コンパック、ジャケット着脱式Pocket PC「iPAQ」

4月下旬より順次発売

標準価格:オープンプライス

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 コンパックコンピュータ株式会社は、ジャケット着脱式Pocket PC「iPAQ Pocket PC」を4月中旬より順次発売する。32MB RAMを搭載した「iPAQ Pocket PC H3630」と、64MB RAMの「iPAQ Pocket PC H3660」の2モデルが用意される。価格はともにオープンプライスで、直販サイトCompaq Direct Plus価格は「H3630」が59,800円で4月中旬から、「H3660」が89,800円で5月下旬より発売される。

 ジャケット型のインターフェイスユニットと組み合わせて利用することで拡張性を高める「ジャケットコンセプト」を採用、標準ではCFスロットを備えたジャケット「IPP CFカード拡張パック」が付属する。PCカードスロットを備えたジャケット「IPP PCカード拡張パック」もオプションで用意される。価格は15,600円。また、PCとUSB接続可能なクレードルが同梱される。

ジャケット未装着時 CFジャケット装着時

 液晶は反射型カラー液晶(240×320ドット)、CPUはStrong ARM 206MHz、メモリは32MB ROMと32MB(H3630)/64MB(H3660) RAMを搭載。OSはROMに書き込まれており、Windows Powered Pocket PC(Windows CE 3.0)を搭載する。

Beatnik Player for Pocket PCのデモ

 英語版との違いは、OSが日本語版となり、ROMを16MBから32MBに増強したほか、ビートニクのRMF(Rich Music Format)対応ミュージックプレーヤー「Beatnik Player for Pocket PC」やパケットビデオのMPEG-4プレーヤー「PVPlayer 2.0日本語版」などのアプリケーションをバンドルすること。

 そのほかの付属アプリケーションは、Pocket Word/Excelや、Webブラウザ「NetFront 2.6 for Pocket PC」、時刻表ソフト「JRトラベルナビゲータ」など。

 インターフェイスはUSB/シリアルコネクタのほか、赤外線ポートを搭載。ジャケットのCF/PCカードスロットを利用することで通信機器やメモリーカードを用いた拡張が可能となる。オプションとして、拡張スロットのない3色のカラージャケットをパックにした「IPP カラースタイルパックA(エメラルドグリーン/サファイヤブルー/ルビーレット)」、「IPP カラースタイルパックB(アメジストパープル/アンバーオレンジ/スモーキークオーツ)」がそれぞれ4,300円で用意されるほか、CFカード型56Kモデム「IPP 56K CFモデム」(15,600円)や無線LANカード「WL無線LAN PCカード」(16,800円)などが用意される。

 また、P-in Compactなどの通信機器やmicrodriveのようなストレージ機器などにも対応し、動作確認済みのサードパーティ製周辺機器は、同社のホームページで公開されている。

 本体サイズは、83.5×15.9×130mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約180g(本体のみ)/約250g(CFジャケット装着時)。バッテリ駆動時間は最大約12時間。

クレードルとCFジャケットが同梱 スタイラスはボタンを押すと飛び出す仕組み ジャケットを装着したままクレードルに置くことができる

本体のみ 本体下部 GPSアプリケーション「G-NAVIX」のデモ。 データウェストが開発中。加賀電子より発売予定
サードパーティ製の周辺機器 日本無線のGPSレシーバ


馬場真 副社長

 発表会の席上、同社の馬場真副社長は、欧米で先行発売されたiPAQは70万台のバックオーダーを抱えるなど、大きな注目を集め続けており、期待の製品であることをアピールした。

 コマーシャルビジネス統轄本部の湯浅 茂 部長は、iPAQのターゲットセグメントを「iモードなどの携帯端末から移行を目指すコンシューマ」や「普段ノートPCを使っている営業マン」などとし、iPAQはコンシューマ/ビジネス双方の要求を満たすインターネット端末として利用されることを目指すと説明した。


 また、5月1日にPocket PCに最適化されたポータルサイトiPAQnet( http://www.ipaqnet.ne.jp/ )を開設(4月11日現在、未開設)し、ニュースや天気、株価といった各種コンテンツサービスを開始するほか、コミュニティサイトiPAQfan.com( http://www.ipaqfan.com/ )も開設することを発表した。

湯浅 茂 部長 ターゲットマーケット 他社製PocketPC機との速度比較デモ カシオ?

 質疑応答では、iPAQが遅れた理由などへ質問が及んだが、馬場副社長は「欧米での発売から、遅れた理由は私たちの戦略の失敗」とし、「以前出していたPDA機器が低調だったため、ちょっと弱腰となった」と説明。また、日本での出荷状況については「当初は注文が集中するだろうが、生産体制を大幅に強化しており、年間500万台体制を目指す」とした。

 また、「カシオなどライバルとなる会社もPocket PCを出していますが」との質問には、馬場氏は「カシオはライバルではありません」とコメント。湯浅部長が「PocketPC搭載機を発売している3社で競合して市場を高めて生きたい」と述べ、Palm OS搭載機についても「ともに競争してPDAの市場を大きくしていきたい」と説明。また、iPAQの今後の市場予測については、「最低限PDA市場の10%程度」とし、コンシューマ/ビジネスの販売比率については「50:50ぐらいで売っていきたい」と述べた。

 また、「32MBの59,800円(Direct Plus価格)に比べて64MBの89,800円は高くないか?」との質問には、「機能的にはiPAQが大幅に勝っているが、他社が59,800円で出しているので32MBについてはかなり無理をした。64MBとの違いはメモリだけだが、正直そこでもうけさせていただきたい(馬場副社長)」と述べた。

 なお、会場には韓国のベンチャー企業が開発したクレジットカードリーダーを備えたiPAQ端末など、サードパーティ製品も含めたデモが行なわれていた。

クレジットカードリーダーとロール紙プリンタを装備したiPAQ 無線LANカードを搭載 デモ機には黒山の人だかりが

□コンパックのホームページ
http://www.compaq.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.compaq.co.jp/press/press627.html
□製品情報
http://www.compaq.co.jp/products/handhelds/pocketpc/
□iPAQ Pocket PCサードパーティ製品リスト
http://www.compaq.co.jp/products/handhelds/pocketpc/partners.html

(2001年4月11日)

[Reported by usuda@impress.co.jp]

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