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■■スーパーオーディオCDのフォーマットが確定、製品化はこの夏
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990308/sacd.htm
●サンプリング周波数(sampling rate)
●ダイナミックレンジ(dynamic range)
音などのアナログ信号をデジタル情報として扱えるようにする際には、一定の間隔で信号を測定しそれをデジタル値に変換する方法がとられる。これをサンプリング(sampling~標本化)という。サンプリングの特性は、速度と精度という2つの要素で決まり、前者のパラメータをサンプリング周波数(サンプリングレート、標本化周波数)、後者を量子化ビット数(quantize bit, sample size, bit depth)という。
サンプリング周波数はその名の通り、サンプリングを行なう周期を周波数で表わしたもので、サンプリング周波数の1/2の周波数まで再現できるといわれている。すなわち、20kHzまで再現するためには、2倍の40kHz以上でサンプリングしなければいけない。
量子化ビット数は、測定値をデジタル値に変換する際に使うビット数で、もっとも一般的なPCMの場合には、レベルをそのままリニアなデジタル値にする。例えば16bitの場合には、0~65,535までの65,536段階の音圧レベルを表すことができることになる。すなわちこのパラメータは、そのまま、扱うことのできる最小音から最大音を示すことになる。
ダイナミックレンジは、扱える最小音と最大音の関係を比率(私達の感覚にマッチするように対数比の形をとる)で表わしたもので、音の場合には、次のように算出しdB(デシベル)という単位で表す。
dB = 20×log (最大音 / 最小音)
ちなみに量子化ビット数が、そのまま扱える値に対応するPCMの場合には、ビット数に2倍の音圧比にあたる6dB(実際は6.020599…)をかければ簡単にダイナミックレンジを算出することができる。
●AIFF形式(Audio Interchange File Format)
エーアイエフエフ
Apple Computerが開発した、オーディオデータを格納するためのファイルフォーマット。
同社のMacintoshをはじめ、SGI(Silicon Graphics, Inc.)も標準採用しているデータ形式で、Amigaに使われているIFF(Interchange File Format)と同じファイル構造を使い、デジタイズされたサンプリングデータと、それを扱うために必要な各種情報(サンプリングレートや量子化ビット数、チャンネル数など)を格納している。
ファイル構造自体は、WindowsのWAVEファイルやAVIファイルの格納に使われているRIFF(Resource Interchange File Format)などと基本的には同じで、データにその内容を示す4バイトのIDとサイズ情報を付けてカプセル化することによって、様々な情報の格納できる仕様になっている(AIFFはオーディオ専用だが、IFFには同じ形式のグラフィックスファイルなどもある)。
通常のAIFFファイルは、オーディオデータとして8bitや16bitのモノラルやステレオのPCMデータがそのまま格納されているが、圧縮されたサウンドデータを扱うタイプもあり、こちらは特にAIFF-C(Audio Interchange File Format Extension for Compression)あるいはAIFCと呼んでいる。
■■シャープ、38,000円のインターネット機能付きPDA「ザウルス アイゲッティ」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990310/sharp.htm
●PPP(Point-to-Point Protocol)
ピーピーピー、ポイントツーポイントプロトコル
インターネットのダイヤルアップIP接続やLANのリモートアクセスなどに使われている、2点間を接続してデータ通信を行なうためのベースとなるプロトコル。
データ通信を行なうためには、最低限ケーブルや電話回線、無線などのなんらかの手段を使って通信経路を確保し、その上でデータの受け渡しを行なえるようにしなければならない。PPPは、主にこの通信の基礎ともいえるデータ転送を担うプロトコル。LANに使用しているEthernetが行なっているような基本的なデータ転送機能を、2点間接続用の様々なシリアル通信に適用できるように作られた、汎用的なデータリンクプロトコルである。実質的なデータ転送には、ISOの標準にもなっているHDLC(High-level Data Link Control)プロトコル(※1)を使用しており、その上で、TCP/IPやNetBEUI、AppleTalkなどの様々なネットワーク層のプロトコルを、同時に複数利用できるように設計されているのが大きな特徴となっている。これを実現するために、PPPでは、LCP(Link Control Protocol)とNCP(Network Control Protocol)という2つのプロトコルを使用している。
LCPは、HDLCベースの2点間接続そのものを制御するためのもので、リンク確立時には、必要に応じてPAP(Password Authentication Protocol)やCHAP(Challenge Handshake Authentication Protocol)を使ったユーザー認証を行なえるようになっている。LCPによるリンクが確立した後、各ネットワークプロトコル用のNCPが、それぞれのプロトコルに必要な設定を行ない接続を確立する。例えば、インターネットの通信に使うTCP/IP用(※2)のNCPは、IPCP(Internet Protocol Control Protocol)といい、TCP/IP通信に必要なIPアドレスの自動割り当て(もちろん固定でもかまわない)などは、このIPCPのコンフィギュレーションの中で行なわれる。
