AliExpressの迷い方
3,000円未満のIRカメラWindows Helloの顔認証を使う
2022年1月14日 06:35
冬になると手荒れが気になる季節になった。不運なことに水仕事の連続で筆者の指はボロボロ。そして認識しなくなる指紋認証。
毎回指紋認証失敗からのPIN入力が辛くなってきたため、自宅のデスクトップPCでも顔認証を導入することにした。
顔認証については2015年に登場したWindows 10からWindows Helloが搭載されることにより、OSレベルでサポートされるようになった。
このWindows Hello(顔認証)は通常のWebカメラでは動作しない。Webカメラに加えて近距離赤外線(IR)が搭載されたWindows Helloと互換性のあるハードウェアが必須となる。
例えばCyberLinkのYouCamといったサードパーティ製ソフトウェアを使えば通常のWebカメラでもユーザー体験レベルでは同様の機能を持たせることは可能になる。しかし現状更新されておらずWindows 11で動くかわからない点とあまり無駄にソフトをインストールしたくないという気持ちから、今回はWindows Hello(顔認証)に対応したハードウェアを揃えるところから始めることにした。
意外と少ないWindows Hello(顔認証)対応製品
Windows Hello(顔認証)に対応した製品は、多くのノートPCに搭載されている割にはアフターマーケット向けのラインナップの少なさが目立つ。
直近の製品も2021年に発売されたエレコム製の「UCAM-CF20FBBK」くらいで、国内のリテールマーケットで買える製品は片手で数えられる程度。
そこで目を向けた先がAliExpressだ。いつもはちょっと安く物を買う場所だが、今回は他の選択肢を探す目的だ。
選べる筐体
AliExpressで購入できるWindows Hello(顔認証)対応製品は主に以下の2種類の仕様に分類される。
・基板を保護する板で挟んだタイプ(横からは丸見え)
・筐体に収まる製品のようなタイプ
もちろん板で挟んだだけのタイプの方が安いのは言うまでもない。
見る限りではどちらも同様の基板を使っているようで、その差額はおおよそ500円以下となる。せっかくなので今回は筐体に収まる製品のようなタイプを選択した。
価格としてはそれでも国内で販売されている製品と比べておおよそ半額なので万が一失敗してもまた買い直せば良いと思うことにした。
購入してから数週間経過したのち、着弾。製品というよりはモックアップのような品質に近い。
特にサイズは気にしていなかったが、本体部分は横10cm、縦1.5cm程度でコンパクトだ。
スタンドはあるが立てようとすると向きが90度ずれている上に、回転する軸が1つしかないため自立させることは難しい。ディスプレイの裏などへ予め貼り付けられている3M VHBテープで固定しろということだろう。
接続端子についてはUSB Type-Cが採用されており、日常生活からMicro USBをなくしたいと1週間に1回ぐらいは思っている筆者には都合が良い仕様だ。
そのまま取り付けてもWindows Hello(顔認証)は使えない
実際にPCへ取り付けてみよう。今回はWindows 11(21H2)環境を使用した。
UVC(USB Video Class)に対応しているようで、Webカメラとしては利用できる。しかしそのままではWindows Hello(顔認証)は使えない。
デバイスマネージャーではhp製のPCに組み込む予定だったように見えるカメラのハードウェアが確認できた。
この状態ではただの画質の悪いWebカメラが増えただけなので、ドライバーを更新する必要がある。
Windows Hello(顔認証)では、ほとんどの場合Realtek製のISP(Image Signal Processor)が採用されている。そのため、Realtek製のドライバーをMicrosoft Update カタログからダウンロードする。
今回は「Realtek Camera」で検索した結果から最終更新日時の最も新しいRealtek製ドライバーをダウンロードした。中のデータを見る限りでは、Windows Helloに対応したPCメーカーやモジュールメーカー各社に割り当てられたドライバーがまとまっており、とりあえずこれがあれば基板の本来の仕向け先がどこでも対応できるだろう。
デバイスマネージャーから先ほど解凍したドライバーフォルダーを指定することでインストールをし、手動で再起動する。
これでWindows Hello(顔認証)が利用できるようになった。
Windows 11でセットアップすることでロック解除など、様々な場面で使えるようになる。