている。
休暇で撮った写真に、撮影者の名前や、写っている植物や動物の名前、撮影場所への行き方など、詳しいメモを追加できるようになった。また、ファイルリストもテキストだけでなくサムネール画像を表示できるよう機能を拡張した。
一方、データベースを最大5人のユーザーと共有できることから、データベースおよびライブラリの共有利用環境での相互アップデートが可能となり、「家庭や仕事でのコラボレーション作業が、容易に行なえるようになった」という。
Bento 3ユーザー同士であれば、AppleのBonjour機能を使うことで、LAN経由でのデータ共有が可能となる。情報に関しては、フィールド単位での暗号化や、テータベース全体やフィールド単位での共有パスワードの設定により、共有ユーザーを特定することもできる。
「パーソナルデータベースとして一歩進んだセキュリティを実現できた」という。
セキュリティ機能も強化しており、暗号化やパスワード設定もできる |
●テンプレでプライベートにもビジネスにも活用
さらに、「ワインリスト」、「仕事の検索」、「物件の検索」、「私の休暇」といった10種類の新たなテンプレートが追加され、全部で35種類のテンプレートが標準搭載された。
「新たなテンプレートである『仕事の検索』では、就職活動などの際に訪問した企業の情報、面接の状況などを、テンプレートにあわせて簡単に管理することができる。また、建設関係の仕事では現場で撮影した写真を、iPhotoとリンクさせ、管理することもできる。テンプレートの開発は米国本社で行なわれているため、パーティープランナーなど、米国の市場性にあわせたものもあるが、日本のユーザーにも安心して利用してもらえるものが数多く用意されている。例えば、テンプレートを利用することで、アプリケーションやサイトごとに異なるユーザー名とパスワードの整理なども行なえる」としている。
同社では、テンプレートの活用により、連絡先情報やクラブ、メーリングリストの整理整頓、イベントやパーティおよび結婚式の計画、講義ノートの管理、ワインや映画、コイン収集のコレクション管理、在庫管理、資産管理、備品管理、ダイエットやエクササイズの記録、買い物リストの管理などにも利用できるとしている。
テンプレートには、個人の情報管理だけでなく、業務に関する情報管理が可能なものが増えており、「不動産業、サーフショップ、建設業界などでの利用実績が出ている」という。
35種類のテンプレートが用意されている | 新たに追加された「仕事の検索」のテンプレートを利用して写真を管理 |
サーフショップでのユーザー管理の様子 |
価格は5,040円。5ライセンスのファミリーパックは10,290円となっている。
また、2009年8月31日から2009年10月15日までの期間中にBento 2を購入したユーザーを対象に、Bento 3が無料でダウンロードできるニューリリース・スペシャルオファーを提供。Bento 1/2ユーザーに対しては、2010年1月29日までの期間限定で、2,000円分のQUOカードをプレゼントするアップグレードリベートオファーを用意した。
このほか、Bento 3を30日間試用できる無料評価版を提供する。Bento 3の動作には、Mac OS X 10.5.7以降を搭載したIntel、PowerPC G5、またはPowerPC G4 (867MHz以上)のプロセッサが必要となる。
一方、Bento for iPhone and iPod touchへの機能強化も発表。既存ユーザーに対して無料アップデートを提供する。新バージョンでは、バグフィックスのほか、暗号化フィールド、簡易リストフィールド、スマートコレクションといった機能をサポートしている。