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レース現場でも使われるThinkPad |
童夢TAKATA NSX |
IBMでは、以前より同チームにレーシングマシン製作用にテクニカルスポンサーとしてIntelliStationを提供していたが、レース現場やオフィスでの使用にThinkPadの提供も開始した。現在IBMでは、ThinkPad i Series s30×6、ThinkPad i Series 1800×3、ThinkPad A22p×5、ThinkPad i Series×2の計16台を同チームに提供している。
レースに使用されているThinkPad A22p。IntelliStationはサーキットには持ち込まれていない | 取材は午前のフリー走行後に行なわれた。決勝に向けて余念のないチームスタッフ |
現在同社で使用されているIBM製ワークステーションは、Pentium III Xeon 1GHzを搭載したIntelliStation Z Pro 10台のほか、INetfinity 5100やRS/6000も使用されている。なお、いずれもシングルCPUのマシンのみだが、使用しているソフトウェアがシングルCPUにしか対応していないため。現在のシステムでは、1m四方の解析を行なうのに3日程度かかるという。今後は、Pentium 4 1.5GHzを搭載したIntelliStation M Proの提供も予定されている。
サーキットへは、ThinkPadを持ち込み、レーシングマシンがピットに戻る度に、マシンからログデータを吸い出して、エンジニアがその場で解析を行なう。JGTCのレギュレーションでは、F1のように無線でリアルタイムにデータを転送することは禁じられているためだ。PCとの接続インターフェイスはUSBで、レーシングマシン側のコネクタは独自形状。1回のデータ吸い出しにかかる時間は数秒という。なお、レーシングマシンに搭載されているのはPCではなく専用のコンピュータのみ。
データの吸い出しにはThinkPad i Series s30が使用されていた | レーシングマシンに搭載されたエンジン制御用コンピュータ(左)とUSBインターフェイスと思われるボックス(右) | 車内に取り付けられたコネクタ。コネクタ形状は異なるがUSB端子という |
童夢レーシングチームでは、従来はレーシングマシンの開発にSGIのワークステーションを使用しており、2000年度シーズンの終わり頃から、IBMのIntelliStationの使用を始めたという。現在はまだSGIのワークステーションも使用しているが、今度は100%IBM製に切り替えていくという。
マシンのリアフェンダーにはIBM、IntelliStation、ThinkPadのロゴが貼られている | 無限×童夢 PROJECTのもう1台のマシンLOCTITE 無限NSX | 無限×童夢 PROJECTピット全景 |
童夢で使用しているPCに搭載されるOSは、Windows 2000およびWindows NT 4.0で、ソフトウェアは3D CADソフトと、構造解析や流体解析などを行なうソフトを使用している。
同社で使用している3D CADソフト。表示されているのは実際にレースで使用されているマシン | リアウイング部の流体解析結果。力のかかる部分が色分けして表示される |
(2001年9月18日)
[Reported by taira@impress.co.jp]
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