Mac OS X v10.1製品説明会
~店頭配布のインスタントアップグレードは数量限定
早めにゲットの必要あり

Mac OS X v10.1のパッケージ。9月29日に全世界で同時発売される。マルチリンガルCDのため、ディスクの内容は全世界で共通。時差の関係から、米国よりはやく日本での出荷が行なわれる見込み
9月26日発表



 既報のとおり、アップルコンピュータ株式会社は9月29日より「Mac OS X v10.1」の出荷・販売を開始する。これは7月にニューヨークで開催された「Macworld Conference&Expo / New York」で、同社CEOのスティーブ・ジョブズ氏によってアナウンスされた9月出荷という公約を果たすものだ。

 米国では、サンフランシスコで開催されている「Seybold San Francisco 2001」において、25日(現地時間)に行なわれた基調講演の冒頭で、ジョブズ氏が自ら出荷開始日をアナウンスした。日本ではこれをうけて、26日午前にアップルコンピュータがメディア向けの説明会を開催している。説明を担当したのは、日本におけるMac OS Xのプロダクト・マネージャを務める櫻場浩氏。

 説明は、Mac OS X v10.1でのパフォーマンスの改善、新たに追加された機能など、先日の「WORLD PC EXPO 2001」でもプレビューという形でデモされた内容が中心。

Mac OS Xネイティブのアプリケーションが紹介される。マイクロソフトの「Office v.X」や、Adobeの「InDesign2.0」「Illustrator10」、Alias|Wavefrontの「Maya」など パブリックβから、正式版の出荷を経て継続されてきたユーザーからのフィードバック。なにより要望が大きかったのはやはりパフォーマンス。Mac OS X v10.1ではその要望に応えて、大幅なパフォーマンスの向上を実現したという パフォーマンスの向上はアプリケーションの起動や、ウィンドウのリサイズなどさまざまなポイントに及ぶ。従来は、Dock画面で10数回のバウンド(起動中を表すアニメーション)が必要だったInternet Explorerも、Mac OS X v10.1では1~2回のバウンドで起動する

従来のAppleTalk、WindowsネットワークであるSMBなど既存のネットワークへの親和性を向上。AirMacの管理ユーティリティの導入や、これまでFireWallのなかからは利用できなかったiDiskを、WebDAVのサポートにより改善するなどネットワーク機能が充実した 現在入手できるハイエンドのビデオチップ「GeForce3」へもネイティブ対応。Open GLを含め、グラフィック周りでは特にハイエンド向けの対応が先行している 今年冒頭からテーマにしているデジタルハブ。そのために標準で用意される各種のアプリケーション。iDVD2は、SuperDrive(DVD-R、CD-RWコンボドライブ)搭載機向けに10月にも提供される見込み

人名、地名などこれまでパソコン上では表示の難しかった旧字体なども標準でサポート。これまで芳しい評判がなかった「ことえり」も、大幅に変換効率を向上し、関連文字変換や未知のカタカナ語変換などを加え「ことえり3」として生まれ変わった
 特に強調されたのは「ことえり3」をはじめ、JIS X0213:2000のフルサポートなど、同社が最高と自負する日本語環境についてであった。

 ことえり3では関連文字変換、未知のカタカナ語変換などが加わったほか、これまではお世辞にも良い評価を得ることができなかった変換効率についても、大幅な改善を施したことで、ほかの日本語入力プログラムに肩を並べることができるようになったという。櫻場氏の言葉を借りれば「従来のことえりの概念を捨て、だまされたと思って是非一度使ってみてほしい」とのこと。

 最後に行なわれたQ&Aでは、既存のMac OS XからMac OS X v10.1へのアップグレードについての質問が中心となった。既報のニュースリリースなどでは十分に伝えられていない部分を中心に整理してお伝えする。

【Mac OS X v10.1の3種類のパッケージの違い】
 Mac OS X v10.1Mac OS X v10.1
Up-To-Dateプログラム
Mac OS X v10.1
Instant Up-To-Date
Mac OS X v10.1フルインストールCDアップグレードCD
(要Mac OS X 10.0.X)
アップグレードCD
(要Mac OS X 10.0.X)
Mac OS 9.2.1フルインストールCDフルインストールCDアップデートCD
(要Mac OS 9以降)
Mac OS X
Developer Tools
添付添付-
Mac OS X
マニュアル
添付添付添付
価格14,800円2,500円無償
(数量限定で店頭配布)

●無償アップグレードキットについて

アップグレード方法は二通り。店頭での無償アップグレードキット入手が、手軽でいち早くMac OS X v10.1を入手する手段となる。ただし無償アップグレードキットと、Up-To-Dateプログラムで入手できるパッケージの内容は一部異なるので注意が必要だ
 全国の主要アップル製品取扱販売店にて、9月29日の午前11時より数量限定で店頭配布を開始する。配布数量は明らかにされていないが、3月の初期出荷で早々に従来のMac OS Xを入手したユーザーには行き渡る程度の数を用意しているという。ただし、なくなり次第終了する。

 入手にあたって、クーポン券などMac OS Xの所有者であることを示す書類等は不要となっている。アップルによると、Mac OS X、Mac OS 9いずれも従来バージョンが必要なアップグレードCDのため、所有者以外には無用の内容ということで、入手の手軽さを重視したとのこと。ただし、その分たまたま店頭に立ち寄った非ユーザーの手に渡る可能性も少なからずあるため、この無償キットを入手したいユーザーは、できるだけ早い時期に店頭に足を運んだ方がよさそうだ。

 また、店頭配布を行なう店舗のリストなどは特に公開されていない。秋葉原、日本橋などを抱える大都市はともかく、地方都市などでは実際に配布が行なわれるかどうか、取扱店に確認してから足を運ぶことをおすすめする。なお秋葉原では当日、ソフマップ、ラオックスなどをはじめとする数店舗で、Mac OS X v10.1発売記念イベントが開催される予定だという。

●Up-To-Dateプログラムについて

 既存のユーザーにはお馴染みのアップグレード方法。同社のホームページから必要な書類をダウンロードし、Mac OS X用の「アップルソフトウェア購入証明クーポン」一枚か、購入日および購入店名が明記された製品保証書、あるいは領収書のコピーを貼付して、アップルソフトアップグレードセンターまで郵送する。

 このアップグレード方法は、2001年12月31日の消印分まで有効となる。詳細はホームページ( http://www.apple.co.jp/macosx/upgrade/ )を参照のこと。

●ハードウェア製品への導入について

 発売日以降出荷される製品にはパッケージ版を同梱。追ってプリインストールも開始される見込み。プリインストールの実施後の初期起動OSは、従来どおりMac OS 9が検討されているとのことだ。


□アップルコンピュータのホームページ
http://www.apple.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.apple.co.jp/news/2001/sep/26macosx101.html
□Mac OS Xアップグレード方法
http://www.apple.co.jp/macosx/upgrade/
□関連記事
【9月26日】アップル、Mac OS X v10.1を9月29日に発売
~無償アップグレード版を販売店の店頭で配布
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20010926/apple.htm
【9月26日】Seybold San Francisco 2001レポート
Mac OS X 10.1を発表
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20010926/seybold.htm

(2001年9月26日)

[Reported by 矢作 晃]

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