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パナソニック、月額定額制でレッツノートや機器管理などが利用できるサービス
2019年7月11日 12:33
パナソニック システムソリューションズ ジャパンは、レッツノートなどを活用した働き方改革や煩雑な管理業務を、月額定額制のサブスクリプションモデルで支援するPCオフィスワークトータルサービス「スリムワークサポート」の提供を、2019年10月から開始する。
2019年7月10日に、東京・渋谷のベルサール渋谷ガーデンで同社が開催した「SOLUTION Japan 2019」でその内容を公開しており、来場者の声などを反映して、今後、サービス内容を強化したり、最終的な料金設定を決定する。
パナソニック システムソリューションズ ジャパン サービステングレーション本部ICTサービス部の小倉利章部長は、「サービスを含めて月額1万円以下でレッツノートを提供することを想定している。2,000人規模の企業を対象に提案をしていく予定。情報システム部門が手薄で、管理、運用などに課題を持った企業などを支援したい」としている。
スリムワークサポートは、パナソニックがPC向けに個別提供してきた各種サービスを一元的に体系化。働き方支援の各種アプリケーションと、PCのトータルライフサイクルマネジメント、PC本体や基本ソフトを組み合わせて提供し、「柔軟な働き方」と「生産性の向上」の実現をサポートするという。
パナソニックが自ら導入し、さまざまな改善を繰り返してきた「働き方改革支援アプリケーション」や、パナソニックグループ内で10万台を超えるPCを管理した実績をもつ「PCライフサイクルマネジメント」サービスを提供。さらにPC本体は、レッツノート CF-SVおよびCF-LVシリーズや、タフブックシリーズのほか、日本HPやデル、レノボなどの他社製デスクトップPCにも提供を広げる。将来的には、PC以外のWindowsを搭載した各種業務用端末にも対象を拡大するという。
また、全国70拠点のサービス網による保守サポート体制も活用する。サブスクリプションモデルの提供においては、パナソニックファイナンスソリューションズとの連携も図る。
パナソニックでは、2004年から国内に勤務する社員が利用するPCを対象に情報システム部門が管理を開始。2008年以降、10数万台規模のPCの管理を行なってきた経緯がある。小倉部長は、「パナソニック システムソリューションズ ジャパンの情報システム部門も、この作業には深く関与し、PCの管理、運用におけるノウハウや知見を蓄積してきた。2014年からは、モバイルワークに対応するための各種アプリを開発。これを社内で利用してきた。『まるで社内/CACHATTO』などのアプリは、こうした社内での利用実績をもとに進化を遂げてきたもので、スリムワークサポートで提供する重要なサービスの1つになる」とする。
スリムワークサポートでは、働き方支援アプリケーションサービスメニューとして、さまざまな端末から、安全にアクセスできるテレワークインフラサービス「まるで社内/CACHATTO」、長時間労働を抑止する勤務管理支援サービス「Chronowis(クロノウィズ)」、PCの使用状況を可視化し、時間の使い方を効率化する働き方改革支援サービス「しごとコンパス」、しごとコンパスのオプションで、PCに搭載したカメラで心と体の元気度を推定する「きもちスキャン」といったサービスを用意。
また、PCライフサイクルマネージメントサービスメニューとして、レッツノートのバッテリ劣化を検知し、新品交換するバッテリ見守りや、データの遠隔消去を行なう「あんどコネクト」、さまざまなPCのライフサイクル管理を代行する情報システム部門向けBPOサービス「PCライフサイクル管理サービス」のほか、日本マイクロソフトのOffice 365やMicrosoft 365などを提供する。
なかでも、PCライフサイクル管理サービスでは、全国70カ所の拠点を活用して、PCの設置や入れ替え、PCの廃棄やデータ消去までを行なうものになっており、「データ消去は、直接エンジニアが現地に出向き、オンサイトで作業を行なうため、廃棄するさいに外部にデータが漏れることがない」(パナソニック システムソリューションズ ジャパン 経営革新部 ICT総括の藤井宏之氏)という。
これらのサービスの一部は、すでに個別に製品として提供しており、パナソニックの神戸工場で実施しているレッツノートのキッティングサービスとして提供してきた経緯があるが、今回、スリムワークサポートとして体系化するとともに、サブスクリプションモデルを用意することで、より導入の促進を図る。
藤井氏は、「情報システム部門では、Windows 10への切り替えとともに、WaaSへの対応が発生し、さまざまな作業が発生、業務が煩雑化しているのが現状だ。手が足りなくなっている情報システム部門を支援することができるサービスとして提供したい」と語る。
さらに、これらのサービスやPCを組み合わせたパック製品も用意する考えだ。
具体的には、モバイル利用が多い企業に対しては、バッテリ寿命の管理やセキュリティを重視した「モバイルパック」、在宅勤務や外出先での勤務などを想定し、勤退管理を行なう「テレワークパック」、情報システム部門の業務をアウトソーシングする「PCLMパック」(いずれも仮称)を用意し、用途に応じたサービスパックを提案するという。
「パック製品を用意することによって、顧客への提案がしやすくなる一方、パック価格により低価格での提供も可能になる。これらのパック製品は、いずれもレッツノートを含めて、月額1万円以下で提供する予定だ」(小倉部長)という。
また、各種サービスは、Windows PCに加えて、今後は、Macへの対応を検討するほか、MDMサービスを活用して、AndroidやiOSを搭載したスマートフォンやタブレットも管理もできるようにする。
「パナソニックグループでも、技術部門を中心に、パナソニックが製品化していないデスクトップPCについては他社製を活用しており、レッツノートの社内利用比率は約6割となっている。こうした管理、運用ノウハウも活かすことができる」(小倉部長)という。
さらに、MVNOのサービスを組み合わせたLTE対応や、PCへのアクセスログ管理を追加したサービスの追加なども検討していくという。
パナソニック システムソリューションズ ジャパンでは、2019年10月にも、スリムワークサポートの正式なメニューと、料金体系を発表する予定だ。
なお、スリムワークサポートの名称は、情報システム部門の業務をスリム化したり、現場の社員の働き方改革による仕事のスリム化を支援するサービスであるという意味を込めた。
スリムワークサポートを初めて一般公開した「SOLUTION Japan 2019」は、パナソニック システムソリューションズ ジャパンが、7月3日、4日の広島での開催を皮切りに、全国9カ所で開催しているイベントだ。
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