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プロカメラマン山田久美夫のWORLD PC EXPO 2001デジタルカメラレポート2会場:幕張メッセ
●「PowerShot G2」をアピールするキヤノン キヤノンは発売直後の「PowerShot G2」を頂点としたパーソナル機と、同社初のメガピクセルDVカメラ「PV130」を中心とした展開。もちろん、現行のIXY DIGITALやPowerShot系も展示されているのだが、すでに店頭で見られる機種だけに、ブースの活気は今ひとつといったところ。
また「G2」は、なかなかの人気で、こだわり派のユーザーが細かな部分までチェックしている姿も見られた。もっとも、PC中心のイベントということもあるのか、最新鋭の400万画素機でも、以前ほど普通の来場者から注目を浴びなくなりつつあるのも事実だ。
●薄型400万画素機を加え「Caplio」ブランドを全面展開させたリコー リコーは薄型300万画素3倍ズーム機「RDC-7S」の400万画素タイプである「Caplio RR 1」を一般向けに初公開。先行発売されている「RR10」とともに、「Caplio」ブランドをアピールしていた。
だた、「RR 1」は、外観上、「RDC-7S」と見分けがつかないこともあって、手に取る人が意外なほど少なかったのは少々残念なところ。 ブースで見た範囲では、先代モデルの欠点だった液晶モニターの表示品質も、本機ではきちんと向上しており、個性的で比較的バランスのとれた機種に仕上がっているだけに、会場での人気低迷はやや残念だった。
●ゼロハリデザインの300万画素機を出展した日立マクセル 日立マクセルは10月10日発売予定の、ゼロハリバートンデザインによる超小型300万画素2倍ズーム機「ZD3」を出品。
今回、実機は初めてみたが、写真で見るよりもスタイリッシュで、質感もなかなか良好。2倍ズームという点は若干気になるが、画質次第ではなかなか魅力的なアイテムになりそうな感触だ。本機は10,000台の限定生産ということなので、気になる人は先行予約( http://www.zerohalli.com/ )するという手もありそうだ。
また同ブースでは、高い耐水性を備えたインクジェットプリンタ用紙「ピクタファイン」の実験デモを展開。実際にプリントしたものを水槽の中に浸して、滲みがほどんど発生しないことを実証するなど、積極的なアピールをしていた。 インクジェットプリンタの場合、最近は各社ともに専用紙での画質向上を強くアピールしていることもあって、サードパーティーの用紙への関心がやや薄れつつあるが、そのなかでこのデモはとても印象的なものだった。
●完売の「QV-4000ブラック」を出展したカシオ
ブースには、国内仕様のシルバーボディのほか、欧米向けのブラックボディも展示されていた。 このボディは、同社ホームページで1GBのmicrodriveとセット販売されたものだが、わずか数日で完売したという。 実機を見ると、明らかに国内向けのシルバーボディよりも高級感があり、サイズもコンパクトに見えるなど、とても魅力的なもの。これなら即座に完売するのも納得できる仕上がりだ。 ブースで聞いたところ、現時点ではブラックボディの追加発売予定はないが、好評だったため、社内で検討中という。もともと実力のあるモデルだけに、より魅力的なブラックボディの国内販売をぜひ積極的に検討して欲しいところだ。
●水滴スタイルの200万画素機+インクジェットプリンタのエプソン 毎回、賑やかなブース展開を見せるエプソンだが、今回のイベントでは目立った新製品が少ないこともあって、比較的静かなもの。 同社は今回、水滴をイメージしたスタイルの2倍ズーム搭載200万画素機「CP-80」を出品。
このモデルは、親しみやすいシンプルな操作性と、PRINT Image Machingによる同社プリンタでの出力をメインに開発された個性派モデルだ。 サイズは結構大柄だが、文字を廃したアイコン表示による操作部は、なかなか斬新。また、プリントサンプルを見る限り、PRINT Image Machingとの組み合わせによる色再現性も良好なようだ。 価格も39,800円と、このクラスのなかでもきわめて安価な設定だが、イベント直前に発表されたこともあって知名度が低く、ブースでの人気は今ひとつだった。
