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Transmeta CEO Devid R.Ditzel氏、TM5800の情報を公開
~日立、パッド型などCrusoe搭載機を参考出品~

9月26日~27日


 都内のホテルで開催されている日立のプライベートショウ「ITコンベンション2000」において米Transmeta CEOのDevid R.Ditzel氏のセミナーが行なわれた。席上、TM5800が掲載された新しいCrusoeのロードマップが公開され、TM5800の仕様も公開された。また、日立のCrusoe搭載機器が複数展示された。

 Ditzel氏は最初に、'60年代には固定式だった電話が、現在では携帯電話が中心になったように、'90年代には固定式だったPCも携帯可能となり、いつでもどこでもインターネットが使えるようになるべきだと述べた。そのために欠けているソリューションを提供するのがTransmetaなのだと言う。

 Ditzel氏はRISCの開発に携わった経験から、オブジェクトのリコンパイルが必要なCPUは普及できないと述べ、現行のCPUの欠点である複雑さを排除しながらも互換性を持ったプロセッサが必要だと言う。それがCrusoeというわけだ。

 Crusoeを成立させている要素の3/4はソフトウェアであり、ハードウェアは1/4にすぎないとし、Code Morphing Software(CMS)によって、ハードウェアをシンプルなものにとどめ、トランジスタ数を減らすことができたという。Crusoeのシンプルさによってもたらされる低消費電力のメリットが繰り返し強調された。

 そして、新たにTM5800が追加されたCrusoeのロードマップが公開された。公式な情報公開はこれが初となるTM5800の仕様は、600~1,000MHz、512KB~1MBのL2キャッシュ、0.13μmルールプロセスで、登場時期は2001年とされている。

なお、製造については現行のIBMとの協力関係が強調され、他社のファブについては言及されなかった。

パッド本体は防滴型で、スロット類はすべて蓋付き。本体とステーはコネクタで接続されており、キーボードやマウスなどはステーに接続される

 ここで、TM5400とMobile Linuxを搭載した日立のWebパッド型のインターネットアプライアンスが紹介された。このイベントに参考出品された機器で、PCカードスロット、miniPCIスロットを持ち、Bluetooth用アダプタを内蔵できるなど多彩な通信機能を持つ。メモリは64MB、HDDは搭載されておらず、システムはフラッシュメモリに納められる。ブラウザはNetscapeを搭載しており、FlashやRealなどのプラグインにも対応している。また、日立、富士通、ソニーのノート型PCと、S3、FIC、IDEOなどのインターネットアプライアンスなどが簡単に紹介された。

Intelプロセッサとの比較。左からサーモグラフ(熱)、6W時のパフォーマンス、DVD再生時の消費電力

 また、Ditzel氏は、モバイル機器にとってはCPUの消費電力が6Wを越えるかどうかが大きな分岐点であると述べた。6Wを越えるとファンが必要となるのだ。とくに家庭用の機器では、ノイズの原因となるファンがないことのメリットは大きい。絶対的な性能で勝るIntelプロセッサだが、消費電力6Wという位置で比較すればCrusoeの方が2倍近いパフォーマンスを発揮すると主張した。

 Ditzel氏は、Transmetaが単なるチップメーカーではなく、プラットフォームアーキテクチャーカンパニーであると繰り返し、モバイルインターネット産業を実現するために欠けていた“低消費電力”という技術を提供できることを喜びとしていると述べて講演を終わった。

Crusoe搭載機は3機種。ちなみにノートの本体色は緑色ではなく、ちょっと見えているシルバーで製品化される

□ITコンベンション2000のホームページ
http://210.230.156.245/hitachi-itcon/
【9月7日】日立、Transmetaと提携。Crusoe搭載機を第4四半期に発売
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000907/hitachi.htm

(2000年9月27日)

[Reported by date@impress.co.jp]

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