マイクロソフト、トレイン シミュレータを発表 |
「Age of Empires」シリーズの制作者として有名なブルース・シェリー氏 |
マイクロソフト株式会社は、この冬に向けて発売される同社のゲームソフト、周辺デバイスの発表会「Gamestock in Japan」を開催した。発表されたタイトルは3月に米Microsoft本社で行なわれた「Gamestock 2000」や5月の「Electoronic Entertainment Expo 2000 (E3) 」で発表されたものばかりで目新しさはない。ただ、全て日本語ローカライズされており、すぐにでも発売OKな完成度に達していた。
今回、日本でも発表されたゲームは、9月22日に発売されるリアルタイムストラテジーゲーム「Age of Empires II:The Comquerors Expansion」と、12月に発売が予定されている太平洋戦争を描いた「Combat Flight Simulator 2」、実在する街中を疾走するレースゲーム「Midtown Madness 2」、爽快感溢れるフライトアクション「Crimson Skies」の3作品。いずれも日本語ローカライズして発売されるが、価格などは未定。22日から始まる東京ゲームショウにおいて一般にも公開される。
同時にハードウェアに関しても10月27日に発売予定の2種類のデバイスが発表された。ひとつは「Simcity」や「Age of Empires」といったシミュレーションゲーム用のコントローラとして論議を呼んでいる「SideWinder Strategic Commander」。もうひとつはフォースフィードバック機能を搭載したジョイスティック「SideWinder Force Feedback 2」。両製品ともオープンプライスだが、Strategic Commanderは推定小売り価格7,800円、Force Feedback 2は推定小売り価格12,800円となっている。
Strategic Commanderは右手にマウスを持ち、左手で操作することを前提としたコントローラ。ゲーム中のコマンド(複数コマンドを1つのボタンに要約し登録することも可能)を72個まで記録することができる。使用目的がはっきりしているだけにシミュレーションゲームを楽しむ以外の使用用途には向かないが、ゲームに限らずグラフィック関係のアプリケーションやInterne Explorerなどでもコマンドの記録ができることから、ちょっとしたアイディアで、使用用途は広がるかもしれない。
SideWinder Force Feedback 2は従来製品に比べ1.5倍の力を持ったモーターが採用されており、これまで以上にリアルでパワフルなゲームが楽しめるとしている。
シミュレーションゲームでの使用を前提として設計されたユニークなゲームコントローラ「SideWinder Strategic Commander」 | 従来比1.5倍のパワーを持つモーターを搭載した「SideWinder Force Feedback 2」。実際に試したところ、確かに迫力満点だった | |
「Strategic Commander」説明ムービー (AVIファイル 3分20秒 24.6MB) |
今回の目玉はなんと言っても「トレイン シミュレータ」だろう。E3の会場においてごく一部の関係者に向けて配られた資料の中に初めて登場したこの作品は、開発期間がすでに2年近くに達しているにもかかわらず、ほとんど公の場では取り上げられていない。日本においては鉄道の人気が高く、そういった意味でも注目の作品といえるだろう。
今回公開されたのは、英国の蒸気機関車やアラスカ鉄道などの一部。数多くの視点変更モードを収録しているほか、Flight Simulator同様にオープンアーキテクチャーで制作されるため、列車データなどが追加で発売される可能性があるという。ゲームに関してはどのようなものになるかは不明だが、米Microsoft担当者は「機関士は燃料を補給したり (蒸気機関車が登場するため、このことを指していると思われる) 、積み荷を積んだり数多くのことを行なわなければならない」とコメントしていることから、単純に時間を守って運転するだけでなく、もっと幅広い意味での“鉄道の仕事”をシミュレートしたゲームとなる模様だ。
【スクリーンショット】 | ||
「トレイン シミュレータ」ムービー (QuickTimeムービー 20秒程度 7.93MB) | ||
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Gamestockは、Windowsプラットフォームのゲーム及びハードウェアを紹介するイベントのため、X-Boxに関する情報はほとんど明らかにされなかったが、今回のイベントに合わせて来日した米国本社でゲーム部門を担当しているピーター・パーソン氏によって若干ながら明らかになった点があった。
Microsoftは現在数多くのゲーム開発会社と提携をしており、最近では技術力のあることで定評のあるBungie Softwareなどへも投資している。また、ゲーム専門の事業部を設立し、今後もゲーム業界から専門のエキスパートを募集し強化していく。PCとX-Boxに関しては、どちらか一方を強化するのではなく両方同時にゲームの開発を行なっていくという。これは先週行なわれたDirectXの発表会でも「Windowsは世界最大のゲームプラットフォームである」という発言からも、米MicrosoftがWindowsプラットフォームに絶大なる自信を持っていることがわかる。
今回最も注目されるのは、同氏の「X-BoxのゲームタイトルはWindowsプラットフォームで発売するタイトルとは全く違うタイトルになる」という発言だ。コーエーの襟川恵子社長は先日「X-BoxはWindowsのゲームを移植するのに適している」と発言しており、日本における多くのゲーム関係者は同様の印象を持っているものと思われる。
そういった中、X-BoxとWindowsタイトルを切り分け、X-Boxに関しては「より多くの人が楽しめるホームタイトルを中心に発売し、Windowsは専門的なタイトルを揃える」という発言は少し意外に感じる。Microsoftが日本のゲームメーカーに対してどのようなプレゼンテーションを行なっているかは不明だが、今後発表されるであろうX-Boxの初期タイトルは意外なタイトルが並ぶ可能性も出てきた。
(2000年9月13日)
[Reported by funatsu@impress.co.jp]
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