●iD PHOTOディスク採用のストレージャーを初公開した三洋電機 三洋電機は、iD PHOTOディスクの新展開として、データストレージャーを出展した。
本機は、CFカード(Type 2可)とスマートメディアから、PCなしに単体でiD PHOTOディスクにデータを保存できる携帯型ストレージャーだ。電源も単三電池4本で駆動できるため、本機があれば、メモリーカードのデータを保存するために、わざわざノートPCなどを持ち歩かなくてもいいわけだ。 コピー操作も実に簡単で、メモリーカードを本体に挿して、ボタンを押すだけでOK。サイズはiD PHOTOディスクと電池4本を収納するため、若干大きめ。それでも初代Librettoよりも軽量でコンパクトだ。 ディスク容量は730MB。パソコンへのデータ転送は、本機をUSB 1.1かIEEE 1394で外部ドライブとして認識させることで、簡単にデータのやりとりを可能にしている。もちろん、このiD PHOTOディスクに画像以外のデータを保存して外部ドライブとして活用することも可能だ。 ブースでは、本機の詳しい説明がないうえ、派手なステージ前での展示だったこともあって、大半の来場者はその存在に気づかなかったようだ。価格は55,000円とやや高めだが、デジタルカメラをハードに活用する人にとっては、なかなか魅力的なアイテムといえる。
●この年末向け新製品を積極的にアピールした日本HP HPは、この秋冬向けの新型インクジェットプリンタを積極的にアピール。 なかでも、今回フラッグシップとなったA4機「cp1160」とメモリーカードからのダイレクトプリントが可能な「photosmart1315」のデモは見応えのあるものだった。
「cp1315」の最大のウリは高速性。なにしろ、カラー印刷でもエコノミーモードであれば、毎分16枚ものプリントが可能なため、デモを見ていると、あっという間に数枚のプリントが出てくる姿は圧巻。普段、遅いプリンタに慣れてしまっていると、呆気にとられるほどのスピード感だ。4色インクタイプのため、写真データのプリントでは若干ハイライトに荒さを感じることもあるが、この速度ならいいかなあと思ってしまうほど。 また、CFカードやスマートメディア、メモリースティックから直接プリント可能な「photosmart1315」の最大の魅力は、その大型液晶モニターによる簡単操作。大型といっても、2.5インチタイプなのだが、それでも写真データを選んだり、モードをセットするには必要十分なサイズといえる。しかも、操作メニューがほとんどすべて日本語化されており、操作に不慣れな人でも、液晶モニター表示を見て操作すれば、比較的簡単にフォトプリントができあがる点には感心する。
さらに、液晶上で写真のトリミングをしたり、一枚の紙に複数の写真をレイアウトすることもできるため、本機単体でも結構楽しめそうだ。また、PCと接続すれば、メモリーカードリーダーとしても使えるので、デジタルカメラユーザーにとっては、PCへのデータ保存時にも活用できる点がいい。 ただ、こちらも4色インクなので、最近の国産機のように6~7色インク採用機に比べると、細部のクォリティーの点では若干見劣りする部分もある。だが、プリント速度も十分に速く、使いやすいプリンタを探している人にとっては、やや高価だが、検討する価値のあるニューモデルといえる。
●未発表のメガピクセルDVカメラを参考出品した日本ビクター
日本ビクターは今回、メガピクセルCCDを搭載し、F1.2の大口径ズームレンズを搭載した参考出品モデルを出展した。 参考出品といっても、自由に触れる形での展示であり、まさに近日発表予定という感じだ。 詳細なスペックは公開されていないが、現在の「DV-2000」系のデザインを踏襲した高画質タイプのようだ。記録媒体にはSDメモリーカードを採用するという。
□WORLD PC EXPO 2001のホームページ
(2001年9月25日)
[Reported by 山田久美夫] |
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