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NEC、MPEG-2テレビ録画・編集・オーサリングまで可能なVALUESTAR T
~ インターネット時代の新商品展開「iSolution」も発表~

8月10日出荷開始

価格:オープンプライス

連絡先:NECパソコンインフォメーションセンター
     Tel.0120-95-0001


「VT667J/3FD3」
「VT667J/3FD4」
 日本電気株式会社(NEC)は、MPEG-2テレビ録画PC「VALUESTAR Tシリーズ」の新モデル「VT667J/3FD3」を8月10日から出荷する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は30万円弱と見込まれる。また、HDDを40GBに強化して、同社が7月18日に発表したドルビーデジタル、ドルビープロロジック対応5.1chスピーカーシステム「PK-SP500」もセットにした上位モデル「VT667J/3FD4」も用意。店頭予想価格は30万円半ばと見込まれる。

 ハードウェアスペックは5月15日に発表された「VC667J/3FD」から変更されておらず、チップセットに810Eを採用し、Pentium III 667MHz、メモリ128MB、HDD 30GB(VT667J/3FD4は40GB)を搭載。書き込み、書き換え4倍速のCD-RWと4倍速DVD-ROMのデュアルドライブを内蔵するほか、15インチ1,024×768ドット高輝度TFT液晶ディスプレイが付属し、ワイヤレスキーボード、ワイヤレスマウスを装備する。

 VT667J/3FD3で従来モデルから大きく変更されたのがソフトウェア。テレビなどを録画したビデオクリップ、デジタルカメラで撮った写真、Webページなどをアイコンで一元的に管理する「SmartGalley」が新たに搭載された。同社では入り口を1つにすることで、「見たい、聴きたい、創りたい」という欲求を満たすことができるとしている。

 また、従来モデルに付属していたテレビ録画ソフト「MGI PureDIVA」では、録画形式が独自のMPEG-2だったため、編集することはできなかったが、今回のモデルでは編集可能なMPEG-2で録画できる「SmartVision/TV」が搭載された。これにより添付される「Ulead VideoStudio4.0(MPEG-2対応版)」を使用して編集が可能になったほか、DVDオーサリングソフト「DVDit! LE」も付属するので、ムービーにメニューなどをつけることもできるようになった。

 また、こうやって作成したメニューつきのコンテンツは、内蔵ドライブでCD-R/RWに書き出すこともできる。なお、このCD-R/RWの再生がサポートされるのは、本体に搭載されたプレーヤーのみとなるが、同社によれば、「サポート外だが、ファイルでの再生が可能なソフトウェアDVDプレーヤーでも再生できるだろう」という。

 以上のように、編集、オーサリング機能が強化されたVT667J/3FD3、3FD4だが、従来どおりコンポジット入力を装備するものの、SmartVision/TVでの外部入力の録画はサポートされていない。そのため、素材として外部から取り込めるのはRF入力(TV放送)、DV入力(i.LINK)のみとなる点には注意が必要だ。

NECが提案する利用シーン。真ん中にある文字は“一”で、消費者にNo.1と思ってもらえる商品を提供することを表わしている。また、その文字の形も「日本一の山である富士山をイメージしている」という
 また、発表会では新しい商品展開「iSolution」も打ち出された。同社ではiSolution商品を「インターネット社会と個人を繋ぎ、利用者1人1人がより豊かで、より便利な生活、活動を実現できる商品」と位置付け、iSolutionの“i”は、「individual(利用者1人1人)」、「活動的な(innovative)」、「快適な(idle)」を意味しているという。

 iSolution商品は家庭向けの「iSolution.Home」、企業向けの「iSolution.Business」の2つで構成。さらにiSolution.Homeでは「インターネット参加支援」、「デジタルライフ創造支援」、「個人活動バックアップ」の3つに大分類される。具体的商品としては「インターネット参加支援」にはケーブルレスPCやTA、ロボットなど、「デジタルライフ創造支援」にはインターネットFAX、ホームサーバー、デジタル情報編集ソフトなどが、「個人活動バックアップ」には指紋認証ユニット、運用管理ソフト、エコPCなどが含まれる。

 発表内容を聞いた限りでは、まったく新機軸の製品が展開されるというよりは、「iSolution」とくくることで、NECとしての商品展開をユーザーにわかりやすくする意味が大きいようだ。

 また、発表会の最後に行なわれた質疑応答の中で、iSolutionに絡んでBSデジタル放送のPCへの取り込みについての質問が出た。これの質問に対しNECでは「必然と考えている。NECはコンテンツメーカーではないので、どこまで取り組めるかはわからないが、今年中または今年度中にも受け皿は提供できるだろう」とした。

 さらに、「松下、ソニー、東芝が蓄積型データ放送サービス技術検討プロジェクトを発足させ、HDDレコーディングなど、現在のAVパソコンと競合する規格を出そうしているが」という問いには、「まさにこれに対抗する意味で出したのが、iSolutionという商品群だ」とし、「松下、ソニー、東芝は“PC in TV”を狙っているのだろうが、NECでは“TV in PC”でアプローチしていく」と取り組み方の違いを強調した。

 「ユーザーにとってその2つにどんな違いがあるのかと思うわれるだろうが、PCは通信において優位性があると考えている。常時接続が当たり前になれば、通信と放送に境目はなくなり、その部分ではNECの強みがある」と述べた。しかし、「もちろん、家電大手3社が考えることだから突拍子もないものではないはず」と、まったくの対立関係ではないとし、「競合するわけではなく、そこにNECの考えをプラスするということになるだろう」と、パソコンメーカーとして取り組んでいくことを明らかにした。

□NECのホームページ
http://www.nec.co.jp/
□「VALUESTAR T」のニュースリリース
http://www.nec.co.jp/japanese/today/newsrel/0008/0702.html
□「iSolution」のニュースリリース
http://www.nec.co.jp/japanese/today/newsrel/0008/0701.html
□製品情報(121ware.com)
http://www.121ware.com/
□関連記事
【7月18日】NEC、無線LAN、HomePNA 2.0など周辺機器多数を発表
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000718/nec02.htm
【7月3日】松下、ソニー、東芝が歴史的(?)な握手!(やじうまPC Watch)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/yajiuma/
【5月15日】NEC、小さくなったsimplemなどVALUESTARシリーズ一新
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000515/nec1.htm

(2000年8月7日)

[Reported by furukawa@impress.co.jp]

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