(※1)データやレスポンスなどをフレーム単位(パケット、ブロックなどと同義で、一定量の転送データ)でやりとりする全二重の伝送プロトコルで、PPPでは、このHDLCのフレームに、各ネットワークプロトコルのパケットをカプセル化して転送している。
(※2)正確には、主にパケットの伝送を行なうための下位のプロトコルにあたるIP(Internet Protocol)用である。
□Point-to-Point Protocol - 「STD51」または「RFC1661」と「RFC1662」を参照
ftp://ftp.nic.ad.jp/rfc/std/std51.txt
ftp://ftp.nic.ad.jp/rfc/rfc1661.txt
ftp://ftp.nic.ad.jp/rfc/rfc1662.txt
■■MS、Office 97ドキュメントID削除用パッチを提供へ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990312/ms.htm
●Unique Identifier Number
●UUID(Universally Unique IDentifier)
●GUID(Globally Unique IDentifier)
様々なオブジェクトやサービスなどを識別するために、Windows環境で使用されている16バイト(128bit)のID。
もともとは、NCS(※1)用に開発され、その後OSF(※2)のDCE(※3)に採用されたUUIDを流用したもので、MicrosoftではこれをGUIDと呼んでいる。ちなみに、同社のCOMやDCOM(※4)などで使用されるIDもこのGUIDで、用途に応じてCLSID(Class IDentifier)やIID(Interface IDentifier)などの名で呼ばれている。
GUIDは通常、「12345678-1234-1234-1234-123456789abc」という形式のハイフンで区切った16進数で表記され、Microsoftが提供するUUIDGEN.EXEや、OLE32.DLLのCoCreateGuid API(Application Programming Interface)を使って自動的に生成することができる。GUIDの特徴は、世界的に一意となるIDを一元管理することなく自動生成できる点。これを実現するために、日時情報(※5)やネットワークカードのMAC(Media Access Control)アドレス(※6)を使用している。ちなみにMicrosoftのOffice 97ドキュメントでは、このMACアドレスを含んだGUIDをDocument Summary Informationの中に書き込む仕様になっていたため問題視された。
(※1)Network Computing System-Apollo Computer(現在はHewlett-Packard)が開発した、ネットワーク上で複数のマシンが連携して分散処理を行なうためのソフトウェア。DCEの基本技術となっている。
(※2)Open Software Foundation-AT&T、Sun Microsystemsを中心とするUNIX International(UI)に対抗して、IBM、DEC、Hewlett-Packardなどが'88年に設立した、UNIXの標準化を推進するコンソーシアム。'96年にX/Open Companyと合併し、現在はOpen Groupとなっている。
(※3)Distributed Computing Environment-OSFが'90年にリリースした、ネットワーク上で分散処理を行なうための規格およびソフトウェア群。
(※4)COM(Component Object Model)は、Microsoftが開発したオブジェクト間の通信技術。オブジェクトが持つ機能をインターフェイスとして表わすことによって、他のアプリケーションから利用できるようにしたもので、元々はアプリケーション間の連携を行なうためのOLE(Object Linking and Embedding)を実現する技術としてスタート。現在では、システムの様々な機能が、COMベースのオブジェクトとして組み込まれている。このCOMの機能を拡張し、ネットワーク上で分散処理を行なえるようにしたものをDCOM(Distributed Component Object Model)と呼んでいる。
(※5)具体的には「1582/10/15 00:00:00」からの経過時間を100ナノ秒単位で持つ60bitの数値。
(※6)物理アドレスとも呼ばれる、ネットワークカードなどが持つ6バイト(48bit)のアドレスで、Ethernetは最終的にこの物理アドレスを使って通信を行なっている。6バイトのアドレスは、IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)が管理する3バイトのベンダーコードと、各ベンダが管理する3バイトのコードで構成されており、正しく運用されていれば、各機器に世界中で一意のアドレスが割り当てられることになる(一部には勝手に付けられているものや変更可能な製品もある)。GUIDでは、ハイフンで区切られた最後のブロックが、このMACアドレスを示している。
[Text by 鈴木直美]