鈴木直美の「PC Watch先週のキーワード」
第184回:9月25日~9月28日


■■キーワードが含まれる記事名
●キーワード


9月26日

■■ SiS、SoC Conferenceを開催
   ~P4用DDR333対応チップセット「SiS650」などを公開
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20010926/sis.htm

●SoC(System on [a] Chip)
  エスオーシー、システムオンチップ

 システムを構成するさまざまな機能を、1つに集積したチップ。

 オーソドックスな回路設計は、プロセッサやコントローラ、メモリなどのチップを組み合わせ、基板上にロジックを組む。SoCは、このような設計をチップ上で実現するもので、さまざまな機能を1チップに集積。システムLSIともよばれている。製造コストの削減や実装密度向上が期待できるため、量産品の多くがこのようなチップを使用。特に近年は、チップや基板を組み合わせていた従来の手法をそのまま採り入れ、部品化された機能モジュール(IP[Intellectual Property] ※1)をチップ上で組み合わせ、短期間で信頼性の高い安価なチップを製造する技術が進んでいる。

※1 本来は知的財産という意味だが、半導体業界では再利用可能な機能モジュールのことを指す。


■■ WebTV、日本でのサービスを2002年3月に終了(INTERNET Watch)
http://www.watch.impress.co.jp/internet/www/article/2001/0926/webtv.htm

●WebTV
  ウェブティービー

 WebTV Networksが'96年にリリースした、テレビを使ったインターネット接続サービス、およびそのためのシステム。

 WebTV Networksは、AppleのエンジニアだったSteve Perlman、Bruce Leak、Phil Goldmanの3人が、'95年6月にArtemis Researchとして設立。'97年8月にはMicrosoftに買収され、現在はMicrosoft WebTV Networksとなっている。

 同社が開発したWebTVは、セットトップボックススタイルの端末にテレビと電話回線をつないて利用する専用サービスで、家庭から簡単にインターネットに接続できるサービスとして注目された。'97年には、日本法人ウェブ・ティービー・ネットワークス株式会社を設立し、12月から国内向けのサービスを開始した。専用端末は、ソニーや松下電気産業から発売されたほか、'99年4月からは、セガの家庭用ゲーム機Dreamcast(2001年に製造中止)用の接続ソフトを提供。提携先や会員拡充を図るも業績は伸びず、2002年3月でサービスを終了し会社を清算することになる。

【参考】
□Microsoft WebTV Networks
http://www.webtv.com/
□ウェブ・ティービー・ネットワークス
http://www.webtv.co.jp/


■■ Mac OS X v10.1製品説明会
   ~店頭配布のインスタントアップグレードは数量限定早めにゲットの必要あり
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20010926/apple2.htm

●JIS X 0213:2000
 ジスエックスにーいちさん

 2000年1月に制定された、7bitおよび8bitの2バイト文字セット。

 PC上や通信などで文字を使うためには、使用する文字の一覧(文字集合)と、そのなかから特定の文字を呼び出す手順(符号化方式)を規定しなければいけない。これらをひっくるめて、一般には「文字コード」と呼んでいるが、「X0213」は、JIS(Japan Industrial Standard~日本工業規格)が規定する、この文字コードの1つである。

 文字コードを規定したJIS規格には、英数字やカナなどの1バイト文字を規定した「X0201」。符号化方式の構造や拡張法を規定した「X202」。現在一般に使われている第1水準や第2水準の漢字などの、2バイト文字6,897字が収録された「X0208」。一般にはあまり使われていないが、X0208を補うための補助漢字6,067字を収録した「X0212」。いわゆるUnicodeと呼んでいる国際規格「ISO/IEC 10646-1」をJISに取り込んだ「X0221」があった。

 X0213は、これら一連の規格に続く新しい規格で、内容的には「X0208」に4,344字を追加し、11,223字になったスーパーセットである。

 JISの2バイト文字セットは、94×94文字の一覧になっており、第1バイトの行を「区」、第2バイトの列を「点」という。この一覧表1ページ分では、最大8,836文字しか収録することができないが、X0213ではこれを2ページ用意。このページのことを「面」といい、これら「面-区-点」で、特定の文字を示している。1面には、X208の文字セットがそのまま収録されており、この部分を使う限りは従来の文字セットと互換性がある。X0213では、1面の空いていた部分に第3水準を、2面に第4水準の漢字を追加。一般的な出版物で使われる文字や人名、地名などに使われている文字のほとんどが網羅されているという。また、Windows上などでは使えたがX0208には無かった、丸付き数字やローマ数字なども正式に収録。そのほか、日常的な記号(例えばハートマークとか)も追加されている。

