東芝、CF/SDメモリ両スロットを搭載したPDA「GENIO e」
~PDA市場へ本格参入

8月20日より順次発売

価格:オープンプライス

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 株式会社東芝は16日、PocketPCベースのPDA「GENIO e」シリーズを発売すると発表した。スタンダードモデルとなる「GENIO e550」が8月20日発売、1GBのマイクロドライブが付属する「GENIO e550/MD」が9月下旬発売予定。価格は両機種ともオープンプライス。店頭予想価格はe550が7万円前後、e550/MDが10万円前後の見込み。

GENIO e550 本体左側面。IrDAポートなどが見える 本体右側面。青いサイドパネルは取り外して交換が可能

本体正面 本体上方。右側にあるのが電源ボタン ボタンは左から予定表、仕事、ホーム、連絡先に対応する

 GENIOはイタリア語で「天才」の意。拡張性、機能性、携帯性などあらゆる面で優れていることから命名されたという。なお、同名の携帯情報端末は、同社から過去に発売されていた。

 OSはマイクロソフトのWindows for Pocket PC(Windows CE3.0)。CPUにIntel のStrongARM 206MHzを搭載し、メモリは32MBのSDRAM/32MB Flash ROMを搭載。3.5インチ(240×320ドット)のバックライト付き反射型液晶を備える。

 本体にType2 CFカードスロットとSDメモリースロットの2スロットを備えるのが特徴。GPS(CFスロット)を使いながらSD上の地図ソフトを利用するなどということも可能で、Pocket PC搭載機としてPDA本体にこれら2つのスロットを装備するのは世界初としている。

 そのほかのインターフェイスは、赤外線ポート(IrDA Ver1.2)、ステレオヘッドフォンジャックなど。

スロット部分。上側の細いスリットがSDメモリスロット、下側がCFカードスロット 本体下側。中央がクレイドル接続用コネクタ 交換可能なサイドパネルは別売。4色セットで2,000円

 バッテリは、リチウムイオンバッテリに、リチウムポリマーバッテリのパッケージ技術などを導入した、アドバンストリチウムイオンバッテリを内蔵。バッテリ持続時間は最大約8時間。本体サイズは77.5×125×17.5mm(幅×奥行き×高さ)、重さは180g(e550/MDのマイクロドライブは含まず)。

 バッテリ充電およびデータ転送用のクレードルが付属する。クレードルとPCはUSBケーブルで接続し、クレードルに本体をセットすると自動的にPC側のOutlookと同期するActiveSync機能を利用できる。

 本体には、連絡先や予定表を初め、Pocket Internet ExplorerやPocket Word、Pocket Excelなどがプリインストールされる。また、別途CD-ROMでJRトラベルナビゲータやUSBセットアップツールがバンドルされ、ActiveSync3.1およびOutlook 2000も付属する。

 会場では、CFスロットやSDIO対応の周辺機器も多数展示された。中でもSDカードタイプのBluetoothモジュールは、Bluetooth対応プロジェクターにデータを転送し、実際にスライドを表示するデモなどが行なわれた。

CFタイプのGPSカード 同じくCFの無線LANカード CFカードとSDメモリーを挿した状態

秋頃発売予定のBluetooth SDカード。価格などは未定 専用の折りたたみ式フルサイズキーボード 別売のリモコン付きイヤホン。Windows Media Playerを操作可能。価格は4,000円


株式会社東芝 取締役専務モバイルコミュニケーション社社長 溝口 哲也氏

 発表会の冒頭では株式会社東芝 取締役専務モバイルコミュニケーション社社長 溝口 哲也氏が、「今年はブロードバンド元年といえる。PDAはブロードバンドやワイヤレスといった新しい技術に対応しやすい。この時期にPDAを発表できることを喜ばしく思う」と挨拶した。

 「東芝はノートPC市場では世界的にシェアを獲得しており、今回のPDAも新世代の製品として非常に期待している」、「米国にくらべ日本のPDA市場は遅れているが、この機会にPDAモバイルソリューション市場を立ち上げて行きたい。今後、東芝としてもモバイルネットワーク商品はいろいろと発売する予定だが、PDAはその核となる製品だ」などと述べ、今後PDA市場を全力で開拓していく姿勢を見せた。

 発表会では、「ビジネス」というキーワードが目立ったこともあり、質疑応答では本製品の対象マーケットについての質問が相次いだ。そのなかで「企業向けとパーソナル向けではどういったシェアになるか?」という質問を受け、「今回の製品は価格的に高価なこともあり、ビジネス向けのモデルと言っても過言ではない。だからといって企業ユーザーに限定しているわけではなく、利用範囲は非常に広い」と語ったものの、「エンターテイメント向としては、アクセントが足りない。コンシュマー向けには別の機能を用意し、コストも下げて行く必要もあるだろう」とした。

GENIOを片手に記念撮影を行なう出席者

 また、価格については、「米国ではiPAQが人気を博しているが、売れているのは圧倒的に、価格の高いハイエンドモデル(599ドル)。同価格帯ながら、GENIOはジャケットなどを装着せずにCF、SDカードが使え、機能的には勝っている」と説明し、価格よりも性能を求めるビジネスユーザーをターゲットとしていることを再確認した。

 7月10日にはNECもPDA市場への参入を表明しており、今回東芝が製品を発表したことによって、今後さらにPDA市場が盛り上がって行くことを期待したい。

□東芝のホームページ
http://www.toshiba.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.toshiba.co.jp/about/press/2001_07/pr_j1601.htm
□関連記事
【7月9日】NEC、CEベースのPDAを公開。年内に発売予定
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20010709/nec.htm
【4月11日】コンパック、ジャケット着脱式Pocket PC「iPAQ」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20010411/compaq.htm
【'97年2月27日】東芝、32kbpsデータ通信対応PHS電話内蔵の携帯情報端末、「GENIO」を発表
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/970227/genio.htm

(2001年7月16日)

[Reported by kiyomiya@impress.co.jp]

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