 インターネットメールで使われている2バイト文字、いわゆるJISコードは、符号化方式も含めてX0208に準拠したものだが、パソコン系のOSで使われているシフトJISや、Unix系のOSで使われているEUC(Extended Unix Code)の場合には、それぞれ独自の符号化方式を使用している(※1)。X0213では、新たにこれら各種符号化方式に対応するための実装方法も、参考例として示されている。

 なお、WindowsやMacintoshでは、OSは内部的にUnicodeを使用し、アプリケーションはシフトJISベースというケースが多い。Unicodeの場合には、文字セットそのものが異なるため、既に収録されている文字に関しては、JIS-Unicode、あるいはSJIS-Unicode間のマッピングが、未収録分に関しては新たにUnicodeに収録する必要がある。

※1 基本的には同じ文字の一覧表を参照するのだが、その参照方法が異なる。これに加えて、一覧表の未定義部分にメーカーが独自の文字を定義したりといったことが行なわれていたため、いわゆる文字化けが、符号化方法の違いと文字セットの両面で生じてしまう。

□財団法人日本規格協会(JSA~Japanese Standards Association)
http://www.jsa.or.jp/
【参考】
□Unicode
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/971007/key1.htm#unicode
□シフトJIS
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/981021/key51.htm#SJIS


9月28日

■■ 一カ谷兼乃のデジタルde GO! GO!
   NTT「Bフレッツ」導入記 ~最大100Mbps「ベーシックタイプ」の実力は?
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20010928/dgogo29.htm

●フレッツ・ISDN、フレッツ・ADSL、Bフレッツ
  ふれっつアイエスディーエヌ、ふれっつエーディーエスエル、ビーふれっつ

 NTT東西が提供する、地域IP網を利用した定額制の接続サービス。

 地域IP網は、NTT東西が県単位で運営する(※1)、IPプロトコルを使った相互接続用のネットワークである。「フレッツ」は、この地域IP網を利用するサービスの総称で、使用するアクセス回線が異なる、3つのサービスが用意されている。

 「フレッツ・ISDN」は、ISDN回線を使ってダイヤルアップするタイプで、通常のTAやダイヤルアップルータなどをそのまま使い、一般的なPPP(Point-to-Point Protocol)で接続する。加入者~地域IP網間は上下64kbpsで、ISDNの2回線を併用した128kbpsには対応していない。

 「フレッツ・ADSL」は、アナログ用の電話回線に重畳可能な(1つの回線で電話と共用できる)ADSLモデムを使うタイプで、ADSLモデムには、G.992.2(G.lite) Annex C準拠の製品を使用。加入者~地域IP網間は、上り512kbps、下り1.5Mbpsのベストエフォート(※2)で、PPPoE(Point to Point Protocol over Ethernet)で接続する。

 「Bフレッツ」は、専用の光ファイバ回線を使用するタイプで、接続にはPPPoEを使用する。このBフレッツは、さらに光ファイバの使い方が異なる3つのサービスが用意されている。ベーシックタイプは、加入者~地域IP網間に上下100Mbpsの光ファイバを占有するタイプ。これを、集合住宅内で共有するのがマンションタイプ。1本の光ファイバを多重化し複数の加入者で共有する、上下最大10Mbpsのサービスがファミリータイプである。

 いずれも、NTT東西が提供するのは、地域IP網までの接続サービスであり、インターネットを利用する場合には、そこから同じ地域IP網に乗り入れている任意のISP(Internet Service Provider)に接続し、そのISPのサービスを利用してインターネットにアクセスすることになる。

 NTT東西では、これらアクセス回線と地域IP網を使った「フレッツ・オフィス」というサービスも提供している。こちらは、プライベートネットワークを構築するための企業向けのサービスで、ISPに接続する代わりに、地域IP網に接続されたオフィスやNTT内に設置したオフィスのサーバに接続するサービスである。

※1 '99年7月の再編成に伴ない、NTTは、東西の地域通信会社と長距離・国際通信会社に3分割され、NTT東西は、各都道府県内(一部行政上の区域とは異なる)の通信のみを提供することになった。このため、直接接続できるネットワークは、各都道府県内に限定される。

※2 地域IP網自体が共有回線であるため、フレッツサービスは、最終的には全てベストエフォート型である。さらに、ADSLの場合には回線のコンディションによって帯域が変動。Bフレッツのマンションタイプとファミリータイプは、アクセス回線そのものを複数のユーザーで共有するため、アクセス回線自体がベストエフォート型になるという違いがある。

【参考】
□ADSLモデム
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20010719/key174.htm#ADSL
□Annex C
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20010823/key178.htm#ANNEXC
□PPP
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990318/key69.htm#PPP
□PPPoE
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20010201/key151.htm#PPPoE

[Text by 鈴木直美]


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